チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第五章~近畿大波乱~

崩壊、そしてゼロからのスタート8

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刹那が京極丸の降伏した兵をまとめているとそこに小丸を落とした忠勝たちが合流した。

「師匠、無事に小丸攻略いたしました。」

「忠勝、ご苦労様。」

「師匠、少しお話したきことが。」

忠勝はそう話すと刹那と二人になるように少し離れた場所に刹那を誘導した。

「どうしました?長政には聞かせられない話のようですが。」

「実は。」

忠勝は雨森清貞が降伏し、切腹をしてでも兵を守る気持ちのあること、そして死ぬ前に長政に会わせてほしいと願ってきたことを伝えた。

「そうゆうことでしたか。わかりました、雨森清貞の件は私が預かります。まずは長政に会わせるとしましょう。こちらに連れてきてもらえますか?」

「承知いたしました。」

「縄をしているなら解いて状態でね。」

「そう言われると思い最初から縄はしておりませぬ。」

「長政、少しいいですか?」

「殿、なんでしょうか。」

「あなたに合わせたい者がいるのです。少し時間をもらえますか。」

「承知いたしました。」

長政は兵をまとめる仕事を直経に任せて刹那の後をついて行った。

長政がついて行った先には忠勝らがいたが、そこに見えた清貞の姿に長政は驚いた。

「清貞。殿、これは。」

「この雨森清貞が小丸の兵をまとめていたそうだ。それで、降伏してきた。切腹も覚悟の上だそうだが、その前に長政に会えるように忠勝に頼んだそうでね。」

「そうでございましたか。」

長政はそう言うと清貞の前に座った。

「清貞、久しいな。」

「長政様、お久しゅうございます。」

姉川の戦いにおいて長政が寝返りを持ちかけに行った時に清貞は会うことを拒んでいたため、幽閉される前のとき以来の再会であった。

「私になにか言いたいことでもあったのか。」

「はい。お願いがあり、最後にお会いできるようにと本多殿に頼みました。」

「そうか。して、その願いとは。」

長政がそう問いかけると清貞は平伏しながら

「どうか、どうかお父上をお恨みにならないでくださりませ。殿は長政様がにくくて幽閉をしたわけではないのです。幽閉の指示を出されたのは朝倉と織田の間で揺れる長政様を不憫に思い行動されたのです。長政様を幽閉することで織田が勝った時に言い逃れができるようにと。」

長政は驚きの表情を見せながらも静かに清貞の話を聞いていた。

「朝倉が勝った時には幽閉を解き、ふたたび当主に据えるつもりだと話しておりました。すべては長政様のことを思っての行動でございました。」

「では、なぜに私が徳川家に救われた後も父上はあのように織田への恨みのように行動された。」

「それは、朝倉義景殿の手前、そうせざる負えなかったのだと思います。そして今も、殿は最後まで悪役を買って出ているのです。どうか、そのことだけはお忘れなきようお願い致したく。」

清貞はそこまで言うと額を地面にこすりつけながら願った。

その姿勢を見ていた刹那が長政に声をかけた。

「長政、雨森清貞の処遇についてなのだが。長政に一任しようと思う。あなたなら雨森清貞をどうする?」

長政は刹那の問いに少し考えてから

「首をはねるべきでしょう。」

と一言呟いた。

その長政の言葉を聞いていた忠勝は驚きを隠せなかった。

「長政殿、その言葉は誠にですか!!仮にもあなたの家臣だった者でしょう。」

「家臣だった者であろうと主君に刃を向けた者を本多殿はお許しになるのか?」

「そっ、それは・・・。」

そんな二人の会話を刹那は黙って聞いていた。

「主に刃を向けることはやってはならぬこと。清貞はそれをしたのです。」

「はい。その通りにございます。どうぞ、長政様の手でこの首をおはねくださりませ。」

長政は潔く首を出している清貞を上から眺めながら下唇を噛み締めていた。
長政は刹那のほうを向くと自身も土下座をしながら

「殿、この清貞の命、どうか、どうか、お助け願えませんでしょうか。この者が行ったことは許せぬことなれど、すべては浅井家のことを思って行なったことにございます。そんな者を私は見殺しにはできませぬ。どうか、どうか。清貞をお助けください。」

刹那は長政の近くに歩み寄り、しゃがみ、長政の肩に手を置いた。

「長政、私は先ほど、なんと言いましたか?」

刹那の言葉に長政は刹那の顔をみた。

「私は長政、あなたに雨森清貞の処遇を任せると言いましたよ?」

「でっ、ではっ!!」

「長政が命を助けたいと申すならそれが雨森清貞の処遇となります。」

「殿、ありがとうございます。」

「雨森清貞っ。」

「はっ。」

「お主は長政の預かりとする。この恩を仇で返すことのないように祈っておりますよ。長政の願いを叶えてやってください。」

「はっ。死んだと思ったこの命、助けていただけた長政様、そして神威刹那様のために身をこにしてお仕え申しあげますっ。」

こうして、浅井家三人衆と呼ばれた雨森清貞も長政の配下となったのである。
刹那はすぐにこれまでのことを家康に報告。
家康からはすべて刹那の采配に任せると返事がきて清貞の降伏は無事に正式に許可が下りたことになった。
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