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第九章~西国での動き~
西日本大騒動13
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こうして直虎は父譲りの魅力で長宗我部家の一門衆である香宗我部親泰を配下に加えたのである。
「つきましては、外に控えております兵に最後に言葉をかけてやりたく思いますがお許しを願えるでしょうか?」
「わかった。思うようにしてくれ。」
「ありがたき幸せ。」
直虎の許しを得た親泰は兵のところまで戻った。
「親泰殿っ!よくぞご無事で。」
「親俊、心配をかけたな。皆に話したいことがある。集めてくれ。」
「はっ。」
親泰が戻ってきた知らせを受けた兵はすぐに親泰の元へ集まった。
「皆、心配をかけたな。本日は皆に話さねばならぬことがある。」
親泰は一呼吸置いてから
「私は、神威直虎殿に降伏して配下となることにした。皆を裏切る形になり申し訳ない。」
そう言って頭を下げた。
「皆の命、帰り道の保証は直虎殿に頼んで承諾をいただいている。そこは安心してくれ。」
「親泰殿、それはまことなのか。」
「あぁ。」
「我らだけでおめおめと土佐へ帰れと申されるか。」
「・・・・。」
「ふざけるなっ!!」
親泰は罵倒されるのを覚悟していた。
総大将たる自分が配下を裏切り敵についたのだから当然だった。
「なにを勝手なことを申しておるっ!自分は降伏したからお前達は土佐へ帰れだとっ!!」
「本当にすまないと思っている。だが、私は直虎殿に魅せられてしまった。この気持ちのまま土佐へ帰ることは土佐にいる殿にも不義理だと感じたのだ。」
「いや、許さぬ。なぁ、皆もそうであろう!!」
「そうだそうだ!!」
「そんなのないぜ、親泰様っ。」
「親泰殿が敵に降るなら私も降るっ!それを許さぬならこの場で腹を切るっ!!」
「なっ・・・。」
「そうだ!俺らは親泰殿に着いていくと決めてこの軍に加わったんだ!見捨てられるなら俺も死んでやるぞ!」
親泰は驚きを隠せなかった。
裏切り者と罵倒される。
そうとばかり考えていた。
しかし、結果は自分だけが降伏することを、自分達を見捨てることを怒ったのである。
「おっ、お前達・・・。」
「でっ、敵の総大将殿は我らを引き受けてくださるので?」
親俊が親泰の後ろを見ながらそう言ったため親泰はつられて後ろを振り向いた。
するとそこには直虎の姿があった。
しかも兵などを連れずに一人だけで。
親俊の問いに直虎はニヤリとしながら、
「かまわぬ。これより皆は神威家の家臣であると神威直虎の名を持って証明しよう。皆、これよりは当家の家臣として励めっ。」
こうして長宗我部軍の残党5千あまりはすべて神威家へと鞍替えすることとなった。
直虎は5千もの兵を寝返らせたとして親泰と副将だった親俊をすぐに軍議に参加させることを決定した。
これに異を唱える将もおらず、親俊は驚くと共に親泰が降伏したことに納得したのである。
「では、新たに当家の仲間となった親泰、親俊を加えこれからのことを考えたいと思う。父上からは河野領より長宗我部軍を撤退させることを命じられこれを達成した。この後の行動について意見のあるものはおるか?」
直虎の問いにたいして答える者はいなかった。
全体を見渡した直虎は親泰に目を向けると
「親泰、お前はどう見る。残りの兵で土佐へ攻め込むことは可能か?」
と問いを投げた。
「わっ、私にございますか。」
「あぁ、長宗我部の現状を一番理解しているお前の意見が聞きたい。かまわぬ、好きに述べよ。」
親泰は少し考えた後に口を開いた。
「長宗我部の現状を見るのであればここで一気に攻めいるのが上策でしょう。」
親泰はそこで一呼吸入れると
「しかし、私はここは兵を引くべきだと思います。」
そう発した。
「ほう、長宗我部の内部を知る上で攻めたほうがいいと言いながら引くべきだと言うか。」
隣で親泰の意見を聞いていた親俊は冷や汗をかいた。
このままもしかしたら直虎が親泰を切るのではないかと思ったからである。
しかし、直虎の反応は親俊の考えとは裏腹にニヤリと笑みを浮かべていた。
「吉継、私の言うとおりだったぞ。」
「恐れ入りました。」
その会話の意図が分からなかった親泰は
「どっ、どういうことでしょうか?」
「すまんな、皆に言われて少しばかり親泰を試させてもらった。」
「試した?」
「親泰殿が大局を見る力量のある武将かどうかを見させていただいたのです。今、目の前にある好機を得るために先の不安を疎かにするか、それとも目の前の好機を逃してでも先の利を取るか。」
「我ら神威家は徳川家の筆頭家老の家柄、故に先々のことを考えることを求められる。親泰がそれに値する者かどうか試したいとこの吉継に言われてな。私は親泰は大局を見れる武士だと思ったから不要だと言ったのだがなぁ。」
「確かめねば殿にお叱りを受けます故。」
「だが、これで親泰は優れた武将だとわかったのだ。まもはや誰も異義を言うものはおらんな?」
直虎がそう周りを見渡すと皆一様に頷いた。
「では親泰、引くべきだと言った理由を改めて聞かせてくれ。」
「つきましては、外に控えております兵に最後に言葉をかけてやりたく思いますがお許しを願えるでしょうか?」
「わかった。思うようにしてくれ。」
「ありがたき幸せ。」
直虎の許しを得た親泰は兵のところまで戻った。
「親泰殿っ!よくぞご無事で。」
「親俊、心配をかけたな。皆に話したいことがある。集めてくれ。」
「はっ。」
親泰が戻ってきた知らせを受けた兵はすぐに親泰の元へ集まった。
「皆、心配をかけたな。本日は皆に話さねばならぬことがある。」
親泰は一呼吸置いてから
「私は、神威直虎殿に降伏して配下となることにした。皆を裏切る形になり申し訳ない。」
そう言って頭を下げた。
「皆の命、帰り道の保証は直虎殿に頼んで承諾をいただいている。そこは安心してくれ。」
「親泰殿、それはまことなのか。」
「あぁ。」
「我らだけでおめおめと土佐へ帰れと申されるか。」
「・・・・。」
「ふざけるなっ!!」
親泰は罵倒されるのを覚悟していた。
総大将たる自分が配下を裏切り敵についたのだから当然だった。
「なにを勝手なことを申しておるっ!自分は降伏したからお前達は土佐へ帰れだとっ!!」
「本当にすまないと思っている。だが、私は直虎殿に魅せられてしまった。この気持ちのまま土佐へ帰ることは土佐にいる殿にも不義理だと感じたのだ。」
「いや、許さぬ。なぁ、皆もそうであろう!!」
「そうだそうだ!!」
「そんなのないぜ、親泰様っ。」
「親泰殿が敵に降るなら私も降るっ!それを許さぬならこの場で腹を切るっ!!」
「なっ・・・。」
「そうだ!俺らは親泰殿に着いていくと決めてこの軍に加わったんだ!見捨てられるなら俺も死んでやるぞ!」
親泰は驚きを隠せなかった。
裏切り者と罵倒される。
そうとばかり考えていた。
しかし、結果は自分だけが降伏することを、自分達を見捨てることを怒ったのである。
「おっ、お前達・・・。」
「でっ、敵の総大将殿は我らを引き受けてくださるので?」
親俊が親泰の後ろを見ながらそう言ったため親泰はつられて後ろを振り向いた。
するとそこには直虎の姿があった。
しかも兵などを連れずに一人だけで。
親俊の問いに直虎はニヤリとしながら、
「かまわぬ。これより皆は神威家の家臣であると神威直虎の名を持って証明しよう。皆、これよりは当家の家臣として励めっ。」
こうして長宗我部軍の残党5千あまりはすべて神威家へと鞍替えすることとなった。
直虎は5千もの兵を寝返らせたとして親泰と副将だった親俊をすぐに軍議に参加させることを決定した。
これに異を唱える将もおらず、親俊は驚くと共に親泰が降伏したことに納得したのである。
「では、新たに当家の仲間となった親泰、親俊を加えこれからのことを考えたいと思う。父上からは河野領より長宗我部軍を撤退させることを命じられこれを達成した。この後の行動について意見のあるものはおるか?」
直虎の問いにたいして答える者はいなかった。
全体を見渡した直虎は親泰に目を向けると
「親泰、お前はどう見る。残りの兵で土佐へ攻め込むことは可能か?」
と問いを投げた。
「わっ、私にございますか。」
「あぁ、長宗我部の現状を一番理解しているお前の意見が聞きたい。かまわぬ、好きに述べよ。」
親泰は少し考えた後に口を開いた。
「長宗我部の現状を見るのであればここで一気に攻めいるのが上策でしょう。」
親泰はそこで一呼吸入れると
「しかし、私はここは兵を引くべきだと思います。」
そう発した。
「ほう、長宗我部の内部を知る上で攻めたほうがいいと言いながら引くべきだと言うか。」
隣で親泰の意見を聞いていた親俊は冷や汗をかいた。
このままもしかしたら直虎が親泰を切るのではないかと思ったからである。
しかし、直虎の反応は親俊の考えとは裏腹にニヤリと笑みを浮かべていた。
「吉継、私の言うとおりだったぞ。」
「恐れ入りました。」
その会話の意図が分からなかった親泰は
「どっ、どういうことでしょうか?」
「すまんな、皆に言われて少しばかり親泰を試させてもらった。」
「試した?」
「親泰殿が大局を見る力量のある武将かどうかを見させていただいたのです。今、目の前にある好機を得るために先の不安を疎かにするか、それとも目の前の好機を逃してでも先の利を取るか。」
「我ら神威家は徳川家の筆頭家老の家柄、故に先々のことを考えることを求められる。親泰がそれに値する者かどうか試したいとこの吉継に言われてな。私は親泰は大局を見れる武士だと思ったから不要だと言ったのだがなぁ。」
「確かめねば殿にお叱りを受けます故。」
「だが、これで親泰は優れた武将だとわかったのだ。まもはや誰も異義を言うものはおらんな?」
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「では親泰、引くべきだと言った理由を改めて聞かせてくれ。」
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