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第十章~東北統一への道~
東北統一9
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翌日、刹那はまた氏郷を呼んだ。
今度は自室に、そしてそこにはおとわも同席していた。
「連日呼び出しすまぬな。今日は訳あっておとわにも同席してもらった。」
「かまいませぬ。大殿のお呼びとあればいつ何時でも駆け付けるのが私の使命と心得ておりますので。」
「そうか。では、氏郷に問う。空のこと、女子として好きか?」
「・・・・・・はっ?」
「氏郷殿、どうなのですか?」
「どっ、どうと申されましても。女子としてとは?」
「戦や武士としての生き方しか教えなかった私にも責があるが、氏郷、あまりにも察しが悪いぞ。空を嫁にもらうつもりはないかと聞いているのだ。」
「そっ、空姫を私の嫁にでございますか?!」
「そうだ。」
「そっ、そのようなこともったいなきほどの事なれど。私では空姫の夫として不釣り合いでございます。空姫は大殿のご息女、つまり殿の妹君。それに対して私は一家臣に過ぎませぬ。」
「それだけか?」
「はっ?」
「では、空が氏郷と同じ身分の家臣の娘であればどうだ?それでも空は嫁として見れぬか?」
「そっ、そのようなことございませぬっ!空姫は女子のことに疎い私からしても美しい姫様でございます。それを嫁にと言われてなぜに断れましょうや!」
「そうか、では、空を左近に頼んで養女としよう。さすれば立場はさほど変わらないな?」
「おっ、大殿?」
「空、お前はそれで良いか?」
刹那が隣の部屋のほうへそう声をかけると襖が開き空が現れた。
「氏郷殿がそれでよろしいのであれば私は左近殿の養女となります。」
「そっ、空様っ!」
「左近、空を頼めるか?」
「殿の子を我が娘とするのは重責でございますが、空姫のためとあれば。」
あたふたしていた氏郷が声をあげた。
「おっ、お待ちくださいませっ!これはどういうことでございますか。大殿は空様と私を夫婦にしようとなされているのはわかります。ですが、なぜ?なぜに私なのでしょうか?」
氏郷の問いに刹那は溜め息をつきながら
「はぁ。氏郷。それはな。空がお前に惚れているからだ。」
「え?」
「当家は私の方針として政略結婚を良しとしない。それは私の時もましてや直虎の時もそうだ。縁談はあがりはしたが、惚れていない相手なら婚儀はさせていない。もちろん、氏郷にその気がないと言うなら空には良き相手が見つかるまで婚儀はさせん。私の可愛い娘だからね。氏郷、お前は先ほど私の娘だから立場が違うから空を嫁には考えられないと言う風なことを言った。ならば空を養女に出して前当主の娘という立場をなくせば良い。そうではないか?」
「そっ、それは。」
「故に左近の養女として氏郷の妻としたいが、氏郷、お前の気持ちはどうだ?もちろん、偽りを申せば許さぬぞ?無理なら無理と申せ。」
氏郷は大きく深呼吸をひとつしてから、
「左近殿の養女としての空様ではなく、大殿のご息女である空姫様を妻としとうございます。」
そう平伏しながらハッキリと言った。
「空姫様は大殿のご息女であるべきでございます。私のために養女に出されるのは違います。故に私を大殿の一門へと入れてくださりませ。この氏郷、大殿に恥じぬ働きをお約束致します。」
「そうか!空、お前もそれで良いな?」
「はいっ!氏郷殿の妻になり、父上の娘でもいられる。これ以上の喜びはありませぬ。」
こうして空は氏郷の妻となることが決定した。
また蒲生氏郷は空を妻とすることにより神威家一門衆へと加わり、また神威家当主の義弟となったのである。
この事はすぐに伊勢の直虎や空を溺愛している家康にも即座に知らされた。
婚礼の義は直虎より伊勢で盛大にやらせてほしいと願いがあり刹那達は一度久々に霧山御所へと戻ってきた。
今回は東北を統一したばかりで東北大名達の相手をしなければならないということで家康はなくなく不参加となった。
その代わりに忠勝が代理として出席し家康からは大量の花嫁道具を渡されたとか。
刹那が霧山御所に着くとすぐに城下で盛大な歓迎を受けた。
領民からは「空姫様が蒲生様と結婚すると聞きました!刹那様、うちの〇〇を持っていって下さりませっ!」と言った具合に献上の品が多く出された。
領民への対応を終えた刹那は待っていた直虎と話すために部屋へと向かった。
「直虎、入るぞ。」
「はい、どうぞお入りくださいませ。」
刹那が中に入ると直虎が上座を開けて待っていた。
「父上、どうぞ。」
「直虎、そこはお前の席だ。当主が無闇に上座を譲るものではない。上座を譲るのは主や天皇陛下など自らよりも地位が高い方だけだ。」
「それは重々承知しております。ですが、父上ここは公の場ではございません。さすれば私達は親と子。親が子の上にあるは普通のことではございませぬか?」
「ふっ。直虎、成長したな。私を言い負かすか。」
「お褒めいただき嬉しゅうございます。」
刹那は直虎に促されて上座へと座った。
今度は自室に、そしてそこにはおとわも同席していた。
「連日呼び出しすまぬな。今日は訳あっておとわにも同席してもらった。」
「かまいませぬ。大殿のお呼びとあればいつ何時でも駆け付けるのが私の使命と心得ておりますので。」
「そうか。では、氏郷に問う。空のこと、女子として好きか?」
「・・・・・・はっ?」
「氏郷殿、どうなのですか?」
「どっ、どうと申されましても。女子としてとは?」
「戦や武士としての生き方しか教えなかった私にも責があるが、氏郷、あまりにも察しが悪いぞ。空を嫁にもらうつもりはないかと聞いているのだ。」
「そっ、空姫を私の嫁にでございますか?!」
「そうだ。」
「そっ、そのようなこともったいなきほどの事なれど。私では空姫の夫として不釣り合いでございます。空姫は大殿のご息女、つまり殿の妹君。それに対して私は一家臣に過ぎませぬ。」
「それだけか?」
「はっ?」
「では、空が氏郷と同じ身分の家臣の娘であればどうだ?それでも空は嫁として見れぬか?」
「そっ、そのようなことございませぬっ!空姫は女子のことに疎い私からしても美しい姫様でございます。それを嫁にと言われてなぜに断れましょうや!」
「そうか、では、空を左近に頼んで養女としよう。さすれば立場はさほど変わらないな?」
「おっ、大殿?」
「空、お前はそれで良いか?」
刹那が隣の部屋のほうへそう声をかけると襖が開き空が現れた。
「氏郷殿がそれでよろしいのであれば私は左近殿の養女となります。」
「そっ、空様っ!」
「左近、空を頼めるか?」
「殿の子を我が娘とするのは重責でございますが、空姫のためとあれば。」
あたふたしていた氏郷が声をあげた。
「おっ、お待ちくださいませっ!これはどういうことでございますか。大殿は空様と私を夫婦にしようとなされているのはわかります。ですが、なぜ?なぜに私なのでしょうか?」
氏郷の問いに刹那は溜め息をつきながら
「はぁ。氏郷。それはな。空がお前に惚れているからだ。」
「え?」
「当家は私の方針として政略結婚を良しとしない。それは私の時もましてや直虎の時もそうだ。縁談はあがりはしたが、惚れていない相手なら婚儀はさせていない。もちろん、氏郷にその気がないと言うなら空には良き相手が見つかるまで婚儀はさせん。私の可愛い娘だからね。氏郷、お前は先ほど私の娘だから立場が違うから空を嫁には考えられないと言う風なことを言った。ならば空を養女に出して前当主の娘という立場をなくせば良い。そうではないか?」
「そっ、それは。」
「故に左近の養女として氏郷の妻としたいが、氏郷、お前の気持ちはどうだ?もちろん、偽りを申せば許さぬぞ?無理なら無理と申せ。」
氏郷は大きく深呼吸をひとつしてから、
「左近殿の養女としての空様ではなく、大殿のご息女である空姫様を妻としとうございます。」
そう平伏しながらハッキリと言った。
「空姫様は大殿のご息女であるべきでございます。私のために養女に出されるのは違います。故に私を大殿の一門へと入れてくださりませ。この氏郷、大殿に恥じぬ働きをお約束致します。」
「そうか!空、お前もそれで良いな?」
「はいっ!氏郷殿の妻になり、父上の娘でもいられる。これ以上の喜びはありませぬ。」
こうして空は氏郷の妻となることが決定した。
また蒲生氏郷は空を妻とすることにより神威家一門衆へと加わり、また神威家当主の義弟となったのである。
この事はすぐに伊勢の直虎や空を溺愛している家康にも即座に知らされた。
婚礼の義は直虎より伊勢で盛大にやらせてほしいと願いがあり刹那達は一度久々に霧山御所へと戻ってきた。
今回は東北を統一したばかりで東北大名達の相手をしなければならないということで家康はなくなく不参加となった。
その代わりに忠勝が代理として出席し家康からは大量の花嫁道具を渡されたとか。
刹那が霧山御所に着くとすぐに城下で盛大な歓迎を受けた。
領民からは「空姫様が蒲生様と結婚すると聞きました!刹那様、うちの〇〇を持っていって下さりませっ!」と言った具合に献上の品が多く出された。
領民への対応を終えた刹那は待っていた直虎と話すために部屋へと向かった。
「直虎、入るぞ。」
「はい、どうぞお入りくださいませ。」
刹那が中に入ると直虎が上座を開けて待っていた。
「父上、どうぞ。」
「直虎、そこはお前の席だ。当主が無闇に上座を譲るものではない。上座を譲るのは主や天皇陛下など自らよりも地位が高い方だけだ。」
「それは重々承知しております。ですが、父上ここは公の場ではございません。さすれば私達は親と子。親が子の上にあるは普通のことではございませぬか?」
「ふっ。直虎、成長したな。私を言い負かすか。」
「お褒めいただき嬉しゅうございます。」
刹那は直虎に促されて上座へと座った。
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