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第九章~西国での動き~
西日本大騒動11
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「皆、全力を尽くせ。」
「「「「おおおおおおお!!!」」」」
夜が明ける頃、知らせ通り、長宗我部軍1万が大洲城城門へと攻撃を開始してきた。
「河野攻めの始めだ!!ここを一気に落として勢いを付けるぞ!!」
城外からそんな声が聞こえてくる頃、直虎は上からその様子を観察していた。
「形勢はまずまずといったところか。」
「まずは城門のところで小競り合いをして、こちらは弓で外の兵を倒していきます。」
「こちらに大きな戦力があると思わせてはまずいということか。」
「はい。もう少し奥まで入り込んでもらわねば討ち漏らしが多くなりますから。」
「しかし、大野殿は優れた指揮能力を持っているな。あの程度の兵であそこまで外の兵と渡り合うとは。」
「1万に対して戦っている城内の兵は大野家の兵200程度。これは見事。」
「城門を破られたら我らの仕事だ。大野勢に変わり我らが城内で兵を少しずつ減らしていく。」
そんな話をしていると城門が破られた。
「城門が敗れたぞ!!一気に本丸まで進めぇ!!」
長宗我部の兵からそう声がかかる。
「我らはここまでだ、皆、後退だ!!」
大野勢と入れ替わるように今度は神威勢が迫る長宗我部勢と戦いはじめた。
神威勢は敗走しているように見せかけながら大軍を展開できないところへと徐々に長宗我部勢を誘導して各個撃破していった。
それに気付いたのは今回の長宗我部軍の総大将を務める香宗我部香宗我部親泰であった。
「妙ではないか?」
親泰は近くに控えている江村親俊が
「確かに妙ですな。これほど順調に進んでいるように見えるのにまったく本丸へ進む様子がない。」
そう二人が話している時、城のほうから伝令兵が走ってきた。
「申し上げます。城内へ進んだ兵が次々と討たれている模様。」
「なにっ!!」
「やられた!!親俊、これは城を丸々利用した罠だ!!このままでは城を奪うどころか全滅する恐れがある。急ぎ撤退する。」
「はっ!!」
長宗我部軍が撤退を開始しているのに気付いた直虎は、
「予想以上に撤退が早いな。」
「敵の総大将も相当な知恵者なのでしょう。」
「吉継、早いが仕方がない。昌胤と康成に挟撃を仕掛けるように知らせろ。少しでも多く長宗我部軍の兵力を削ぐぞ。」
「はっ。」
直虎から指示を受けた吉継は城内から昌胤と康成に対してのろしで合図を送った。
それを受けた両名は待機していた場所から素早く動き、撤退しようとしている長宗我部軍の脇にくらいついた。
「敵襲!敵襲!」
「やはり罠かっ!」
「いかがなさいますかっ。」
「三方を囲まれては空いている一方に進むしかあるまい。皆のもの、全力で撤退するのだ!ここは死に場所にあらず、命を長らえよ。」
「おおおおおおおっ!!!」
親泰の声に長宗我部軍は勢いを少し取り戻した。
「なんと、これだけの軍を相手にそこで士気をあげるか。」
「若、ぜひ配下に加えたいと思いましたな?」
「あぁ、長宗我部軍を撤退させるだけと父上には言われているが、吉継、どうにかできると思うか?」
「この軍の総大将ほどの男を捕らえることができればあるいは。」
「そうか、吉継、孫一にものろしだ。四方を囲んで包囲しろ。」
「はっ。」
のろしにより更に控えていた雑賀孫一率いる5千の鉄砲衆が長宗我部軍の眼前に現れた。
「くっ、四方を囲まれるとは。」
四方を囲まれた長宗我部軍の勢いは衰え徐々に兵を減らしていった。
「このままでは皆討死してしまう。親泰殿、ここは我らに任せてお主は落ち延びよ。」
「なにを申すか、私は総大将としてこの軍を離れるつもりはないっ!」
「しかしっ!」
「親俊、ここにいる皆は私に命を預けてくれている者らだ。そんなものらを残して己だけが生き延びるなどできようか。」
「だが、ここで親泰殿を失うのは長宗我部家のためにならず。あなたは生き延びるべきなのです。」
「私がいなくなるだけで滅びるような長宗我部家ならばこの先に未来などないさ。皆と共にいさせてくれ。頼む。」
親泰のあまりの言いように親俊は頷くしかなかった。
「皆、最後まで私に命を預けてくれっ!!」
親泰がそう声をかけると長宗我部軍は大きく声をあげた。
それからしばらくの間は長宗我部軍が四方を囲む神威軍を押し返すなど力を見せたが、四方を囲まれているという絶望的状況に長宗我部の兵は一人、また一人と数を減らすしかなかった。
当初1万の兵だった半分の5千まで減っていた。
親泰がここまでかと思っていた時、
「我こそは、神威軍総大将の神威直虎である。長宗我部軍総大将殿に目通りを願いたい。」
と敵軍から声が聞こえてきたのである。
「親泰殿。いかがいたす?」
「「「「おおおおおおお!!!」」」」
夜が明ける頃、知らせ通り、長宗我部軍1万が大洲城城門へと攻撃を開始してきた。
「河野攻めの始めだ!!ここを一気に落として勢いを付けるぞ!!」
城外からそんな声が聞こえてくる頃、直虎は上からその様子を観察していた。
「形勢はまずまずといったところか。」
「まずは城門のところで小競り合いをして、こちらは弓で外の兵を倒していきます。」
「こちらに大きな戦力があると思わせてはまずいということか。」
「はい。もう少し奥まで入り込んでもらわねば討ち漏らしが多くなりますから。」
「しかし、大野殿は優れた指揮能力を持っているな。あの程度の兵であそこまで外の兵と渡り合うとは。」
「1万に対して戦っている城内の兵は大野家の兵200程度。これは見事。」
「城門を破られたら我らの仕事だ。大野勢に変わり我らが城内で兵を少しずつ減らしていく。」
そんな話をしていると城門が破られた。
「城門が敗れたぞ!!一気に本丸まで進めぇ!!」
長宗我部の兵からそう声がかかる。
「我らはここまでだ、皆、後退だ!!」
大野勢と入れ替わるように今度は神威勢が迫る長宗我部勢と戦いはじめた。
神威勢は敗走しているように見せかけながら大軍を展開できないところへと徐々に長宗我部勢を誘導して各個撃破していった。
それに気付いたのは今回の長宗我部軍の総大将を務める香宗我部香宗我部親泰であった。
「妙ではないか?」
親泰は近くに控えている江村親俊が
「確かに妙ですな。これほど順調に進んでいるように見えるのにまったく本丸へ進む様子がない。」
そう二人が話している時、城のほうから伝令兵が走ってきた。
「申し上げます。城内へ進んだ兵が次々と討たれている模様。」
「なにっ!!」
「やられた!!親俊、これは城を丸々利用した罠だ!!このままでは城を奪うどころか全滅する恐れがある。急ぎ撤退する。」
「はっ!!」
長宗我部軍が撤退を開始しているのに気付いた直虎は、
「予想以上に撤退が早いな。」
「敵の総大将も相当な知恵者なのでしょう。」
「吉継、早いが仕方がない。昌胤と康成に挟撃を仕掛けるように知らせろ。少しでも多く長宗我部軍の兵力を削ぐぞ。」
「はっ。」
直虎から指示を受けた吉継は城内から昌胤と康成に対してのろしで合図を送った。
それを受けた両名は待機していた場所から素早く動き、撤退しようとしている長宗我部軍の脇にくらいついた。
「敵襲!敵襲!」
「やはり罠かっ!」
「いかがなさいますかっ。」
「三方を囲まれては空いている一方に進むしかあるまい。皆のもの、全力で撤退するのだ!ここは死に場所にあらず、命を長らえよ。」
「おおおおおおおっ!!!」
親泰の声に長宗我部軍は勢いを少し取り戻した。
「なんと、これだけの軍を相手にそこで士気をあげるか。」
「若、ぜひ配下に加えたいと思いましたな?」
「あぁ、長宗我部軍を撤退させるだけと父上には言われているが、吉継、どうにかできると思うか?」
「この軍の総大将ほどの男を捕らえることができればあるいは。」
「そうか、吉継、孫一にものろしだ。四方を囲んで包囲しろ。」
「はっ。」
のろしにより更に控えていた雑賀孫一率いる5千の鉄砲衆が長宗我部軍の眼前に現れた。
「くっ、四方を囲まれるとは。」
四方を囲まれた長宗我部軍の勢いは衰え徐々に兵を減らしていった。
「このままでは皆討死してしまう。親泰殿、ここは我らに任せてお主は落ち延びよ。」
「なにを申すか、私は総大将としてこの軍を離れるつもりはないっ!」
「しかしっ!」
「親俊、ここにいる皆は私に命を預けてくれている者らだ。そんなものらを残して己だけが生き延びるなどできようか。」
「だが、ここで親泰殿を失うのは長宗我部家のためにならず。あなたは生き延びるべきなのです。」
「私がいなくなるだけで滅びるような長宗我部家ならばこの先に未来などないさ。皆と共にいさせてくれ。頼む。」
親泰のあまりの言いように親俊は頷くしかなかった。
「皆、最後まで私に命を預けてくれっ!!」
親泰がそう声をかけると長宗我部軍は大きく声をあげた。
それからしばらくの間は長宗我部軍が四方を囲む神威軍を押し返すなど力を見せたが、四方を囲まれているという絶望的状況に長宗我部の兵は一人、また一人と数を減らすしかなかった。
当初1万の兵だった半分の5千まで減っていた。
親泰がここまでかと思っていた時、
「我こそは、神威軍総大将の神威直虎である。長宗我部軍総大将殿に目通りを願いたい。」
と敵軍から声が聞こえてきたのである。
「親泰殿。いかがいたす?」
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