斬られ役、異世界を征く!! 弐!!

通 行人(とおり ゆきひと)

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本拠地突入編・2

隊員達、確かめる

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 161-①

 “ゴンッ!!” 

 フリードの悪質タックルを喰らい、武光は後頭部を強打した。

「どうだコノヤロー!!」

 フリードは荒々しく吼えたが、武光は横向きに倒れたまま応えない。それどころかピクリとも動かない。

〔お、おい……武光!?〕
〔ご主人様!? 大丈夫ですか!?〕

 イットーや魔穿鉄剣の呼びかけにも、へんじがない。まるでしかばねのようだ。

「あ……アニキ……!?」

 不安になったフリードは武光に近付こうとしたが……

「ま、待って下さい!!」

 キクチナがフリードに待ったをかけた。

「何だよキクチナ!?」
「わ、罠かもしれません……武光隊長は熟練の斬られ役です、死んだフリかもしれません」
「う……確かにアニキならやりかねん」
「こ、ここは私が……」

 キクチナは先端が丸くなった訓練用の雷導針を小型ボウガンに装填すると、武光に向けて発射した。放たれた雷導針は武光のほおに “どべしっ” と命中したが、全くの無反応だった。

「た、大変です!!」
「待つんだキクチナ!!」

 武光に駆け寄ろうとしたキクチナに、今度はミナハが待ったをかけた。

「隊長殿の演技力と役者魂を甘く見てはダメだ!! 死体の役に入り込んだ隊長殿なら、あれしきの苦痛は耐えるかもしれない。ここは私が……」

 ミナハは誤って武光を斬ってしまわないように、驚天動地の薙刀部分の側面で武光の腹部を “ドゴォッ!!” とぶっ叩いたが、やはり反応は無い。

「これでも無反応とは……ま、まさか本当に!?」
「待って!!」

 武光に駆け寄ろうとしたミナハを今度はクレナが制止した。

「念には念を入れようよ、隊長は『天下御免の悪役』なんだよ? 裏の裏の裏くらい平気でかいて来るよ!!」
「た、確かに……隊長殿なら……ありえる!!」

 クレナは武光に慎重に近付くと脇腹をくすぐった。

「ふふん……どうですか隊長!? 痛みには耐えられても、これには耐えられないでしょう!?」

 ……だが、クレナのくすぐりにも武光は1ミリも反応しなかった。

「え……? 嘘……もしかしてコレ本当に……?」

 フリード達は 混乱した!!

「ゲェーッ!? ま、マジかよぉぉぉっ!?」
「どどどどうしようフー君!?」
「隊長殿ーーー!?」
「た、大変です!!」

 そして、そんなフリード達のもとに……

「おおーい!!」

 アルジェが あらわれた!
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