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第五章~近畿大波乱~
織田包囲網始動14
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「ほう、殿が目をつけるほどの人物ですか。それはぜひ会ってみたいものですな。」
「直盛殿とは馬が合うのではないかと思っております。」
「ではもし神威家に来られたら紅茶でも飲みながら語るとしますかのー。」
それから刹那は伊賀衆の忍びに直虎への書状を届けるように命じ、自身は孫市、直盛とともにこれからの策について考え始めた。
もちろんその中には兼続の姿もあったが、兼続は三人の話に耳を傾けることに専念して学んでいた。
それから10日後、直虎は海から雑賀城へとやってきた。
「父上、お待たせしました。さすがに海路を使っての遠征は時間がかかってしまいました。」
「いや、予定通りだ。言っておいた武器は持ってきたか?」
「はい。嘉隆に命じて鉄甲船に積ませてあります。」
その夜、刹那は主だった武将を集めて軍議を開いた。
「よし、では明朝にまずは淡路に攻める。信長殿には既に連絡を取り三好は任せると言ってもらっている!!思う存分やってくれ!!」
「織田家から許されているのであればこれほど楽なことはないですな。」
「嘉隆、久々の戦だからと浮かれすぎるなよ?」
「失敬な、殿の前でそのような恥を晒すわけにはいきませぬ。」
そう会話する刹那と嘉隆の顔には笑顔があった。
この戦の前とは思えない雰囲気も神威家にとっては当たり前のことである。
「今回は淡路に上陸後は直政に先陣を任せる。補佐は嘉隆が務めよ。」
「はっ。必ずや殿に勝利を。」
「直政、そう気張るな。心には常に余裕を持たねば足元をすくわれるぞ?」
「はっ。気を付けます。」
「直虎。」
「はっ。」
「お前には今回三好攻め総大将を命じる。」
「おっ、お待ちくださいっ!!」
刹那の話に思わず直虎が口を挟んだ。
「なんだ?」
「父上の名代ならまだしらずこたびは父上がおられるのになぜ私が総大将なのですか!」
「それはな。お前は次期神威家当主だからだ。」
「そっ、それはそうかも知れませぬが。」
「大丈夫だ。今の直虎ならできると思っているからこそ任せるのだ、やってみよ。」
「わかりました。若輩者ではありますが、その大役務めさせていただきます。」
「うむ。そして今回の軍師は真田昌幸、そして大谷吉継に任せる。直虎の補佐として策を出せ。」
「「はっ。」」
「また、島信勝を第二陣、藤堂高虎を第三陣、蒲生氏郷を第四陣とし、遊軍に原昌胤と島左近を置く。分からぬことがあれば左近に頼れ。こいつほど私のことを理解している者はおらんからな。皆、直虎の指示に従い功を上げよ!!」
「「「「「はっ。」」」」」
「わしが述べた者は直虎が当主となった時にその家臣の柱となってもらいたい者たちだ。皆、今回の戦で浮かれて油断が生じるなどせぬようになっ!!この戦がこれからの神威家を現していると思えっ。」
それなら刹那は直虎の肩に手を置くと
「任せたぞ。」
と一言添えた。
刹那はそこまで言うとその後のことを直虎に任せて部屋を出た。
その刹那に続いたのは一門衆の長を勤める井伊直盛と神威家の重臣となった信濃海玄と真田幸隆であった。
「よかったのか?直虎達だけに任せて。」
「ええ、淡路はそう難しい戦にはならないでしょうからね。直虎にはああ申しましたが淡路はすぐに手に入りますよ。」
「そうじゃな。殿から雑賀城での三好の出方を聞く限り問題はなかろう。直盛殿も相手をして恐怖は感じなかったのではないか?」
「そうですな。数は多いが一人一人の勢いを感じなかったわ。」
「それに直虎に任せましたが嘉隆や左近もつけてあります。問題は起こりませんよ。ですから我々は紅茶でも飲みながら待っていることにしましょう。」
「わしと幸隆、直盛殿は確かに歳を取ったが殿はまだ30過ぎなのだ。充分に若いはずだがな?」
「まぁ、そうなのですが、当主として様々なことをして疲れましたし、息子が頑張っているのであれば私はその間に休みますよ。」
「殿が休むと言ってもほかの者がそこまで休ませてはくれんだろうがな。」
「そうですな。直虎殿が名代として動こうとも殿の役目は徳川家の筆頭家老としての顔もありますし、そちらは殿でなければなりません。」
「そうですね。殿を天下人にすると約束していますから、そこは誰にも譲れません。必ず徳川家に天下をもたらします。」
「その世になるまでわしらは殿をお支えいたします。」
「お願いします。少しでも私の役目が減ればおとわと過ごせる時間が増えて私は幸せですからね。海玄、直盛殿、幸隆にはまだまだ頑張っていただきます!!」
「やれやれ、我が義息子は人使いが荒いのー。」
「それは今更の話ですよ義父上。」
「直盛殿とは馬が合うのではないかと思っております。」
「ではもし神威家に来られたら紅茶でも飲みながら語るとしますかのー。」
それから刹那は伊賀衆の忍びに直虎への書状を届けるように命じ、自身は孫市、直盛とともにこれからの策について考え始めた。
もちろんその中には兼続の姿もあったが、兼続は三人の話に耳を傾けることに専念して学んでいた。
それから10日後、直虎は海から雑賀城へとやってきた。
「父上、お待たせしました。さすがに海路を使っての遠征は時間がかかってしまいました。」
「いや、予定通りだ。言っておいた武器は持ってきたか?」
「はい。嘉隆に命じて鉄甲船に積ませてあります。」
その夜、刹那は主だった武将を集めて軍議を開いた。
「よし、では明朝にまずは淡路に攻める。信長殿には既に連絡を取り三好は任せると言ってもらっている!!思う存分やってくれ!!」
「織田家から許されているのであればこれほど楽なことはないですな。」
「嘉隆、久々の戦だからと浮かれすぎるなよ?」
「失敬な、殿の前でそのような恥を晒すわけにはいきませぬ。」
そう会話する刹那と嘉隆の顔には笑顔があった。
この戦の前とは思えない雰囲気も神威家にとっては当たり前のことである。
「今回は淡路に上陸後は直政に先陣を任せる。補佐は嘉隆が務めよ。」
「はっ。必ずや殿に勝利を。」
「直政、そう気張るな。心には常に余裕を持たねば足元をすくわれるぞ?」
「はっ。気を付けます。」
「直虎。」
「はっ。」
「お前には今回三好攻め総大将を命じる。」
「おっ、お待ちくださいっ!!」
刹那の話に思わず直虎が口を挟んだ。
「なんだ?」
「父上の名代ならまだしらずこたびは父上がおられるのになぜ私が総大将なのですか!」
「それはな。お前は次期神威家当主だからだ。」
「そっ、それはそうかも知れませぬが。」
「大丈夫だ。今の直虎ならできると思っているからこそ任せるのだ、やってみよ。」
「わかりました。若輩者ではありますが、その大役務めさせていただきます。」
「うむ。そして今回の軍師は真田昌幸、そして大谷吉継に任せる。直虎の補佐として策を出せ。」
「「はっ。」」
「また、島信勝を第二陣、藤堂高虎を第三陣、蒲生氏郷を第四陣とし、遊軍に原昌胤と島左近を置く。分からぬことがあれば左近に頼れ。こいつほど私のことを理解している者はおらんからな。皆、直虎の指示に従い功を上げよ!!」
「「「「「はっ。」」」」」
「わしが述べた者は直虎が当主となった時にその家臣の柱となってもらいたい者たちだ。皆、今回の戦で浮かれて油断が生じるなどせぬようになっ!!この戦がこれからの神威家を現していると思えっ。」
それなら刹那は直虎の肩に手を置くと
「任せたぞ。」
と一言添えた。
刹那はそこまで言うとその後のことを直虎に任せて部屋を出た。
その刹那に続いたのは一門衆の長を勤める井伊直盛と神威家の重臣となった信濃海玄と真田幸隆であった。
「よかったのか?直虎達だけに任せて。」
「ええ、淡路はそう難しい戦にはならないでしょうからね。直虎にはああ申しましたが淡路はすぐに手に入りますよ。」
「そうじゃな。殿から雑賀城での三好の出方を聞く限り問題はなかろう。直盛殿も相手をして恐怖は感じなかったのではないか?」
「そうですな。数は多いが一人一人の勢いを感じなかったわ。」
「それに直虎に任せましたが嘉隆や左近もつけてあります。問題は起こりませんよ。ですから我々は紅茶でも飲みながら待っていることにしましょう。」
「わしと幸隆、直盛殿は確かに歳を取ったが殿はまだ30過ぎなのだ。充分に若いはずだがな?」
「まぁ、そうなのですが、当主として様々なことをして疲れましたし、息子が頑張っているのであれば私はその間に休みますよ。」
「殿が休むと言ってもほかの者がそこまで休ませてはくれんだろうがな。」
「そうですな。直虎殿が名代として動こうとも殿の役目は徳川家の筆頭家老としての顔もありますし、そちらは殿でなければなりません。」
「そうですね。殿を天下人にすると約束していますから、そこは誰にも譲れません。必ず徳川家に天下をもたらします。」
「その世になるまでわしらは殿をお支えいたします。」
「お願いします。少しでも私の役目が減ればおとわと過ごせる時間が増えて私は幸せですからね。海玄、直盛殿、幸隆にはまだまだ頑張っていただきます!!」
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「それは今更の話ですよ義父上。」
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