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大也、土岐影ヒナタと速攻でデートする
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大鳥コンツェルン本社の会長室に呼ばれた大也は大鳥颯太から、
「今後はダブルドラゴンには関わらぬように」
「えっ、あの中国人、ダブルドラゴンだったんですか?」
「逆に誰だと思ったんだね?」
「新手のマフィアが騙されてオレの狙ったのだとばかり」
「違う。ダブルドラゴンだ。それもナンバー3のソウ・ライライ」
「あんな雑魚に大鳥忍軍は手こずってたんですか?」
「まあね。幹部氏族があてにならずに」
「なるほど。何でしたら、オレが――」
「結構だ。大也君は都内観光を楽しむように」
「は~い」
大也が会長室から出ていくと電話が掛かってきた。
政界工作をやらせてる緋色からだ。
「うまく箕浦厳重を総裁選に出馬させれそうか?」
『それが同派閥の島木公順が柴楽前総理の後継として出馬するそうです』
「何?」
颯太が驚く中、スピーカーフォンの声を聞いた宗次が、
「防衛省系です。草薙部隊の差し金でしょう。大鳥忍軍には旨味はありませんがマイナスでもない人物です」
「ふむ。背景を探ってくれ」
『分かりました』
それで電話が切れた。
「どうも上手くいかんな、最近」
「えっ?」
颯太の言葉に宗次が驚いたので、
「どういう意味だ?」
「いえ、叢雲一族が滅んで兄上も内心では上機嫌だとばかり思っていたので」
「こら、不謹慎だぞ、宗次。創設時からの盟友氏族が壊滅状態だというのに」
窘めた颯太だったが言葉とは反対にニヤリとした。
組織において力を持った古参ほど邪魔な物はない。その意味では大鳥家にとっても大也が暴れたのは戦力的にはマイナスだが大鳥忍軍の掌握の意味では都合が良かった。
というか正直『ざまあ』と2人とも思っていた。
「ともかく大也だ、馬鹿をしないように見張っててくれ」
「分かりました」
宗次はそう背筋を正して返事した。
◇
大鳥コンツェルンを出た大也は事前に約束していた土岐影ヒナタに会っていた。
連絡先を交換していたので恩着せがましく『知り合いの大鳥忍軍に頼んでおいたよ』とSNSで連絡して、お礼を言う為にヒナタから誘われた訳だが。
「お待たせ、ヒナタさん」
「手塚君、本当に偉いさんにお願いしてくれたの?」
「まあね」
「誰に?」
「内緒」
「ってか、手塚君、アナタ、妹に何をしたの?」
「? 何の事?」
「昨日、妹に会って手塚君の事を話したけど、嫌われたわよ、アナタ」
「えっ、嘘、どうして? 嫌われる事なんてしてないのに」
『姉妹制覇』という壮大な男の夢を持っていた大也は心底心外だった。
「何をやったの?」
「楽しいデートをしただけで、別に嫌われるような事は何も」
大也は心底ヒカリに嫌われてた事に心当たりがなく不思議がった。
そのカフェでの様子を護衛兼監視員の金馬リョウが見ていた訳だが、
(馬鹿な。相手が誰か知ってるのか、アイツ?)
そう仰天して大鳥宗次に電話を掛け、
『どうした?』
「客人が八潮忍軍の理早紫織と会ってます。というかデートしてます。どうしましょう?」
『はあ? その女は東京には入れんはずだろう?』
「本当です。運転手のスマホから写真を送ります」
運転手から借りたスマホで撮影して写真を送る。
『・・・確認した。別に八潮とは敵対していない。様子を見るに留めるように』
「よろしいので?」
『デートを妨害してストレス解消と称して『正義の味方』をされてはかなわんからな。小森への通報はこちらでしておく。監視を頼んだぞ』
「はっ、畏まりました」
そう報告を終わらせたのだった。
「今後はダブルドラゴンには関わらぬように」
「えっ、あの中国人、ダブルドラゴンだったんですか?」
「逆に誰だと思ったんだね?」
「新手のマフィアが騙されてオレの狙ったのだとばかり」
「違う。ダブルドラゴンだ。それもナンバー3のソウ・ライライ」
「あんな雑魚に大鳥忍軍は手こずってたんですか?」
「まあね。幹部氏族があてにならずに」
「なるほど。何でしたら、オレが――」
「結構だ。大也君は都内観光を楽しむように」
「は~い」
大也が会長室から出ていくと電話が掛かってきた。
政界工作をやらせてる緋色からだ。
「うまく箕浦厳重を総裁選に出馬させれそうか?」
『それが同派閥の島木公順が柴楽前総理の後継として出馬するそうです』
「何?」
颯太が驚く中、スピーカーフォンの声を聞いた宗次が、
「防衛省系です。草薙部隊の差し金でしょう。大鳥忍軍には旨味はありませんがマイナスでもない人物です」
「ふむ。背景を探ってくれ」
『分かりました』
それで電話が切れた。
「どうも上手くいかんな、最近」
「えっ?」
颯太の言葉に宗次が驚いたので、
「どういう意味だ?」
「いえ、叢雲一族が滅んで兄上も内心では上機嫌だとばかり思っていたので」
「こら、不謹慎だぞ、宗次。創設時からの盟友氏族が壊滅状態だというのに」
窘めた颯太だったが言葉とは反対にニヤリとした。
組織において力を持った古参ほど邪魔な物はない。その意味では大鳥家にとっても大也が暴れたのは戦力的にはマイナスだが大鳥忍軍の掌握の意味では都合が良かった。
というか正直『ざまあ』と2人とも思っていた。
「ともかく大也だ、馬鹿をしないように見張っててくれ」
「分かりました」
宗次はそう背筋を正して返事した。
◇
大鳥コンツェルンを出た大也は事前に約束していた土岐影ヒナタに会っていた。
連絡先を交換していたので恩着せがましく『知り合いの大鳥忍軍に頼んでおいたよ』とSNSで連絡して、お礼を言う為にヒナタから誘われた訳だが。
「お待たせ、ヒナタさん」
「手塚君、本当に偉いさんにお願いしてくれたの?」
「まあね」
「誰に?」
「内緒」
「ってか、手塚君、アナタ、妹に何をしたの?」
「? 何の事?」
「昨日、妹に会って手塚君の事を話したけど、嫌われたわよ、アナタ」
「えっ、嘘、どうして? 嫌われる事なんてしてないのに」
『姉妹制覇』という壮大な男の夢を持っていた大也は心底心外だった。
「何をやったの?」
「楽しいデートをしただけで、別に嫌われるような事は何も」
大也は心底ヒカリに嫌われてた事に心当たりがなく不思議がった。
そのカフェでの様子を護衛兼監視員の金馬リョウが見ていた訳だが、
(馬鹿な。相手が誰か知ってるのか、アイツ?)
そう仰天して大鳥宗次に電話を掛け、
『どうした?』
「客人が八潮忍軍の理早紫織と会ってます。というかデートしてます。どうしましょう?」
『はあ? その女は東京には入れんはずだろう?』
「本当です。運転手のスマホから写真を送ります」
運転手から借りたスマホで撮影して写真を送る。
『・・・確認した。別に八潮とは敵対していない。様子を見るに留めるように』
「よろしいので?」
『デートを妨害してストレス解消と称して『正義の味方』をされてはかなわんからな。小森への通報はこちらでしておく。監視を頼んだぞ』
「はっ、畏まりました」
そう報告を終わらせたのだった。
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