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第七章~織田家崩壊~
ついに来ますか、本能寺でのキャンプファイヤー3
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【安芸の国 吉田郡山城】
「殿、織田家の羽柴秀吉より書状が届きました。」
「輝元よ、 まずは読んでみるといいさ。」
隆景にそう促された輝元は読むつもりがなかったが、しぶしぶ秀吉からの停戦の書状を読むのであった。
「秀吉は我らと停戦をしたいとのこと。」
「して、その条件はなんと。」
「長門、周防、石見、安芸のみの安堵と備中高松城城主の清水宗治の切腹だそうだ。」
「ふっ、ふざけるのもいい加減にしろっ!!」
秀吉の出した条件に吉川元春は我慢がならなかった。
「まだ負けたわけでもないものをなぜそのような条件を受けねばならぬのだっ!!」
「元春叔父上落ち着いてくだされ。まだ受けるなどとは言っておりません。」
「ならば輝元よ、当主としてどういたすのだ。」
「我らが誼を通じるべきは織田、羽柴にあらず。徳川の神威である。」
隆景が輝元の代わりにそう応えた。
その言葉を聞いた輝元は
「元春叔父上、私も当主として隆景叔父上の言うことが最もだと考えます。」
二人の意見に納得がいかない様子を見せる元春に対して隆景が
「兄上、父上の遺言は覚えていますよね?」
「もちろんだ。毛利は天下を目指すことなかれというやつであろう?」
「はい。裏を返せば今の領土を守ることに専念せよということ。そのために必要なのは力を持っているものと協力することだと考えます。」
「道理だな。」
「今羽柴と結べば領土は減らされこの先も良いように使われるだけでありましょう。」
「徳川は違うと申すか。」
「いえ、徳川ではなく、筆頭家老の神威刹那殿と誼を通じることが大事なのです。」
「そこがわからん。徳川は確かに力を有している大名家だ。しかしなぜにその筆頭家老に拘る。筆頭家老よりも大元の徳川と誼を通じるほうが何かと良いのではないか?」
「今川の属国であった徳川を今の大大名家にしたのが筆頭家老の神威刹那だとしても同じことが申せますか?」
「なにっ!!それでは父上と同じようなものではないかっ!」
「はい。父上が一城から今の毛利を作ったのと同じようなことを神威刹那はやってのけておるのです。これほど恐ろしいものがおりますか?」
元春は父上である毛利元就をいたく尊敬しており、その父と同じようなことをやってのけた刹那の存在に大きく驚くのであった。
「神威刹那は並外れた知略の持ち主です。父上のように策略を巡らせてもなぜか人から疎まれることがない。むしろ人を引き寄せる力を持っていると恵瓊が申しておりました。」
「父上以上かもしれぬと言うことか。」
「元春叔父上、私は神威刹那にかけてみようと思うのです。これからの毛利のために。」
輝元の強い意思のある目を見た元春は
「現当主である輝元がそう決めたならわしはそれに従うのみだ。隆景、お前の知にかけるぞ。」
「ありがとうございます。兄上。必ずや毛利のためになることをお約束致しましょうぞ。」
こうして毛利家の方針は徳川と誼を通じることに決着し、秀吉からの使者は手ぶらで帰ることになったのである。
秀吉からの停戦の誘いを断った輝元はすぐに軍を編制し備中高松城へ4万もの援軍を送ることを決定した。
その総大将には吉川元春が選ばれるなど毛利家の本気が感じ取れた。
一方、停戦交渉が失敗に終わった秀吉陣営では
「なぜじゃっ!!このままでは光秀の良いようにされてしまうぞっ!!官兵衛、どうにかならんのかっ。」
「こうなれば備中高松城は諦め、殿部隊を残して撤退するしかないかと。」
「それでは殿部隊がやられた後に我らの背後を毛利に突かれることになるのではないか?」
「その可能性は高うございます。しかし、殿が敵討ちを第一にお考えになるならばそれが最善と申せましょう。」
「どうすればいいんじゃっ・・・・。」
「秀吉、その殿、俺がやってやろうか?」
そう言いながら入ってきたのは昔からの友である蜂須賀小六だった。
「小六っ!」
「お前が天下を取るためになるならその役目、俺が引き受けよう。」
「蜂須賀殿なら安心して任せられましょう。」
そう言う官兵衛を他所に秀吉は小六に近寄り
「小六、わかっておるのか?この殿、ほぼ間違いなく死ぬぞ。」
「だろうな。」
「こんなところで死にたいのかおまえはっ!」
秀吉は小六の胸元を両手で掴みながらそう言った。
「ふっ、言ったろ?お前が天下を取るためならってな。いいか秀吉。天下を取れ。俺のことは気にするな。お前が進むべき道を迷わず進め。」
小六のその言葉に秀吉は涙した。
殿部隊の大将を蜂須賀小六と決めた秀吉は殿として3000の兵を配置し、自身は一路姫路城を目指した。
「小六、すまん。」
秀吉を見送った小六は、
「よしっ、秀吉のためにもここでいっちょ派手な死に様を晒すとするかっ!!」
そう自分自身に言い聞かせるように声を発した。
それから少しして小六の元に毛利軍4万が攻め寄せ、小六は3000の兵を率いて最後の一兵まで戦いを見せた。
それを見た吉川元春は
「蜂須賀こそ、誠の忠臣。我らも学ぶべき姿勢である。」
と小六の戦いぶりを称したのである。
小六の奮戦もあり、秀吉軍は備中を無事に離脱。
姫路城へと軍を返すことに成功したのである。
「殿、織田家の羽柴秀吉より書状が届きました。」
「輝元よ、 まずは読んでみるといいさ。」
隆景にそう促された輝元は読むつもりがなかったが、しぶしぶ秀吉からの停戦の書状を読むのであった。
「秀吉は我らと停戦をしたいとのこと。」
「して、その条件はなんと。」
「長門、周防、石見、安芸のみの安堵と備中高松城城主の清水宗治の切腹だそうだ。」
「ふっ、ふざけるのもいい加減にしろっ!!」
秀吉の出した条件に吉川元春は我慢がならなかった。
「まだ負けたわけでもないものをなぜそのような条件を受けねばならぬのだっ!!」
「元春叔父上落ち着いてくだされ。まだ受けるなどとは言っておりません。」
「ならば輝元よ、当主としてどういたすのだ。」
「我らが誼を通じるべきは織田、羽柴にあらず。徳川の神威である。」
隆景が輝元の代わりにそう応えた。
その言葉を聞いた輝元は
「元春叔父上、私も当主として隆景叔父上の言うことが最もだと考えます。」
二人の意見に納得がいかない様子を見せる元春に対して隆景が
「兄上、父上の遺言は覚えていますよね?」
「もちろんだ。毛利は天下を目指すことなかれというやつであろう?」
「はい。裏を返せば今の領土を守ることに専念せよということ。そのために必要なのは力を持っているものと協力することだと考えます。」
「道理だな。」
「今羽柴と結べば領土は減らされこの先も良いように使われるだけでありましょう。」
「徳川は違うと申すか。」
「いえ、徳川ではなく、筆頭家老の神威刹那殿と誼を通じることが大事なのです。」
「そこがわからん。徳川は確かに力を有している大名家だ。しかしなぜにその筆頭家老に拘る。筆頭家老よりも大元の徳川と誼を通じるほうが何かと良いのではないか?」
「今川の属国であった徳川を今の大大名家にしたのが筆頭家老の神威刹那だとしても同じことが申せますか?」
「なにっ!!それでは父上と同じようなものではないかっ!」
「はい。父上が一城から今の毛利を作ったのと同じようなことを神威刹那はやってのけておるのです。これほど恐ろしいものがおりますか?」
元春は父上である毛利元就をいたく尊敬しており、その父と同じようなことをやってのけた刹那の存在に大きく驚くのであった。
「神威刹那は並外れた知略の持ち主です。父上のように策略を巡らせてもなぜか人から疎まれることがない。むしろ人を引き寄せる力を持っていると恵瓊が申しておりました。」
「父上以上かもしれぬと言うことか。」
「元春叔父上、私は神威刹那にかけてみようと思うのです。これからの毛利のために。」
輝元の強い意思のある目を見た元春は
「現当主である輝元がそう決めたならわしはそれに従うのみだ。隆景、お前の知にかけるぞ。」
「ありがとうございます。兄上。必ずや毛利のためになることをお約束致しましょうぞ。」
こうして毛利家の方針は徳川と誼を通じることに決着し、秀吉からの使者は手ぶらで帰ることになったのである。
秀吉からの停戦の誘いを断った輝元はすぐに軍を編制し備中高松城へ4万もの援軍を送ることを決定した。
その総大将には吉川元春が選ばれるなど毛利家の本気が感じ取れた。
一方、停戦交渉が失敗に終わった秀吉陣営では
「なぜじゃっ!!このままでは光秀の良いようにされてしまうぞっ!!官兵衛、どうにかならんのかっ。」
「こうなれば備中高松城は諦め、殿部隊を残して撤退するしかないかと。」
「それでは殿部隊がやられた後に我らの背後を毛利に突かれることになるのではないか?」
「その可能性は高うございます。しかし、殿が敵討ちを第一にお考えになるならばそれが最善と申せましょう。」
「どうすればいいんじゃっ・・・・。」
「秀吉、その殿、俺がやってやろうか?」
そう言いながら入ってきたのは昔からの友である蜂須賀小六だった。
「小六っ!」
「お前が天下を取るためになるならその役目、俺が引き受けよう。」
「蜂須賀殿なら安心して任せられましょう。」
そう言う官兵衛を他所に秀吉は小六に近寄り
「小六、わかっておるのか?この殿、ほぼ間違いなく死ぬぞ。」
「だろうな。」
「こんなところで死にたいのかおまえはっ!」
秀吉は小六の胸元を両手で掴みながらそう言った。
「ふっ、言ったろ?お前が天下を取るためならってな。いいか秀吉。天下を取れ。俺のことは気にするな。お前が進むべき道を迷わず進め。」
小六のその言葉に秀吉は涙した。
殿部隊の大将を蜂須賀小六と決めた秀吉は殿として3000の兵を配置し、自身は一路姫路城を目指した。
「小六、すまん。」
秀吉を見送った小六は、
「よしっ、秀吉のためにもここでいっちょ派手な死に様を晒すとするかっ!!」
そう自分自身に言い聞かせるように声を発した。
それから少しして小六の元に毛利軍4万が攻め寄せ、小六は3000の兵を率いて最後の一兵まで戦いを見せた。
それを見た吉川元春は
「蜂須賀こそ、誠の忠臣。我らも学ぶべき姿勢である。」
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