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3 博士はネコ耳天使に興味があります(製作的な意味で)
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「それじゃ、設計図と今出来ているものをお渡し下さい」
『な、なんでだい!?』
白カラスさんがなんかわたわたしてて可愛い。おそらくご友人の挙動なのだろうな。ちょっぴりとほっこりしつつも、私はじとりと睨んで言い切った。
「裏で開発されても困るんですよ。だから、私たちが責任もって処分いたします」
「あれ、そういえばこれ、博士が持ってるの!? 作ってるの他国だったら壊せないとか?」
あれ、そうだったっけ!?
それは盲点だ。送るとなると、税関云々で面倒だ……。
というか、許可は絶対に下りないんじゃないかな?
こっちから乗り込む?
いやー、なんか身の危険を感じるんだよな……。
しかし、まかり間違って完成し、追尾機能の方が発動したら自動的に飛んでくる感じがより怖い!
あー、どうすればいいんだろう!?
「いや、機体はこっちにあるぞ?」
「え!? あるんですか?」
「というか、ひみっちゃんといもっちゃん専用だからの! 当然じゃろう?」
……え、えっと……つまり、え!?
『……ネコ耳もウサ耳も、微妙な動きや音の解析部分って、ソフトがものすごく重要だからね!」
白カラスさんがなんか胸張った感じになり、さらに続けた。
『こいつは、僕の仕事の中でも、かなり気合の入ったプログラムだぜ!!』
あれ、それって、え!?
それじゃ、作ってるのは……博士になるんじゃないか!?
私たちは博士を見る。
「プログラムを乗せる土台は儂が担当しとるのじゃよ!」
「え!? それって、メイン開発は博士って事じゃないですか!?」
「違うぞ! 開発の根幹はあやつじゃ! 儂は設計図通りにつくっとるだけじゃからな!!」
博士は軽く息を吐き、少し眉を上げる。
「まあ、ちょっと理解が足りとらん所や、気になる点もある」
えっと、それってどういう事だろう?
「しかし、儂は手掛けぬと約束したからの! 意見は伝えるし、安全面は配慮する。じゃが、勝手な修正は無しじゃ!」
なんだろう、すっごく腑に落ちない……。というか、身の危険が高まった感じが強いんですが!?
「あの、私たちは作らないって選択肢を取っていただきたかったのですが?」
「すまぬ……じゃが、作るという衝動は収まらなんかったのじゃ!」
うん、本当にね、もう、もうもうですよ!!
一回くらいひどい目に合わさないといけないのかな!?
さすがの私もイライラが募ってきている。
「まあ、いいわよ。どっちも出して」
『んー……何しようというんだい?』
白カラスさんは小首をかしげた姿がかわいらしい。
何だろう? あの時みせた渋さはどこにいったのだ?
なんか、ちょっかい掛けたい。でも、中身ご友人だからなぁ……。
「破棄と決まったのじゃ。耐えるんじゃぞ!」
『え? ええ? 何が起こるんだい?』
博士は足取り重く研究室へと入っていく。
その間に白カラスさんは、なぜかつぶらな瞳でキョロキョロと周りを見回している。くそう……それもまた、カワイイじゃないか……。
「またせたの……」
そう言って博士が置いたのは、とてもリアルなネコ耳……という訳でなく、メカメカしい骨組みだった。
ただ、一部だけには黒猫さんぽい感じの外皮がはっつけられている。これがもし、外装まで仕上がっていたらと思うとぞっとする。叩いて壊すのは精神的外傷になりそうだ。
ウサ耳の方も外側はちょっとだけしか出来ていない。アルミ製? いや、なんか変な文字が刻まれた感じの金属で出来た骨組みであった。
どちらも根っこの方に紫に輝くコネクターのようなものがあり、先は丸まっているがざらざらした感じで、これこそが私たちの頭蓋骨へ穴を空ける部分だと思われる。
「これが設計図じゃよ」
博士は何時ものそれに比べたら、かなり薄っぺらい紙束を渡してくれた。
あれー? これだけかいな?
いつもは結構な束になっていたはずだけど。
「今回は少ないですね」
「そうかの? まあ資料は別に置いてあるからのぉ」
そうか……何時もは、設計図と資料がまとまっていたのかな?
あれ、でもこれ英語になってるな?
白カラスさんが持ってきてくれたのって博士が翻訳したのかな?
「英語……ですね」
「あれ、あたしたちが見たのは日本語だったわよ?」
「そりゃこやつの機能じゃ」
博士は白カラスさんを指して、大きくため息を吐いた。ふむ……突っ込んで聞いてみたい気もするが、壊してからでもよかろう。
『え、え? えーっとだ、博士? 僕たちの合作、どうするんだい!?』
ご友人の声を聴かないようにして立ち上がり、ハンマーをポケットから取り出す。それを見た白カラスさんは、ものすごい急いでその場を離れた。
「じゃあ、お先に」
「うん」
私は取り出したハンマーを振りかぶる!
そしてそのハンマーを、頭蓋骨に穴を空け、なんか神経的なものを伸ばして脳へ接続し、おそらく耳を良くしたり、耳をかわいらしく動かしたりする感じの……ご友人いわく『世界の文化遺産的なカワイイの象徴』へ、躊躇なく叩き付けた!
一度大きくゆがんで跳ね上がるネコ耳に、さらに打ち付け!
叩きつけ!
二度と蘇ってこないよう、叩き壊した。
「はい」
「ありです」
そして、妹にハンマーを渡すと、妹は機能としてはネコ耳と同様ではあるが、そのすらりと伸びた形からセクシーさを引き立てる、艶やかさの具体化に、私よりも大きく振りかぶって、激しく叩きつけ、打って、打ち付け! 壊してしまった。
『なんだい、この音は!? のおおおおおおぉぉぉーーー!! もしかして、な、なんてことしてんだあああーーーー!?』
「ううーーー、ぅおぉぉぉ、儂も、しっかり手伝ったのじゃ……うう……ぐうう」
ハンマーを恐れた白カラスさんは逃げてしまったらしい。ずいぶん遠くから声が聞こえる。博士も、自分が作り上げたということもあって、落ち込んでみえた。
「今回は私、申し訳ないとは言いませんからね」
「ひとの意見はしっかり聞きましょって話だもんね」
「うう……儂も暫くは、我慢したのじゃ……しかし、すまんかったの……」
なんだろう、博士も人付き合いがあったとかかな? いや、まあ、私たちに危機を及ぼしたという話だから、同情はなるべく抑え込む。
そして、卓上ライターを借りて暖炉へと行き、いつもよりも薄く思える設計図をちょっと雑にちぎって投げ入れ、火をつけた。
私と妹は、ひとまずほっと息を吐く。
「良いなぁ…………火は。私たちに多くを教えてくれる」
「うん……ヤバ過ぎる何かも、こうしちゃえば良いもんね」
「そうだね。だから、火は良い」
「火は、良いわね」
あれ、紙質も違うのかな、いつもと燃えっぷりがちがうなぁ……?
いつもはじんわり黒くなっていく感じだけど、今回は少し変な色に炎が変化して、そして激しく燃えていく。
「……ひみっちゃん、火はええかの?」
「……ぇっ、博士!?」
安心して気が抜けていたのだろうか? 博士がすぐ近くに現れたため、不意を突かれてびっくりした。
「そこまで驚かんでもよかろう? というか、食い入るように見とったぞ」
隣に座っていた博士は寂しそうな声で何かの資料、例の設計図に必要だったものを私に見せ、暖炉へと投げ入れた。
それなりの分厚さがあった束は、中々燃えてくれない。
「ああ、束で入れちゃだめですよ! 燃え残りができてしまう、一枚ずつしっかりちぎって細かくしなきゃ!」
私は投げ込まれたばかりの束を、火掻き棒を巧みに操って取り戻し、火を消したのち博士に渡す。
「ひみっちゃん、儂にそれをしろというんか?」
あ、すっごい嫌そう……まあ、それもそうか。
「じゃあ、代わりにやったげますよ」
「うー、むむむぅ……頼むわ」
「はい」
『おう……火の音か……もしかして、設計図まで燃しちゃったのかい?』
私と妹が発明を壊すときはかなり遠くへ避難していた白カラスさんだが、今は博士の肩に止まっていて、その耳元で言った。
「仕方あるまい、破棄すると決めたじゃろ」
どうやらご友人の気持ちが切にわかるらしい博士は、眉をしかめてからなだめるように言う。
『し、しかし、あれのために、僕は結構苦労したんだぜ!?』
「儂は何度もやられておる。だから、おぬしも受け入れるんじゃ! ……まあ、完成前に壊されるのは流石に心苦しいがのぉ」
唇を尖らせる博士、やっぱり気合い入れて作ったという感慨深さがあるんだろうな……少しだけ同情心は湧く。しかし、そのたびに自分へ言い聞かせるのだ。
『効果が私たちへの脳改造ですからね? 擁護はしてあげないもん!』
『な、なんでだい!?』
白カラスさんがなんかわたわたしてて可愛い。おそらくご友人の挙動なのだろうな。ちょっぴりとほっこりしつつも、私はじとりと睨んで言い切った。
「裏で開発されても困るんですよ。だから、私たちが責任もって処分いたします」
「あれ、そういえばこれ、博士が持ってるの!? 作ってるの他国だったら壊せないとか?」
あれ、そうだったっけ!?
それは盲点だ。送るとなると、税関云々で面倒だ……。
というか、許可は絶対に下りないんじゃないかな?
こっちから乗り込む?
いやー、なんか身の危険を感じるんだよな……。
しかし、まかり間違って完成し、追尾機能の方が発動したら自動的に飛んでくる感じがより怖い!
あー、どうすればいいんだろう!?
「いや、機体はこっちにあるぞ?」
「え!? あるんですか?」
「というか、ひみっちゃんといもっちゃん専用だからの! 当然じゃろう?」
……え、えっと……つまり、え!?
『……ネコ耳もウサ耳も、微妙な動きや音の解析部分って、ソフトがものすごく重要だからね!」
白カラスさんがなんか胸張った感じになり、さらに続けた。
『こいつは、僕の仕事の中でも、かなり気合の入ったプログラムだぜ!!』
あれ、それって、え!?
それじゃ、作ってるのは……博士になるんじゃないか!?
私たちは博士を見る。
「プログラムを乗せる土台は儂が担当しとるのじゃよ!」
「え!? それって、メイン開発は博士って事じゃないですか!?」
「違うぞ! 開発の根幹はあやつじゃ! 儂は設計図通りにつくっとるだけじゃからな!!」
博士は軽く息を吐き、少し眉を上げる。
「まあ、ちょっと理解が足りとらん所や、気になる点もある」
えっと、それってどういう事だろう?
「しかし、儂は手掛けぬと約束したからの! 意見は伝えるし、安全面は配慮する。じゃが、勝手な修正は無しじゃ!」
なんだろう、すっごく腑に落ちない……。というか、身の危険が高まった感じが強いんですが!?
「あの、私たちは作らないって選択肢を取っていただきたかったのですが?」
「すまぬ……じゃが、作るという衝動は収まらなんかったのじゃ!」
うん、本当にね、もう、もうもうですよ!!
一回くらいひどい目に合わさないといけないのかな!?
さすがの私もイライラが募ってきている。
「まあ、いいわよ。どっちも出して」
『んー……何しようというんだい?』
白カラスさんは小首をかしげた姿がかわいらしい。
何だろう? あの時みせた渋さはどこにいったのだ?
なんか、ちょっかい掛けたい。でも、中身ご友人だからなぁ……。
「破棄と決まったのじゃ。耐えるんじゃぞ!」
『え? ええ? 何が起こるんだい?』
博士は足取り重く研究室へと入っていく。
その間に白カラスさんは、なぜかつぶらな瞳でキョロキョロと周りを見回している。くそう……それもまた、カワイイじゃないか……。
「またせたの……」
そう言って博士が置いたのは、とてもリアルなネコ耳……という訳でなく、メカメカしい骨組みだった。
ただ、一部だけには黒猫さんぽい感じの外皮がはっつけられている。これがもし、外装まで仕上がっていたらと思うとぞっとする。叩いて壊すのは精神的外傷になりそうだ。
ウサ耳の方も外側はちょっとだけしか出来ていない。アルミ製? いや、なんか変な文字が刻まれた感じの金属で出来た骨組みであった。
どちらも根っこの方に紫に輝くコネクターのようなものがあり、先は丸まっているがざらざらした感じで、これこそが私たちの頭蓋骨へ穴を空ける部分だと思われる。
「これが設計図じゃよ」
博士は何時ものそれに比べたら、かなり薄っぺらい紙束を渡してくれた。
あれー? これだけかいな?
いつもは結構な束になっていたはずだけど。
「今回は少ないですね」
「そうかの? まあ資料は別に置いてあるからのぉ」
そうか……何時もは、設計図と資料がまとまっていたのかな?
あれ、でもこれ英語になってるな?
白カラスさんが持ってきてくれたのって博士が翻訳したのかな?
「英語……ですね」
「あれ、あたしたちが見たのは日本語だったわよ?」
「そりゃこやつの機能じゃ」
博士は白カラスさんを指して、大きくため息を吐いた。ふむ……突っ込んで聞いてみたい気もするが、壊してからでもよかろう。
『え、え? えーっとだ、博士? 僕たちの合作、どうするんだい!?』
ご友人の声を聴かないようにして立ち上がり、ハンマーをポケットから取り出す。それを見た白カラスさんは、ものすごい急いでその場を離れた。
「じゃあ、お先に」
「うん」
私は取り出したハンマーを振りかぶる!
そしてそのハンマーを、頭蓋骨に穴を空け、なんか神経的なものを伸ばして脳へ接続し、おそらく耳を良くしたり、耳をかわいらしく動かしたりする感じの……ご友人いわく『世界の文化遺産的なカワイイの象徴』へ、躊躇なく叩き付けた!
一度大きくゆがんで跳ね上がるネコ耳に、さらに打ち付け!
叩きつけ!
二度と蘇ってこないよう、叩き壊した。
「はい」
「ありです」
そして、妹にハンマーを渡すと、妹は機能としてはネコ耳と同様ではあるが、そのすらりと伸びた形からセクシーさを引き立てる、艶やかさの具体化に、私よりも大きく振りかぶって、激しく叩きつけ、打って、打ち付け! 壊してしまった。
『なんだい、この音は!? のおおおおおおぉぉぉーーー!! もしかして、な、なんてことしてんだあああーーーー!?』
「ううーーー、ぅおぉぉぉ、儂も、しっかり手伝ったのじゃ……うう……ぐうう」
ハンマーを恐れた白カラスさんは逃げてしまったらしい。ずいぶん遠くから声が聞こえる。博士も、自分が作り上げたということもあって、落ち込んでみえた。
「今回は私、申し訳ないとは言いませんからね」
「ひとの意見はしっかり聞きましょって話だもんね」
「うう……儂も暫くは、我慢したのじゃ……しかし、すまんかったの……」
なんだろう、博士も人付き合いがあったとかかな? いや、まあ、私たちに危機を及ぼしたという話だから、同情はなるべく抑え込む。
そして、卓上ライターを借りて暖炉へと行き、いつもよりも薄く思える設計図をちょっと雑にちぎって投げ入れ、火をつけた。
私と妹は、ひとまずほっと息を吐く。
「良いなぁ…………火は。私たちに多くを教えてくれる」
「うん……ヤバ過ぎる何かも、こうしちゃえば良いもんね」
「そうだね。だから、火は良い」
「火は、良いわね」
あれ、紙質も違うのかな、いつもと燃えっぷりがちがうなぁ……?
いつもはじんわり黒くなっていく感じだけど、今回は少し変な色に炎が変化して、そして激しく燃えていく。
「……ひみっちゃん、火はええかの?」
「……ぇっ、博士!?」
安心して気が抜けていたのだろうか? 博士がすぐ近くに現れたため、不意を突かれてびっくりした。
「そこまで驚かんでもよかろう? というか、食い入るように見とったぞ」
隣に座っていた博士は寂しそうな声で何かの資料、例の設計図に必要だったものを私に見せ、暖炉へと投げ入れた。
それなりの分厚さがあった束は、中々燃えてくれない。
「ああ、束で入れちゃだめですよ! 燃え残りができてしまう、一枚ずつしっかりちぎって細かくしなきゃ!」
私は投げ込まれたばかりの束を、火掻き棒を巧みに操って取り戻し、火を消したのち博士に渡す。
「ひみっちゃん、儂にそれをしろというんか?」
あ、すっごい嫌そう……まあ、それもそうか。
「じゃあ、代わりにやったげますよ」
「うー、むむむぅ……頼むわ」
「はい」
『おう……火の音か……もしかして、設計図まで燃しちゃったのかい?』
私と妹が発明を壊すときはかなり遠くへ避難していた白カラスさんだが、今は博士の肩に止まっていて、その耳元で言った。
「仕方あるまい、破棄すると決めたじゃろ」
どうやらご友人の気持ちが切にわかるらしい博士は、眉をしかめてからなだめるように言う。
『し、しかし、あれのために、僕は結構苦労したんだぜ!?』
「儂は何度もやられておる。だから、おぬしも受け入れるんじゃ! ……まあ、完成前に壊されるのは流石に心苦しいがのぉ」
唇を尖らせる博士、やっぱり気合い入れて作ったという感慨深さがあるんだろうな……少しだけ同情心は湧く。しかし、そのたびに自分へ言い聞かせるのだ。
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