ずっと、君を探してた。

さひこ

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1章:まっさらな旅

合格?※

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ザシュッ。
一瞬のうちにグール3体の首が飛ぶ。
嘘だろう?俺だって1体倒すのに5分はかかるってのに。これがSランクの実力ってことか?

この世界では、冒険者…いわゆるフリーで魔物と戦う人間には強さのランクがある。
SS、S、A+、A、B、C、D、E、F。Fが冒険者の中の初心者中の初心者。そしてSSが最高ランクだ。
しかしSSはこの世にたった4人…ほぼ幻級の強さの人間で、めったと会うことなどない。
それにSランクだってそうだ。
王宮の騎士の中でも部隊長以上か、冒険者でもいて20人ほど。
こいつはその20人の中の一人に、いきなり現れてその座に納まった。

…くっそ!俺だって、俺だって、あと200体の魔物を狩ることができれば、Sランク候補生に上がれるんだからな…!

Sランクの主な任務は小ボス級の討伐だ。
サイクプロス、ヘルバウンド、ミノタウロス、ケルベロス…これらに2~4人のパーティーで倒すことができなければならない。しかし、名を連ね上げてみるけれど今の俺じゃ1撃当てるのもやっとかもしれない面々だ。
それをこいつは、倒せるかもしれない実力を持っているってことだ。

剣についた汚れを拭い、悠々とこちらへ歩いてくるあいつ。
まじまじと見れば、こちらに向かってにこりと笑ってきた。

…ヤバい。格好いい…。

身体は筋肉がしっかりと、でも付きすぎてはいないほどに付き、均整がとれている。長身で腰の位置も高く、足が長い。
ショートカットのダークブルーの髪は毛先に向かってグラデーションがかかっているようにさらに深い青になっており、瞳も深いダークブルー。
そして何よりその顔だ。見つめられたら10人中10人の女性は落ちるであろう程の美丈夫なのだ。
彫りの深い顔は適度に鼻が高く、唇は薄く柔らかな弧を描いている。目の形は切れ長で、かといって柔らかく微笑むので怖い印象は全くない。

こんなイケメンが、なんでこんな平凡な俺なんかにあんなこと…。
俺の顔は平凡だ。ちょっとした理由で左目を黒い布で覆っているが、それ以外の特徴は全くと言っていいほどない。100人いたらその中に埋もれれるだろう。
そんな平凡な俺にあんなに…そう、ねちっこいと言っていいほど昨日はえっちなことをされた。

昨日は1回俺の中に出された後、終わるのかと思って気を抜いていたら、急に2回戦目が始まり、そのあとも3回は出された。
体力に自信のある俺でも、もう限界だと思っていると、それを察知してくれたのか「バスルームへ行こう」と言ってくれたので、さすがにもう終わるのかと思ったら、…なんと、俺はニコラのおちんちんをお尻に串刺しにされたままバスルームへと運びだした。俺の全体重がかかって、歩くときもゆさゆさと動いて、俺はそこでもイかされた。
お風呂場についても、しばらく揺さぶられ、そして…たくさんキスをした。…キモチ良かった。
ニコラのキスはとろんと蕩けるようなんだ。俺がふにゃふにゃになっちゃうと、彼は
「キス、好き?…すまない。さっきまで私の欲を優先させてしまっていたな。これからはもっとたくさんしよう。」
とそこからはキスしてキスしてキスして…。
あとは俺の性感帯を探るかのように乳首を指でクニクニしたり、赤ちゃんのようにちゅぷちゅぷとしゃぶったり、レロレロと舐めたり、首筋から足の先まで吸い付かれたり…。
おかげで俺の身体は今鬱血がすごい。これがキスマークってやつなんだな。
とにかく体中をキスされたり舐められたりした。…でも、洗い終わってない脇の下まで舐めなくてもいいと思うんだ。さすがに変態!って思った。
そう指摘するとニコラはあの綺麗な顔を満面の笑みにして
「シュリに汚いとこなんてないぞ?ココもイイ匂いだ。」
と言われてしまった。…変態!変態!変態!!
バスルームで体を洗い終わった後も、またベッドへ繋がったまま連れていかれ、朝までえっちした。
…嫌じゃなかった自分が不思議だけれど。(体力的には勘弁してって感じだけど!)

おかげで体中が痛い。
ローションたっぷり塗って、キモチよくってこの世界では男のお尻からも出る愛液でぐしょぐしょになった俺のとお腹には、まだニコラのおちんちんが入っているような感じだけれど!



「どうした?そんなに可愛いリンゴのような顔をして。実力を見たいをいうから連れてきたけど、シュリにはシールドを張っておいたが、油断すると危ない。もう、帰るぞ。ほら、抱き上げるよ。」

そう、あとニコラの執拗なえっちのせいで俺の腰は抜けている。立てない。
片手で俺を抱き上げたニコラは、そのまま途中で襲ってきた魔物を一閃に伏せながら、冒険者ギルドの拠点まで帰りついた。

…ヤバい。格好いい…。




*****


ギルドで討伐完了の報酬を受け取り、(片手が塞がってるニコラは俺に報酬金を持たせた。)昨日泊まった宿へと戻る。
まだ歩けない俺はニコラに抱っこされたままだ。フロントではほかの客たちからの目線が痛いくらいに突き刺さってくるが、歩けないんだからしょうがない。
昨日と同じ部屋に入ると、直ぐにキスをされる。
くちゅくちゅと部屋の中に水音が響く。気づけば俺はダブルベッドの上に優しく寝ころばされていた。
…ああ、気持ちいい。
舌を絡ませ合ううちにたまった唾液がもったいなく思って、俺は自然にコクコクとそれを飲み込む。
それに気を良くしたのか、ニコラは俺の衣服を脱がそうと、胸元のボタンに手を…。
―――って、待った!!

「だ…ダメ!!」
俺はグイッとできるだけ力を込めて押し返す。
ニコラは少し不服そうな顔をして、「どうしてだ?」と聞いてくる。
どうしてもこうしてもないだろう!!今の俺を見ろよ!!

「お…俺も…俺も明日は討伐に出かけたいの!!また立てなくなったら、困る!!」
いつの間にか外されていたボタンを閉じながら起き上がり、俺は顔を火照らせつつ制止をかける。
「ああ、そうだったな。すまない。あまりにも可愛くて。」
ニコラは悪びれる様子もなく首筋にキスをし、言葉だけ謝ってきた。
こいつーーー!!!

「…それで、どうだった?」
彼はこちらをまっすぐ見つめ聞いてくる。
「え???何が?」
俺が間抜けな声を出すと、むっとした表情で(可愛い)俺の顔を手で包み、顔を寄せてくる。それにドキリとしておろおろしていると、機嫌がよくなったようで、ふっと笑い(ぐうっ。格好いい…!)額を合わせ、
「私の力量のことだ。シュリは自分より強いパートナーを探していたんだろう?私はシュリのパートナーとして合格だろうか?」
と問ってきた。
…そうだった。自分から実力見せてほしいって頼んだんだった!…だったら、そんなもん

「合格…って言ったら上からだよな。もちろん、こっちからお願いしたいくらいだ!…ニコラがよかったら。」
俺は満面の笑顔で言った。
「そう言うことなら、私はCクラスとも組んで戦ったことがある。A+クラスなら十分すぎる実力だ。…まあ、確かに一度実力は見ておきたいがな。」
と、笑顔で返された。

俺はすっと手を差し出す。
「なら、よろしくなニコラ。実力見せて絶対いいパートナーって認めさせてやるからな!」
「…。」
すると、ニコラが少し切ない顔を見せた後、
「ああ、やっぱり愛し合えないのは辛いな…。実力を見せるのは1週間後にしないか?」
と、ぎゅっと抱きしめて耳元で囁いてきた。

「ーーーーーーー!!!」
俺は真っ赤になり、ニコラに向かってデコピンした。

「駄目―――!!えっちは1週間に1回です!!!!!!」
「ええええええええ…。」
絶望的な声を出すニコラ。
俺、判断誤ったかなあ…?
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