チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第七章~織田家崩壊~

明智の首はいただいた!!2

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後方からの奇襲、京からの行軍による疲労、龍雲党の猛攻撃など様々な悪条件が明智軍を襲う中、一人奮戦していた武将がいた。

明智家家臣、可児才蔵。
通称、笹の才蔵である。

「皆の者、怯むな!!ここで怖気づいては男ではないぞ!!」

才蔵はそう周りの兵を鼓舞すると神威軍の兵士を何人も切り捨てて行った。

「ほう、明智軍にも骨のある武将がいるじゃねぇか。」

友作はそう言うと才蔵のほうへと馬を進めた。

「我こそは神威家家臣、新田友作。そこの御仁、相当の強者と見た!!いざ、尋常に勝負願いたい!!」

「わしは明智家家臣、可児才蔵。その勝負受けて立つ!!」

友作と才蔵の一騎打ちは互いに攻めと受けを交互に繰り返すような均衡した実力同士のものに違いなく、周りで戦っていた兵達が思わず戦いをやめ見入ってしまうほどだった。

槍と槍とが交わること十数回、ついに決着がついた。

攻勢に出ていた才蔵だったが一瞬の隙を突かれ槍を友作に弾かれてしまった。

「はぁはぁ、お主、強いなっ。」

「そっちこそ、ここまで疲れる一騎討ちは久々だ。」

「さぁ、切れっ。これほどの強者に討たれるならこの可児才蔵、後悔はない。」

才蔵は首を差し出すかのような仕草を見せた。

「ふっ、やらんっ。あんたを殺すのは惜しいっ。どうだ。うちの殿に仕えてみる気はないか?今よりも面白い戦いがたくさんできるぞ。」

「ふっ、撃ち破った者を味方に誘うか。面白い。この可児才蔵。敵に降ろう。」

こうして新田友作と可児才蔵の一騎討ちは新田友作の勝利に終わり、可児才蔵は神威軍に降ることとなったのである。

友作が一騎打ちに勝利している頃、光秀は更に窮地に追い込まれていた。

「伝令!!後方の安土城方面からも敵軍襲来!!」

「敵は何者だ。」

「浅井長政と思われます。」

「なん、だとっ!!」

「前には神威軍、後ろに浅井軍。殿、いかがなさいますか。」

「ふっ、これはもはや勝目などあるまい。信長様が言っていた神威刹那を侮ってはならんという言葉。どうやら本当だったようだな。」

光秀はそう言うと自らの首に短刀をあてがった。

「殿っ!!まだ、まだ諦めてはなりませぬ!!」

「利三、よくこれまでわしに尽くしてくれたな。おまえは神威軍に降伏せよ。おまえほどの武勇と知略を持った者であれば重宝されよう。」

「ふざけたことを申されますな。我が主は生涯、明智十兵衛光秀様お一人にございます!!殿がここで死ぬと申されるなら私も死ぬまする。」

「ふっ、頑固者めが。」

そう言って二人は死を覚悟した時、

「まだ死ぬには早いのではないかな。明智殿よ。」

影からそう声が聞こえた。

「誰だ!!」

その声の人物はすっと影から体を出し

「伊賀の忍びの長、百地丹波と申す。今は神威刹那様の配下にござる。明智殿、我が主が内密にお会いしたいとの仰せ故、死ぬおつもりならまずは共に来ていただけませぬかな?」

「敵の大将自らの呼びたてだと!!」

「殿、なにかの罠やもしれませぬ。行ってはなりません。」

そう止める利三に光秀は

「利三、どうせ今死のうと心に決めたところだ。せっかくだ。死ぬ前に自分を追い詰めた武将の顔でも拝むといたそう。」

「不安ならば利三殿も共に来ていただいてけっこうですぞ。」

そう言い丹波は二人を刹那の元へと案内した。

「明智殿、お久しぶりにございます。徳川家の神威刹那にございます。」

「お久しぶりでござる。して、神威殿、私はなぜにこの戦の最中にあなたのところに呼ばれたのですかな?」

「光秀殿と取引をしたいと思いましてね。死なれてしまう前に丹波にここへお連れするように命じた次第にございます。」

「取引とは。」

刹那は光秀にある取引を持ち出した。
その内容とは、

・明智光秀はこの戦いで討ち死にしたものとする。
・光秀本人は名を変え、神威刹那に仕える。
・この二つの条件を飲む場合は明智家の家臣は神威家で雇入れ面倒を見る。
・妻子は神威刹那の元、保護し、ほどよき時に光秀の元へ戻すものとする。

このような条件を提示した。

「以上の条件を持ってこの戦を終わりにしたいと考えておりますが、いかがでしょうかな?」

「家臣達や妻子までその身を保証されるとはどうしてそこまでの条件を出される。この戦、もはや貴殿の勝ちに私には思えるのだが。」

「はい。戦は十中八九我らが勝利するでしょう。しかし、それだけのこと。私が望むのは今の勝ちにあらず。未来の勝ちにございます。」

「未来の勝ち。」

「はい。そのためには光秀殿、あなたには死なれては困るのです。しかし、あなたは主殺しである。ならばその名のまま生かすことはできません。そのために一度死んでもらい、新たに産まれてもらうしかない。そう考えました。」

光秀は刹那の考えを聞いてしばしの沈黙の後に

「それほどまでに必要としていただけるのであれば、この明智十兵衛光秀、一度死に、新たな名を持って神威刹那殿にお仕えいたしましょう。」
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