ずっと、君を探してた。

さひこ

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1章:まっさらな旅

困惑の淫魔※

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手足につけられた鎖がシャラリと音を立てて揺れる。
部屋内を行動することは許されているため、その鎖は長く作られていた。

ここは王宮から少し離れた、先々代の上皇后さまがその当時の皇帝と皇后に「自分がいては気も休まらないだろう」と、気を利かせて作った離宮なのだそうだ。
そのためか日当たりもよく、外を見れば、綺麗な花々が咲き誇っている。
こういうのって、ナチュラルガーデンって言うんだろうか。手入れはそれなりにされているようだけど、華やかというよりは、自然に近い庭の造りだった。
俺はその3階にいるらしい。飛び降りて逃げ出すのも、(そもそも鎖も魔法封じもあるし)他人に見つかるのも難しい所だった。

そんな場所に閉じ込められて2か月くらいたったのだろうか。標準となるものが何もない生活を何か月も送っているためかもう今がどれくらい経っているのかが分からない。
来た頃は寒かったけれど、今はだいぶ暖かいから多分春から夏にかけて位の時期なんだろうと思うけど。



夜、お腹に少したまるだけの食事をして、彼が来るのを待つ。
抱いてもらえなくてももらえても、彼が俺に顔を見せてくれるのが1日で何よりの楽しみに変わっていた。

そんな時、『ガチャリ』と扉の開く音がする。
ああ、アダン。今日も来てくれた。

「ユヅキ。待たせてすまない。…寂しかったか?」
アダンがすまなさそうに笑いながら、俺を優しく抱きしめる。俺はアダンの背中に手を回しながら広い胸に擦り寄った。
「寂しかったに決まってるでしょ?…でも、今日も1日お疲れ様。頑張ったね。」
背中から頭に手を移動し、アダンの頭を撫でた。
「ああ、頑張ったよ。だからご褒美をくれないか?」
…今日は俺を抱く元気が残っているらしい。それを証拠に、俺のおなかに当たるアダンの分身は熱く硬かった。


彼が俺の唇を奪う。ちゅっちゅっと唇を重ね合わせるものから、だんだんと舌を絡める交わるキスに変わっていく。
彼と俺の唾液が口の中に溜まっていき、コクコクと飲みこむと、アダンは嬉しそうに俺の唇を舐めた。
「うまいか?優月の唇も舌も最高に美味だぞ。」
アダンはそう言い、首筋、鎖骨と彼の舌を滑らせて行く。そして、俺の敏感な…彼に開発をされてしまった胸の尖りに行きついた。

アダンは美味しそうに、俺の尖りを舐めしゃぶる。俺はもっとして欲しくて、ぷっくりと膨らんでいるそこをアダンの舌に押し付けた。
「気持ちいいか?ユヅキ。俺のかわいい果実はそんなにも。」
意地悪なことを言う。気持ちいいに決まってるじゃないか。
「あぁ…♡気持ちいいよ♡もっと舐めて…優しく噛んで♡」
するとアダンの舌の動きが変わる。はじめはゆっくりと、としてだんだんと早くレロレロと俺の胸の尖りをいじめてくる。そして、もう一方の尖りを今度は指で優しくつまんでまるで搾乳をするかのようにつまんでくる。
「あ…ん。いい…。もっといじめて…。」
俺がそう言うと、彼は舐めていた尖りを一瞬強く吸って、
「ユヅキは虐めてほしいと頼んだり、優しくと言ったり、どちらが望みなんだ?まあ、どちらも叶えてやるが。」
と、くくっと意地悪そうに笑って本当にどちらも叶えてくれた。

ちゅぱ♡ちゅぱ♡はむ♡はむっ♡くに♡くに♡

「んん♡あんっ♡はぁん♡」

…まさか自分がこんなに胸だけで感じる日が来るなんて思わなかったな。
アダンがそれだけうまいのだろう。
―――なんだかむかつく。それだけの経験があるってことでしょ?

「どうした?ユヅキ。そんな顔も可愛いが、出来ればいつものように俺に集中してくれると嬉しいのだが…?」
俺の胸を虐めてしっとりと濡れた唇をべろりと舐める。そんな姿がまたセクシーで、ドキドキする自分が今は悔しい。

「…別に…。なんでアダンはこんなに上手いんだろうって思ったら、ちょっとムッとしちゃっただけ。」

あ、俺、可愛くない顔してる。絶対嫉妬に塗れた醜い顔。
すると、アダンはぷっと吹き出し、額に手を当て笑い出した。…大笑いだ。

「ちょっと、なんでそんなに笑うの?俺、こんなにヤな思いしてるのに!」
「はははは。…いや、すまない。ユヅキの嫉妬が可愛くてな。」
そして彼は俺の顔を壊れ物を扱うかのように優しく両手で包み込み、キスの雨を顔じゅうに降らせた。

「可愛いユヅキ。どうすれば、俺のこの想いが全て伝わるのだろうな?…確かに、俺は閨を共にしたのはユヅキだけではない。だが。」
ズキリ。俺の心が軋んだ。
やっぱり俺だけじゃないんだ。
そうだよね。こんなに格好良くて優しくて素敵な人が…しかも皇帝陛下が他の人と寝てないはずないじゃないか。
「ああ、だからそんな泣きそうな顔をするな。ユヅキに泣かせるなど、俺は俺が許せん。だが、過去は変えられん。」
アダンが俺の目元をちゅっちゅっと吸いだした。どうやら、俺は泣きそうではなく、泣いてしまったらしい。

「俺、やなの。アダンの腕の中を知っている人が俺以外にいることが。でも、こんなのわがままだよね。ごめん、こんなに醜いこと言っちゃて。」
俺はついにボロボロと泣き出してしまった。駄目だな、俺。
ぎゅっと目をつぶって、涙が全て流れ落ちるのを待った。

アダンが広い胸の中に俺の頭を抱えて抱きしめてくれる。
よしよしと、背中をさすってくれて、俺はようやく涙を止められた。
すると、俺の上から凍り付くようなほど冷たい声が聞こえた。
「…なら、処刑するか?」
「……え?」
思わず、顔を上げてアダンの顔を見る。
俺はその顔を見て、ぞっと凍り付きそうになった。それほどまでに何の感情もない表情かおだった。
「俺は今までの相手が誰だったなど覚えてはいない。だが、書簡には残っているだろう。どこの者が俺の寝所に入ったかと。その者たちを全て処刑する。そうすれば、俺の腕の中を知っているのはユヅキ、お前だけになる。」
「だ…駄目!!」
すぐさま否定する。違う。アダンにそんなことしてほしいわけじゃない!
「そうか?俺にとっては赤子の手をひねるほどに簡単なことだぞ?」
その目が本気だということが分かる。
ああ、なんで俺は忘れてしまっていたんだろう。アダンは、彼は俺が壊してしまった。俺がわがままを言えばアダンは何をおいてもそれを叶えてしまうだろう。

「俺はね、アダンにそんなことをしてほしいんじゃないよ。俺が勝手にやきもち妬いただけなんだ。…アダン。しよ?こんなやきもち、吹き飛んじゃうくらいに熱く抱いて…。」
俺は服の上から自分のお尻をアダンの膨らんでいるおちんぽに擦りつけるようにして、彼を誘った。

「くくっ…。ユヅキは俺を熱くさせるのが本当に上手だな?ああ、今宵こそこ胎に俺のものであるという証を刻み付けてやろう。」

―――覚悟はできているな?

その後は、彼に喘がされるだけ。
俺の愛液でべとべとに濡れたおまんこを美味しそうに啜りながら自分の陰茎を取り出し、アダンはすでにがちがちに固くなったおちんぽを取り出した。
それを早く挿れてほしいと俺が懇願すると、彼の勃起したおちんぽからは我慢汁がぽとぽとと溢れ出す。
それをアダンは自分のおちんぽに塗り込めると、「いくぞ」と言って俺のおまんこに押し付ける。
入り口に挿入った瞬間、俺の愛液と彼の我慢汁が溶け合う感覚が広がる。

「ああ…あああああああ…!!!」
慣らしをしていないおまんこの中におちんぽがめりめりと遠慮なく挿入ってくる。俺はその瞬間を恍惚としながら受け入れた。

ぬぷっ♡ぬぷっ♡

ぬぢゅうううううううううううううう♡♡♡♡♡

「はああああああああんっっ♡♡♡」

「ああ…あ…はぁ…!お前のナカはいつだって最高に蕩けるようだ…!ユヅキ!」

アダンのおちんぽが俺のおまんこの一番奥…子宮口に充たる。

トン♡トン♡トン♡トン♡トン♡トン♡トン♡トン♡

ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡ぬちゅうっ♡

パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡

ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡

「あふっ♡あふっ♡ああっ♡あふっ♡あんっ♡あふっ♡あふっ♡はぁっ♡あふっ♡あふっ♡おふぅっ♡」

「ああ…はあっ、イイッ!イイぞッ!ユヅキ!!愛しているっ!愛しているッ!!逃がさぬ。離さぬ。ユヅキは…俺のものだああああああああああッ!!!!」

びゅるっ♡ぶりゅぶりゅぶりゅッ♡ビューッ♡ビューッ♡ビューッ♡ビューッ♡ビューッ♡ビューッ♡

「あっついの…♡お胎のナカ広がってる…♡」

「ハアッ、ハアッ。まだだ。まだ離さぬぞ。こんなもので終わると思うなよ?ユヅキ。」

彼は俺のおまんこから自身は引き出さず、俺の服を脱がせ、自分も服を脱ぎ、再び抽挿を始めた。今度は俺の腰を上に向かせ、下に振り下ろすように腰を落とした。

ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡ドスッ♡ぐりゅっ♡

「あああああああん♡気持ひぃ♡ぁふぁッ♡子宮にアダンのおちんぽ響いてゆぅッ♡」

俺はもう呂律など周らない。彼の本気のセックスはそれほどまで気持ちがいい。アダンも気持ちよさそう…♡

「ふははっ。ここまで俺を夢中にさせるのはユヅキ、お前が初めてだ。今までゴムをつけて、淡白なものしかしてこなかったのだぞ?これが真実だ。誰も俺の子を孕める者は今までにはいない。ユヅキ、お前を除いてなッ♡」


ドスゥッッッッッ♡♡♡♡♡


「あ…あああああああああああああッ♡♡♡」

嘘。本当に?だったとしたら。

「アダンの生のおちんぽも、この熱い精液も、こんなに激しいセックスが好きだってことも知ってるのは俺だけ?」

「ああ、当たり前だ。私は私の大切な者を守るために今まで生きてきたのだ。ユヅキ、お前に逢うために…。」

そしてまた、激しい抽挿を繰り返す。

「嬉しい…♡ああんッ♡うれッ♡…しいッ♡…よぉッ♡」

彼に揺さぶられながら、俺は歓喜の涙を流した。俺だけの、俺だけのアダン♡
大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡大好き♡

「ふははっ。そんなに言われるとさすがの俺も照れてしまう。」

「嘘っ!口に出てた?」

「ああ、『大好き』なんだろう?『俺だけのユヅキ』。」

俺の顔は真っ赤に染まった。もうっ!全部聞こえてるじゃないか!




そこから、思う存分愛し合った俺たちは、心地よい気分で眠りにつこうとした。
アダンの一言を聞くまでは。








「俺を探している人がいる?」

心地よいアダンの温かな腕の中で先ほどまで激しく求めあってへとへとになった俺は、彼に甘えるようにくっついて微睡んでいた。

「ああ、俺が今日ユヅキを激しく抱いてしまったのは、その苛立ちからだったのだ。すまない。」
彼はバツが悪そうに眉を下げてから、俺をどこにも連れて行かせないと言うかのように抱きしめた。

「でも俺、この世界に知り合いなんていないよ?アダンしか知らない…。」
アダンのたくましい腕の中でちらりとアダンを見上げる。すると、アダンは「ううっ…!」と唸り、
「そう煽るようなしぐさや言葉を言うな。また抱きたくなる…。」
と、辛そうに(おちんぽまた膨れ上がってきてる!)俺を抱きしめなおした。(一体どうしたんだろう?)

「…なに、俺の臣下の一人…一番隊隊長の騎士が長期任務に出ていたのだが、その間に恋人を作ったらしい。そしてその恋人が「ユヅキ」という名のを探している。と申してきたのだ。」

俺はという言葉に、ふっと勝利を思い出す。

でも、まさか。
そんなはずはない。
勝利は俺の目の前で死んだ。

「その友人ってどんな人?どんな姿しているの?」

思わず口から出た。勝利じゃないって思ったばかりなのに、自分でも不思議だ。

「分からぬ。」
アダンは、むっとした顔で俺を抱きしめる力を強くした。

「ちょっと痛いよ、アダン。」
俺が苦しい声で言うと
「す・すまない。悪かった。」
とすぐに腕の力を緩めてくれたが、でも決して俺を離そうとはしない。そして改めて、言いなおす。
「姿がどうとは聞いてはいない。意味がないと感じたからな。お前に会わせる気はない。」
と、とても傲慢なことを言った。
「な、なんで?俺に用があるかもしれないんでしょ?」

するとアダンが大きく息を吐く。

「もし、お前の命を狙う刺客だったら?」
「えっ?」

びっくりしてアダンの目を見る。そしてぎくりとした。
アダンの目は昏い。まるで何者も信用していないかのように。
男らしく、形のいい唇は俺に教え込むかのように言葉を紡ぎだす。

「俺が己の評価をいつまでも知らぬままだと思ったか?お前が現れた後の俺は確かに愚帝と呼ばれても仕方のない行動をとっていた。このふた月で思い知ったよ。お前が現れてからふた月前までの帝国内は少しずつ、だが確実に荒れていく一路を辿るところだった。お前が俺の前から姿を消そうとしなければ、そのことに気が付けなかった自分が恥ずかしいくらいにだ。目を覚まさせてくれてありがとうユヅキ。俺の最愛。」

「そんな、俺はただアダンに幸せでいてもらいたかっただけだから。だけど俺が近くにいちゃダメなんだって、逃げようとしただけなんだ。そんなこと言ってもらえることやってない。」

俺は慌ててアダンの唇に軽いキスをする。すると、アダンの目は昏いものからいつもの目に戻っていた。

「愛しい、愛しいユヅキ。俺はお前を失えば確実に狂う。」
「えっ…?」
俺が戸惑っていると、アダンはさらに
「お前は自分の存在が在ることが俺を狂わせていると思っているだろう?だが半分は不正解だ。俺はお前に溺れ狂っている。お前が傍にいれば何も手につけたくなくなるほどお前と愛し合いたいし、お前がいなくなればどこまでも非情になるだろう。」

「それって、どういう…?」
俺が戸惑っていると、彼は俺の頭にキスを何度も重ね、冷酷な顔をして話し出した。
「お前を害す者には自ら命を絶ちたくなるような絶望を与えるだろう。」
そして続けてアダンは語る。

「お前を害することに一枚嚙んでいた者がいたならば、頭から皮を剝いでやろう。」

「お前を守れなかった者は、家族ごと処刑する。お前を嘲笑ってきた者も同様だ。」

「お前に懸想をし、あまつさえ穢そうとした者には…そうだな、くくくっ…切り落とした自分のモノを自分で咥えてもらうとするかな。精巣ごと抜き出し、正真正銘子が孕めるものか試してみてもよい。」

「そしてもし、お前を逃がそうと幇助するものがあれば…「やめて…!!!」」

俺は必死になってアダンに縋りついた。
「俺、ずっとアダンのそばにいるから!!絶対、いなくならないから!!!」
すると、いつの間にかカタカタと震えていた俺の身体を優しく撫で、彼はこれ以上ないほど嬉しそうに笑った。

「はははっ。ユヅキ、約束だ。何時如何なる時も俺とお前は離れたりせぬと。」
「うん、俺はアダンから離れない。だから、アダンも俺を離さないで…。」

ちゅっちゅっと唇と唇がふれあい、次第にそれが深いものへを変わっていく。
互いの唇が離れ、糸を引く頃には俺たちの身体はもう一度繋がり合っていた。

それにしても、誰なんだろう。俺と同じ名前の人物を探している人は、どんな人なんだろう。

そしてやっぱり俺の頭の中には、勝利のことが思い浮かぶのだった。
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