チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第九章~西国での動き~

西日本大騒動8

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「当家は以前より毛利家と懇意にしている家柄だ。それを窮地とは言え、裏切れば我らは末代までの裏切り者と罵られよう。」

「そのために殿はこれまで続いてきた河野家を滅ぼすと?」

「大野殿、これは殿がお決めになられたことですぞ。」

直房にそう言われると直昌はくっと苦虫を噛み潰したような顔になった。

「直昌よ、それに少しの間耐えていればきっと毛利が我らを救うために援軍を出してくれよう?」

通直がそう直昌に問いかけるのを見てそれまで話の行く末を黙ってみていた吉継が声をあげた。

「残念ながら毛利が河野家は援軍を出すことはありませぬ。」

「なにっ!それはどうゆうことだ。我らを謀ろうと言うのであれば許さんぞ!」

吉継の発言に直房は怒り声を荒げたが、吉継は冷静に

「謀りではございませぬ。当家が掴んでいる情報から推察していることにございます。」

「どうゆうことだ?」

通直が吉継に問いをなげた。

「現在、毛利家がどこと争っているか通直殿はご存知でしょうか?」

「羽柴ではないのか?」

「その答えは正しくもあり、正しくもなくでございます。」

「どうゆうことだ。直房、毛利は羽柴が侵攻してくるために援軍を出せぬのであろう?」

「はい、そのように聞いておりますが。」

「確かに羽柴が侵攻してきているのは事実、しかし、毛利の敵は羽柴のみにあらず。毛利は同時に大友にも侵攻されております。」

「なっ、なんだと。」

吉継の言葉に通直は驚きを隠せなかった。

「でっ、では、我らが長宗我部を耐えていようとどうあっても毛利からの援軍は望めぬと言うことか。」

「はい。片方が片付いたとしてももう片方が片付くまで毛利が河野家に援軍を出すことはありますまい。それに仮に両方を打ち負かしたとしても河野に援軍を出す余力は残らないでしょう。」

「通直殿。吉継が申すことは当家の忍びが掴んでいる情報ですので間違いはございません。これでも我らの援軍を要らぬと申されるなら大野殿には申し訳ないが我らは伊勢へと帰らせていただきます。」

直虎はそう言うとその場から去ろうとした。

「まっ、待ってくれっ!!」

通直が焦ってそう直虎の背に声をかけた。

「すまなかった。神威殿、どうか我らを救ってくれ。」

直虎は通直のほうへ向き直ると、

「それは我ら徳川の傘下に加わると捉えてよろしいですかな?」

「あぁ。河野家はこれより徳川家の傘下に入る。」

この通直の発言により河野家の徳川家傘下入りが決まったのである。

それから通直は神威家の兵を全て湯築城へ入れるように直房に指示を出した。

兵の入城が終わった後、河野家と神威家の両者が揃い軍議が行われることとなった。

「では、今回の長宗我部への防衛戦。我らの指揮下での戦とさせていただいてよろしいですな、通直殿。」

直虎がそう言うと通直は

「異存ござらん。」

と返事を返した。

それから直虎や吉継が主体となり軍議は速やかに進められてすぐさま河野軍の編成が行われた。

軍議では、神威勢が先陣となり直接長宗我部軍を迎え撃ち、河野勢は支援や救援として戦うことになった。

軍議が終わった後、大野直昌は一人直虎の元へと赴いていた。

「直虎殿、こたびは本当にありがとうございました。私一人では殿を納得させることはできませんでした。」

「いえ、大野殿の最後の問い詰めがなければ私達があそこまで首を突っ込むことはできなかったでしょう。」

「主家を守りたいのとここまで御足労頂いた直虎殿に申し訳ない気持ちのみでございました。」

「我らも遠征が無駄にならずよかったですよ。」

直虎はそう笑いながら言った。

「ですが、神威勢に先陣をすべてお願いしてよろしいのでしょうか?これは我らの戦いなのに。」

直昌は申し訳なさそうに言った。

「お気になさらなくて大丈夫ですよ。大野殿。」

「しかし。」

「大野殿は忠義に厚い御仁ですね。そんな家臣を持って通直殿は誉でしょう。」

「いえ、私などは全然殿には必要とされておりませんよ。」

「そうなのですか?」

「えぇ、殿は私よりも平岡殿のほうが気に入っておるのですよ。私などはどちらかと言えば口煩いことしか言わない者として良くは思われていないでしょうね。」

直昌は少し悲しそうな顔をしながらそう言った。

「では、今回の防衛戦、通直殿にお願いして大野殿をお貸し願えるか聞いてみたいと思いますがいかがでしょうか?」

「私をですか?殿のお許しが出るなら私は構いませんが。神威家の兵はとても強兵だと聞いておりますし、ぜひ間近でその戦を見てみたいと思いますから。」
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