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第九章~西国での動き~
西日本大騒動10
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「敵は黒瀬城のほうより進軍をしてくるものと予想されます。故に原殿、北条殿にはそれぞれ5千の兵を城の西の阿蔵と東の富士山に兵を潜めていただきたい。」
「「承知。」」
「そして残りの兵5千ですが、孫市殿に鉄砲部隊5千の指揮をお願いしたい。」
「了解だ。今までの布陣からすると俺の率いる鉄砲衆は殲滅を目的としたものだと考えていいか?」
「はい。なので、長宗我部が撤退しようとした時か我らが不利になるまで待機をお願いします。」
「大谷殿、私はいかがなさいましょうか。」
「大野殿には若のお側で我らの戦を拝見願えればと思います。もちろん、長宗我部の出方次第では城から出て攻撃をしかけていただくこともあるかもしれまんが。」
「わかりました。」
「若、このような策にしたいと思いますがいかがでしょうか?」
「わかった。吉継の策でいこう。高虎。」
「お前には大洲に着き次第、城の検分を頼みたい。」
「わかりました。お任せを。」
「では、皆。兵をまとめ大洲へと向かうぞ。」
大洲城へと到着した神威勢はすぐにそれぞれの与えられた任務を遂行するために行動した。昌胤と康成は西と東に別れ長宗我部の軍からは見えないような位置に布陣と展開し、高虎は大洲城の城主を務めている直昌に案内を頼み細かく見て回った。
その間に直虎は城下の民をすべて城へと避難させた。
「若、民の避難終わりました。」
「そうか、今回の戦はこの大洲が一番の戦となるのだから民に被害が大きく及ぶ可能性がある。ここは大野殿の城らしいからな、できるだけ民に被害は与えたくない。」
「城下などいくらでも作り直せますが、民はそうはいきませぬからね。」
「父上には民は大事にせよと口煩いほど言われておる。神威家の代表としてそれを蔑ろにするわけにはいかない。」
「今回の策、うまくいけばこちらの被害はそこまで大きくないものになると思われます。しかし、相手は長宗我部元親、土佐の一、豪族でしかなった者が今では土佐を統一し、この伊予まで来ている。油断だけはなさらぬように。」
「あぁ、どんな相手だろうと気を緩めればそれは隙になり、己の足元を救われるだったな。」
「神威塾で散々言われましたな。」
「此度の戦、勝つぞ、吉継。」
「必ずや。」
大洲城へと到着した翌日には神威勢の配備は完璧なほどになっていた。
「後は長宗我部軍が来るのを待つだけか。」
「それぞれ配置についておりますので、敵に動きが察知されない限りは問題ないと思われます。」
ここまでの神威勢の動きに大野直昌は改めて自軍と神威勢の兵の練度の差などを痛感していた。
「正直、軍議の場では直虎殿の申される策など、この数日の間には到底無理だと思っておりました。あのような策をするのであれば少なくとも10日は必要だと。」
「確かに、農民兵を含むような軍ではそれほどの日数が必要なことだったかもしれません。しかし、我ら神威兵はほとんどが兵として雇われている言わば軍人。常日頃厳しい訓練をしている者達なのです。そして今回の援軍2万、すべてはその中でも優秀な精鋭部隊。この程度のこと、彼らには造作もないことです。」
「それほどまでの兵を神威家はお持ちなのですね。」
「軍の強さにおいては日の本一の兵であると自負しておりますよ。そうでなければ徳川家の筆頭家老だと名乗れません。」
「若も父上である殿の作られた教育機関である神威塾で様々なことを学ばれております。それもすべて領民などのためです。」
「領民のため。」
「そうです。武士が生きられるのはすべてそこに住む領民あってこそ。その領民が豊かに過ごせるようにしてあげるのがその土地を預かる者の使命。私も父もそう考えておりますよ。それは大野殿、あなたもそうなのではありませんか?」
「それは。」
「主家を思い、領民を思うからこそ、自分の立場が悪くなろうとも主に諫言する。それができているのではありませんか?」
「そうですね。」
「その領民のためにもこの戦、必ず勝ちます。大野殿のお力を我らにお貸しください。」
「はい。この大野直昌、全力を持って長宗我部撃退に務めましょう。」
その日の夜中、直虎が寝ている部屋の廊下に人の気配がして直虎は目を覚ました。
「明朝、長宗我部軍1万がここに攻撃を仕掛ける模様。」
「そうか、外に陣を敷いている部隊に伝えてくれ。迎撃の合図まで手を出すなと。」
直虎がそう言うと気配はすっと消えた。
直虎はすぐに吉継を呼んだ。
「若、お呼びですか。」
「明朝、長宗我部軍が攻めてくると知らせがあった。すぐに軍議を始めるぞ。」
「はっ!!」
「皆、明朝、長宗我部軍1万が大洲城に攻撃を仕掛けてくるとの知らせがあった。各自、持ち場に待機し、その時を待て。」
「若、500の兵をお貸し願えませぬか。」
そう進言してきたのは城を検分した藤堂高虎だった。
「いかがする。」
「万が一に備え、手薄となっていた北側に城の蔵にあった槍で仕掛けを作りたいのです。」
「北側に兵が来ることはないと思うが、高虎がそう言うならやってみろ。」
「はっ。ありがとうございます。」
「「承知。」」
「そして残りの兵5千ですが、孫市殿に鉄砲部隊5千の指揮をお願いしたい。」
「了解だ。今までの布陣からすると俺の率いる鉄砲衆は殲滅を目的としたものだと考えていいか?」
「はい。なので、長宗我部が撤退しようとした時か我らが不利になるまで待機をお願いします。」
「大谷殿、私はいかがなさいましょうか。」
「大野殿には若のお側で我らの戦を拝見願えればと思います。もちろん、長宗我部の出方次第では城から出て攻撃をしかけていただくこともあるかもしれまんが。」
「わかりました。」
「若、このような策にしたいと思いますがいかがでしょうか?」
「わかった。吉継の策でいこう。高虎。」
「お前には大洲に着き次第、城の検分を頼みたい。」
「わかりました。お任せを。」
「では、皆。兵をまとめ大洲へと向かうぞ。」
大洲城へと到着した神威勢はすぐにそれぞれの与えられた任務を遂行するために行動した。昌胤と康成は西と東に別れ長宗我部の軍からは見えないような位置に布陣と展開し、高虎は大洲城の城主を務めている直昌に案内を頼み細かく見て回った。
その間に直虎は城下の民をすべて城へと避難させた。
「若、民の避難終わりました。」
「そうか、今回の戦はこの大洲が一番の戦となるのだから民に被害が大きく及ぶ可能性がある。ここは大野殿の城らしいからな、できるだけ民に被害は与えたくない。」
「城下などいくらでも作り直せますが、民はそうはいきませぬからね。」
「父上には民は大事にせよと口煩いほど言われておる。神威家の代表としてそれを蔑ろにするわけにはいかない。」
「今回の策、うまくいけばこちらの被害はそこまで大きくないものになると思われます。しかし、相手は長宗我部元親、土佐の一、豪族でしかなった者が今では土佐を統一し、この伊予まで来ている。油断だけはなさらぬように。」
「あぁ、どんな相手だろうと気を緩めればそれは隙になり、己の足元を救われるだったな。」
「神威塾で散々言われましたな。」
「此度の戦、勝つぞ、吉継。」
「必ずや。」
大洲城へと到着した翌日には神威勢の配備は完璧なほどになっていた。
「後は長宗我部軍が来るのを待つだけか。」
「それぞれ配置についておりますので、敵に動きが察知されない限りは問題ないと思われます。」
ここまでの神威勢の動きに大野直昌は改めて自軍と神威勢の兵の練度の差などを痛感していた。
「正直、軍議の場では直虎殿の申される策など、この数日の間には到底無理だと思っておりました。あのような策をするのであれば少なくとも10日は必要だと。」
「確かに、農民兵を含むような軍ではそれほどの日数が必要なことだったかもしれません。しかし、我ら神威兵はほとんどが兵として雇われている言わば軍人。常日頃厳しい訓練をしている者達なのです。そして今回の援軍2万、すべてはその中でも優秀な精鋭部隊。この程度のこと、彼らには造作もないことです。」
「それほどまでの兵を神威家はお持ちなのですね。」
「軍の強さにおいては日の本一の兵であると自負しておりますよ。そうでなければ徳川家の筆頭家老だと名乗れません。」
「若も父上である殿の作られた教育機関である神威塾で様々なことを学ばれております。それもすべて領民などのためです。」
「領民のため。」
「そうです。武士が生きられるのはすべてそこに住む領民あってこそ。その領民が豊かに過ごせるようにしてあげるのがその土地を預かる者の使命。私も父もそう考えておりますよ。それは大野殿、あなたもそうなのではありませんか?」
「それは。」
「主家を思い、領民を思うからこそ、自分の立場が悪くなろうとも主に諫言する。それができているのではありませんか?」
「そうですね。」
「その領民のためにもこの戦、必ず勝ちます。大野殿のお力を我らにお貸しください。」
「はい。この大野直昌、全力を持って長宗我部撃退に務めましょう。」
その日の夜中、直虎が寝ている部屋の廊下に人の気配がして直虎は目を覚ました。
「明朝、長宗我部軍1万がここに攻撃を仕掛ける模様。」
「そうか、外に陣を敷いている部隊に伝えてくれ。迎撃の合図まで手を出すなと。」
直虎がそう言うと気配はすっと消えた。
直虎はすぐに吉継を呼んだ。
「若、お呼びですか。」
「明朝、長宗我部軍が攻めてくると知らせがあった。すぐに軍議を始めるぞ。」
「はっ!!」
「皆、明朝、長宗我部軍1万が大洲城に攻撃を仕掛けてくるとの知らせがあった。各自、持ち場に待機し、その時を待て。」
「若、500の兵をお貸し願えませぬか。」
そう進言してきたのは城を検分した藤堂高虎だった。
「いかがする。」
「万が一に備え、手薄となっていた北側に城の蔵にあった槍で仕掛けを作りたいのです。」
「北側に兵が来ることはないと思うが、高虎がそう言うならやってみろ。」
「はっ。ありがとうございます。」
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