社畜とニートの日常会話式TRPGシナリオ

織田っち

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想音作クトゥルフ

祭囃子は闇に響く

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●概要
・想定人数:1~3人(テスト時最大人数)
・推奨技能:目星,聞き耳

●背景
水害で亡くなった子供達の霊を下級の異形の神が操るようにして『友達』を増やしていた。異形の神にとっては『生贄』であり子供達の霊にとっては『新しい友達』である為利害が一致してしまい異形の神が異空間を構成することで生贄を手に入れていた。

●シナリオ達成条件
・無事異空間から脱出する(1D6回復)
・探索者全員が生還する(1D3回復)
・札を一枚も剥がさなかった(1D3回復)

●特殊ルール
時間制限有り。特定の行動をとることでカウントが進み、制限時間を過ぎると探索者をロストする。

●ストーリー
◆導入~旅館
☆1人の場合
探索者はたまの休みに旅行に出かけることにした。ネットで検索して見つけた海辺の町の、なんとなく目に留まった一軒の旅館。探索者はそこへ足を向けることにした。チェックインをすませるとそこそこ活気のある海沿いの町を観光して周り、旅館では行き届いたサービスに満足しながら1日を終えるだろう。そうして探索者が床に着いてから、異変は起こり始めた。

☆複数人の場合
探索者たちは友人である。旧交を温めるためか、それとも親睦を深める為か、全員で休みを合わせ旅行に行くこととなった。宿泊先として選んだのはネットで検索して見つけた、海辺の町の一軒の旅館。探索者たちは観光を楽しみ、様々な話に花を咲かせることだろう。そうして旅行を満喫した初日の終わり。全員が床に着いてから、異変が起こり始める。

◆①の部屋
探索者がふと目を覚ますと、辺りは暗闇に包まれている。どうやら夜中のようだ。妙に目の冴えてしまった探索者は何とは無しに起き上がり、ふと辺りを見回すだろう。何の音もない暗い部屋の中、ふと嫌なものを感じる。胸騒ぎのような、あるいはこれを虫の知らせと言うのかもしれない。不穏な気配を感じた探索者は何かに駆られるようにして辺りの様子を伺わずにはいられなくなる。

・間取り
部屋は至って普通の和室となっている。部屋に入ってすぐ右側に靴箱、左側にはトイレや個室風呂などの水回りに繋がるドアがある。正面には一般的な和室が広がりテーブルと座椅子があるが、今は布団が敷かれているため部屋の隅に追いやられている。他には床の間と障子戸で仕切られた広縁がある。床の間には掛け軸がかけられており、ごく一般的な旅館の客室といった様相だ。ドアは一般的な押し戸であり、小さな覗き窓が付いている。本来部屋の内側から外を見るためのものだが、外から内側を見ることも出来なくはない。その場合内部を大雑把に確認出来るだけである。(他の部屋の内装、造りもほとんど変わらない)

・部屋には探索者の荷物の他は一般的に旅館にあるであろうアメニティグッズなどが確認出来る。探索が可能な場所は【和室】【床の間】【広縁(窓)】の3つで、前者2つの探索には<目星>を用いる。

・【和室】
今まで寝ていた部屋を見渡しても、これといって不審な点は見当たらない。荷物は昼間置いた通りの場所にあり、荒らされた様子もない。しかし照明をつけようとしても何故か反応がなく、探索するには辺りを照らせるものが無ければ厳しいだろう。(部屋に備え付けの懐中電灯や、持ち物にライトがある場合それを用いることが出来る。スマホを用いることでも光源を確保できるが、【何故か時計表示だけが文字化けを起こしており、奇妙な違和感と若干の不安が探索者の中に生まれる】SAN判定0/1)※この他腕時計や時刻を確認できるものに関してはそのほとんどが動きを止めている。
光源を確保して辺りを見渡せば、テーブルの上に人形が置かれているのを発見する。発見した上で<アイデア>に成功すると『昼間にこの人形があったかどうか定かでないが、どうにも見覚えがないような気がする』。手にとってよく見ると【その人形はいわゆる日本人形に近いものだった。青い目に青い服、あまり馴染みのない作りのようにも見えるが、その人形と目を合わせていると妙な不気味さを感じてしまう。SAN判定0/1】


<目星>で得られる情報
自分の荷物や部屋の中を見回していると、どこからともなく紙切れが出てくる。サイズにしてA5用紙程度の紙であり、何かが書かれているようだ。【そこには絵の具のような深い青で、そして子供のもののような文字で『あなたは私のお友達』と書かれている。覚えがないにもかかわらず自分の荷物の中から出てきた意図の読めない不気味な文章に、探索者は薄ら寒い恐怖を覚えた】。0/1のSAN判定


・床の間
床の間には掛け軸の絵が飾られているが、特段奇妙なものもないようだ。派手な飾り気はないが最低限旅館で見かける程度のものは見当たるだろう。

<目星>で得られる情報
探索者がくまなく周囲を調べると、掛け軸の裏に何かがあることを発見した。よく見れば、それはお札のようであると判別がつく。古びて剥がれかかっているものの、まだかろうじて貼り付いているようだ。
お札は全体が青く文字なのか図形なのか判断のつかない何かが書かれているが、これを読み解くための前提知識を探索者は持ち合わせていない(ほとんどの人類にとって未発見の言語)ため、このお札に書かれている内容を解読することは不可能だろう。軽く引っ張れば簡単に取れてしまうほどの粘着力しか残っていないため、お札自体に影響を与えようとすると剥がれ落ちてしまうかもしれない(<幸運>などで判定。アクションを起こす度判定に下方修正がかかる)。

・広縁(窓)
当然夜のため窓の先には暗闇だけが存在する。より詳しく外を見るのであれば近くで確認する他ないだろう。以下窓から得られる情報
【外は夜のように暗い。街灯の明かりも月の明かりも、風やさざなみの音でさえも届かない。これは闇ではなく黒である。一色に塗りつぶしたような黒、黒、黒。何も届かず、何も映さない。底知れぬ黒だけが窓の外に広がっているのである。この異様な事態に気づいてしまった探索者の鼓動は早鐘を打つことだろう。】SAN判定0/1

◆廊下
①の部屋に鍵はかかっておらず、ドアを開ければ郎に出られる。照明がつかなかった部屋の内部とは違い、廊下は蛍光灯の明かりに照らされている。やや青みがかった無機質な光の下から確認出来るのはコの字型に伸びる廊下と、中心にある中庭の存在。そして中庭の最奥には櫓が建っているのが見えるだろう(地図公開)。
また廊下は蛍光灯の明かりがある為ここにいる限りはライトなどの光源を使用せずとも行動することが可能。探索には<目星>か<聞き耳>、<アイデア>を使用する。以下手に入る情報

・廊下を見回すと、妙に静かなことに気がつく。昼間の旅館には自分たち以外の宿泊客もいたはずだし、仕事中の中居を見かけることもあっただろう。しかし今はそれを感じさせないまでの静寂が辺りを包んでいる。【まるで自分たちだけこの空間に取り残されているかのような、静けさから来る恐怖と緊張が探索者に襲いかかる。SAN判定0/1】

◆中庭
廊下から中庭に出ると、探索者は薄暗く光のない空間へ出て行くこととなる。廊下からの光では何かを探す、調べるといったことは出来そうにない為光源が必要になるだろう。
中庭の足場は砂利と敷石になっており、まっすぐ歩いていけば櫓へと向かうことができる。周囲を見ても特段おかしなところは見当たらず、奇妙な点は見受けられない。強いて言うのであれば櫓が異彩を放っているというところだろうか。

◆櫓
どうやら祭りで見かけるような櫓であるように見受けられる。木造であり大層古びた印象を受けるだろう。一通り見て回ると櫓の四方、舞台の柵にあたる部分に時計が取り付けられていることに気がつく。どれも12時15分を指しているようだが、どの時計にも秒針がない。また櫓の裏手には梯子がかけられており、上に登れるようになっているようだ。梯子を登ると上の舞台に出ることができる。梯子を登りきると、正面には観音開きの戸がついた社が鎮座している。【サイズさえ小さくすれば神棚にでも取り付けられていそうな社だが、とても禍々しい雰囲気を纏っている。敏い人間でなくとも感じられるような邪気とでも呼ぶべき気配に、探索者たちは体の奥から怖気が走るのを感じたことだろう。SAN判定1/1D3】社を正面に見た時右手側には太鼓、左手側には奇妙なくぼみがあることを発見するだろう。より詳しく調べるには<目星>を用いる。以下手に入る情報

・くぼみをよく調べると、底の方の材質は綿などに近い柔らかな素材が敷かれていることがわかり、全部で【探索者の人数(人形と同数)】分のくぼみがあるようだ。またくぼみの内側に傾きがあるようで、全て特定の方向に向かって傾斜がついているようだ。

・太鼓を鳴らす場合
【KP情報】
太鼓は『お囃子』を開始するための鍵である為太鼓を打ち鳴らすことは逆効果となる。青目様が櫓の周囲を取り囲んでいる際に太鼓を打ち鳴らすと儀式の手助けをしてしまうことになる。その場合儀式が一気に進んでしまう為脱出できていない探索者はどこにいてもロストしてしまう。

・時計が12時15分を指している場合の太鼓
太鼓を打ち鳴らすと力強い「ドン」という音が辺りに響き渡る。【一瞬の静寂の後、どこからか呼応するように「ドン」と何かがぶつかるような音が聞こえてくる。今まで音1つ聞こえてこなかった静寂を破る謎の音が太鼓に答えるようにして聞こえてきたことに、嫌な緊張が走るだろう。SAN判定0/1】

・時計が12時10分を指している場合の太鼓
太鼓を打ち鳴らすと力強い「ドン」という音が辺りに響き渡る。【一瞬の静寂の後、櫓が淡く輝き出しどこからか「ドンドンドン!」と何かが強くぶつかるような音が聞こえてくる。1つ2つの者がぶつかった程度の音ではない。もっと多くの何かが、例えば壁に向かって連続でぶつかるような音だ。太鼓の音に反応する何かがこの場にいるということ、そしてそれらはきっとここへやって来ようとしているのだと理解してしまった探索者は溢れ出る冷や汗を止めることができないことだろう。SAN判定1/1D3】

・時計が12時5分を指している場合の太鼓
太鼓を打ち鳴らすと力強い「ドン」という音が辺りに響き渡る。【一瞬の静寂の後、「バン!」と何かが壊れるような音がする。見れば④と⑤の部屋のドアが弾け飛んでいる。そして中から何かが出てくる。それは白装束を着た人間のように見えた。いや、かつてそれらは人間だったのかもしれない。しかし今やそれは人と呼ぶにはあまりに異様な雰囲気を纏っている。1人、2人、3人……数えることが無駄であるかのようにその数は増えていく。恐ろしくも感じるその形相と青い目はまさしく人もののようであるがその顔には生気がなく虚ろな目をこちらに向けており、何事かブツブツと呪文のような言葉を唱えるようにしてゆっくりとこちらに向かってくる。まるで死者の大群を目の当たりにしたかのような異様な光景に、探索者たちは今までに味わったことのない恐れを感じ取ることだろう。SAN判定1D3/1D10】

・12時丁度を指している(青目様が周囲にいる)場合の太鼓
櫓を囲みブツブツと何事かを唱える集団を眼下に、探索者は強く太鼓を打ち鳴らす。【一瞬の静寂の後、社が放つ光が強くなり、探索者たちはその光のあまりの強さに視界を奪われる。光の中で探索者が感じたのは自分の体がふやけ、溶けていくような感覚。ゆっくりと薄らいでいく探索者が最後に見た景色は白装束の集団。誰も彼もが白装束と青い目と言う出で立ちである。ふと自分の姿を確認すると、自分も同じ白装束に身を包んでいる。どこからともなく聞こえてくる楽しげな子供の笑い声を聞きながら、あなたの意識や闇に溶けて無くなってしまう。(探索者ロスト)】

・制限時間経過後
【KP情報】
制限時間を過ぎると④、⑤の部屋から大量の青目様が櫓へと押し寄せてくる。仮に探索者が先頭による突破を試みようとする場合【とても太刀打ちできるような数ではない】ということを強調して伝え、仮に取り囲まれれば身動きすら取れなくなりそうだということも情報として提供して良いだろう。

・攻略法について
【KP情報】
櫓のくぼみに【自分と同じ性別の人形を置く】ことでシナリオクリア条件を満たすため、複数人で探索している場合でも正解を引いた探索者だけその時点でゲームクリアとなり、以降の探索に参加出来ない。(◆脱出 へ)

※1全ての描写を入れるとメタ推理の判断材料にされる恐れがあるため、一部の描写を個別に送る手段があると良い。

※2櫓はお札を剥がした数(あるいは時間経過)により見え方が異なる。
・1枚剥がした後(時計は12時10分)
櫓は赤一色で塗られており、所々黒く変色している。<アイデア>に成功すると【この赤と黒は元は同じもの、即ち血であることに気がつく。櫓1つを染め上げる程の夥しい量の血が流れたであろうことに気がついた探索者は一瞬気が遠くなるような感覚を覚えただろう。SAN判定0/1D3】

・2枚剥がした後(時計は12時5分)
【櫓は薄く青い光を放ち、明滅を繰り返している。脈動するような、何かの息遣いが聞こえてきそうな雰囲気に、探索者は言い知れぬ恐怖を覚えるだろう。SAN判定1/1D3】
3枚目を剥がしても2枚目を剥がした時と同様であり光が強くなるだけで櫓自体に変化はない。(時計は12時ジャスト)

◆②の部屋
部屋に鍵はかかっておらず、開けようと思えばそのまますんなり開くだろう。外から中を確認したり様子を探っても特に変わった点は見つけられない(<目星><聞き耳>で情報なし)。中は最初に起きた部屋とさして変わった様子もなく、布団が敷いてあるかどうか程度の違いしか見受けられない。部屋の中は常夜灯だけがついていてうっすらと明るいが、ここもそれ以上の照明をつけることはできそうになく光源は必要なままだろう。探索には<目星>を用いる。以下手に入る情報

・部屋の中を調べると、テーブルの上に紙切れがあるのを発見する。そこには『楽しく愉快なお囃子響く。始まる前に櫓に迎え』と書かれている。
【お囃子とは何なのか、この静寂の支配する館内のどこから聞こえるというのか。そして櫓に一体何があるというのか、ここで言う『お囃子』が始まると何が起こるのか。謎が謎を呼ぶ状況に、探索者の脳裏には不可解さからくる恐怖と不快感が満ちるだろう。SAN判定0/1】

・他に自分たちの部屋になかったものとして、金庫を見つけることが出来る。ダイヤルは『00』に設定されているようだ。探索者がダイヤルをいじらずに開けようとすればそのまますんなり開き、ロックはかかっていなかったことがわかるだろう。中には人形が入っており、探索者たちが他の部屋で見つけた人形にもよく似ている。

◆③の部屋
部屋に鍵はかかっておらず、開けようと思えばそのまますんなり開くだろう。外から中を確認したり様子を探っても特に変わった点は見つけられない(<目星><聞き耳>で情報なし)。ここも①の部屋のように真っ暗で、同じく照明がつかないようだ。探索には<目星>を用いる。以下手に入る情報

・異常がないかと辺りを見回してみると、床の間に通じる障子戸に何かを見つける。どうやらそれはお札であるらしい。全体が青く文字か図形か判別のつかない何かが書かれている。(他の部屋の探索でお札を見ていれば同じようなものであると理解しても良いだろう。また①の部屋のものと比べればそこまで老朽化しているようにも見えない)しかし貼られている位置に違和感がある。この先にあるものを封印しているのであれば戸が開かないように障子戸全体の中心に貼るべきはずだが、何故か片方の戸にしか貼られていない。その為お札を無視して逆の戸を開けること自体は可能であるようだ(開けた先には特に何もなく普通の床の間)。

◆④,⑤の部屋
部屋は鍵がかかっているのか開けることが出来ない。扉から音を聞く、覗き窓から中を見ることは可能。探索には<目星>と<聞き耳>を用いる。以下手に入る情報

・<聞き耳>
中からは何かを引きずるような、そして衣擦れのような音が聞こえてくる。そしてそれに混じって「ゴッ…ゴッ…」と不規則に何かがぶつかるような音がしてくるのを感じる。

・<目星>(振らずに覗き窓を使わせても良い
【覗き窓から中を確認すると、そこには一切の青が広がっていた。深く広がるその青を見ていると不意に一面に広がる青が一瞬消え、次の瞬間また眼前に広がる。あなたはこの『動作』を知っている。これは瞬きだ。今の一瞬の点滅は目を閉じたことによるものだ。そうだとすれば、眼前に広がるこれが何か決まっている。これは『目』だ。青い目がこちらと同じように外を伺っていたのだ。目と目を合わせてしまったことに気づいてしまった探索者は、その感情の読めない目を見つめ返してしまったことにより恐怖を覚えるだろう。SAN判定0/1D6】

◆⑥の部屋
部屋に鍵はかかっておらず、開けようと思えばそのまますんなり開くだろう。外から中を確認したり様子を探っても特に変わった点は見つけられない(<目星><聞き耳>で情報なし)。中は常夜灯がついておりうっすらと明るいが、探索の助けにはならないだろう。探索には<目星>を用いる。以下手に入る情報

・入ってきてすぐの靴箱の上に人形が置いてあることに気がつく。他の部屋で人形を見ていた場合、それに良く似ているとわかる。

紙の裏をみると文字が書いてある。
『隣の部屋にも友達いるよ。たくさん遊んであげてね』

【子供っぽい青い文字で書かれたそれはこの重苦しい空気に似つかわしくない無垢なものであり、それが逆に探索者の目にはひどく不気味なものとして映ることだろう。SAN判定0/1】
※⑤の部屋を探索済みであった場合、SANチェックの前にアイデアを振り、成功した場合ここでいう友達が⑤の部屋の怪物達だと理解してしまい、0/1D3に変化。
・アイデア成功時
【友達という言葉が何を指すものなのか、探索者は気づいてしまった。あの覗き窓の向こうに見えた無機質とも言える感情のない青い目。その眼差しを思い出してしまった探索者は、今一度恐怖に身を震わせることになるだろう。SAN判定0/1D3】

◆⑦の部屋
部屋に鍵はかかっておらず、開けようと思えばそのまますんなり開くだろう。外から中を確認したり様子を探っても特に変わった点は見つけられない(<目星><聞き耳>で情報なし)。ここも①の部屋のように真っ暗で、同じく照明がつかないようだ。探索には<目星>を用いる。以下手に入る情報

・探索者は部屋の中を調べる中で、押入れの扉を開ける。中には浴衣などの衣類が詰められている他、タオルなども見つかるだろう。押入れの中を見回すと、ちょうど右手側の壁に何かを見つける。どうやらそれはお札であるらしい。全体が青く文字か図形か判別のつかない何かが書かれている(他の部屋の探索でお札を見ていれば同じようなものであると理解しても良いだろう。また①の部屋のものと比べればそこまで老朽化しているようにも見えない)。

◆脱出
櫓のくぼみに人形を『正しく』置くことで脱出することが出来る(性別を合わせるなど)。正しく人形をくぼみに置いた探索者は、その直後青い光に包まれる。【これから自分はどうなるのか、これが正しい選択だったのか。想定し得ない出来事に探索者の心は不安に満ちることだろう。SAN判定1/1D3】

・くぼみの中に自分が入る場合
くぼみの中に入ってみると半ば正座するような形になる。しかし小さな空間でありながら妙に収まりが良く、どことなく落ち着くような気もする。しかしその一方で何者かに見られているような不思議な感覚に陥る。まるで誰かが目の前にいるかのような、言うなれば初めからそこにいた誰かの正面に座った時に近いものである。当初収まりは良く落ち着くような気さえしていたが、次第に居心地が悪くなっていく。何か嫌な予感がする、そう考えた探索差がその場を動こうとした瞬間、唐突に青い光が辺りを包む。光の中で探索者が感じたのは自分の体がふやけていくような感覚。ゆっくりと薄らいでいく探索者が最後に見た景色は白装束の集団。誰も彼もが白装束と青い目と言う出で立ちである。ふと自分の姿を確認すると、自分も同じ白装束に身を包んでいる。どこからともなく聞こえてくる楽しげな子供の笑い声を聞きながら、あなたの意識や闇に溶けて無くなってしまう。(探索者ロスト)
※くぼみは生贄を捧げる場所であり、そこに自分自身が入ると言うことは身を捧げるということに他ならない。即座にロストを引き起こす要員のため探索者が無警戒に入ろうとした場合KPは自分の裁量次第で止めても良いかもしれない。

◆エピローグ
・生還ルート
次に探索者が目を冷ますと、そこは旅館の一室。部屋の入り口には中居が立っており、心配そうに探索者に声をかけてくる。どうやらこの声で目が覚めたようだ。どうやらチェックアウトの時間が迫っても部屋から出てこない為声をかけに来たようだ。
「お客様、大丈夫ですか?お顔が青いようですが……」
何か嫌な夢を見ていたような気がする。黒く塗りつぶされたような空、静寂に支配された世界。そんな夢の残滓を振り払うように探索者は起床し旅館を出る用意を始めることだろう。
部屋を出ると家族連れなどで廊下は賑わっている。昨晩の夢とは違う穏やかな日常に探索者は安堵する。ふと出がけに廊下から中庭を見る。夢ではあそこに何かがあった気がした。探索者の見つめる先、中庭には植え込みや灯籠といったもの以外には何もなく、ただただ景観の良い庭園が広がっているばかりであった。探索者はそのままチェックアウトを済ませ、また普段の生活へと戻って行くことだろう。

【ロストした探索者がいる場合に追加される描写】
帰り道の最中、夢の中に【ロストした探索者名】が出てきたような気がしたことをふと思い出す。今回の旅行には誘わなかったが、いつか機会を見つけて一緒に旅行に出かけるのもいいかもしれない。今度連絡を取ってみることにしようと考えながら、帰りの道中を楽しむことだろう。

数日後、先日宿泊した旅館をふと思い出した探索者は、何の気なしにネットを使って旅館を調べてみようと思い立った。しかし検索した結果わかったことは、そんな旅館はどこにも存在しないということだった。あの日確かに自分は旅館へと赴き、そしてあの夢を見たはずだ。もしあの旅館が存在しないというのであれば、一体どこに行って何をしていたというのだろうか。一抹の疑問を残し、探索者の短い旅行は幕を閉じた。

・全滅ルート
かつてこの地域では水難事故が相次いだ。多くの命が失われてきたが、とりわけ子供が犠牲になることが多かったという。そんな歴史を持つこの地では、古くから水難事故にあった子供の霊を鎮める為青い着物、青い目の人形を用いた祭礼が行われてきた。散った命を忘れぬように、その寂しさから誰かを連れて行かぬように。しかし時が経つにつれ祭礼は形だけのものとなり、最後にはその形すらも失われてしまった。今や誰一人として顧みる者もなくなって久しいが、この地にとどまる子供の霊が全て成仏したというわけでもない。寂しさの余り留まり続ける子供を悪意を持って利用しようとする者がいないとは限らず、また寂しさを紛らわせることができるからと子供が協力しないとも限らない。近年ではこの古い祭礼を復活させようとする動きもあるらしい。その理由に旅行者の行方不明や不審死が増加しているという事実が関連しているかは、定かでない。



◆お札について
1枚剥がす毎に時間が進み、ロストが早まる。以下描写のまとめ

・札1枚目
札を剥がした瞬間、指先を通じて悪寒が走った。握られた札が原因のようにも思えるそれはすぐに収まりはしたものの、確かに探索者の心に不安を植え付けたことだろう。SAN判定0/1

・札2枚目
札に手をかけ引き剥がすと、途端に探索者全員の足元がぐずりと歪むような感覚に襲われる。まるで世界が歪んだかのような、空間が揺らいだような感覚を覚えたことにより、探索者全員は強い不安と恐怖に襲われた。SAN判定1/1D3

・札3枚目
札を剥がすと、何かがプツリと切れるような感覚が探索者全員に走った。今まで押しとどめられていた何かが解放されるような感覚を伴ったそれは全員の身体を走り抜ける。何か外で起こったのではないか。今の感覚は何に影響を及ぼしたのだろうか。ただただ重苦しく襲いかかる恐怖感に探索者達は今にも叫び出したいほどの恐怖をその身に感じた。SAN判定1D3/1D10

・3枚目の札を剥がした後廊下に出る
はっきりと異様だと感じられる空気の中、探索者は廊下へと出た。ふと気配を感じ廊下の先(④、⑤の部屋の方向)に視線がいく。視線の先には死人のような白装束を着た青い目を持つ人間のような何かがいた。いや、かつては人間だったのかもしれない。しかし今やそれは人と呼ぶにはあまりに異様な雰囲気を纏っている。1人、2人、3人……数えることが無駄であるかのようにその数は増えて行く。恐ろしくも感じるその形相と青い目はまさしく人もののようであるがその顔には生気がなく虚ろな目をこちらに向けており、何事かブツブツと呪文のような言葉を唱えるようにしてゆっくりとこちらに向かってくる。まるで死者の大群を目の当たりにしたかのような異様な光景に、探索者たちは今までに味わったことのない恐れを感じ取ることだろう。



●補足
◆時間制限について
難易度調整として【何を調べたら、何をしたら時間が進むか】はKPの裁量次第。KPが適切だと思うタイミングで時間経過を行う。今回は【お札を剥がす】ことで時間を進めており、15分(分針が3を指す)、10分(分針が2を指す)、5分(分針が1を指す)12時丁度(分針が0を指す)で時間制限を表している。場合によっては分針の位置を調整し制限時間を増減させても良いだろう。

◆人形について
人形は探索者の身代わりとなるため【探索者と同じ数(またはそれ以上)、同じ性別のものが存在する。】複数人男女混合で臨む場合【自分と同じ性別の人形を捧げなければならない】ことに注意。異性の人形を捧げても何も起こらず、正しく捧げない限り正解に辿り着かない。

◆難易度調整の一例
・ミスリードとして人形とお札の数を合わせることでどちらを用いるのが正解か悩ませることも可能。時間制限の調節など手間は増えるが、その分探索は慎重なものになるだろう。

・時間経過を知らせるものとして④や⑤の部屋から時折音がするということにしても良い。中にいる青目様が出ようとしていることを表現するとともに、開かない部屋から何者かが出てこようとしているという状況は探索者にとっても時間的猶予がなくなっていることを理解するのに十分な効果があるだろう。

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