どんなルートでも必ずざまぁされる悪役令息(?)を幸せなルートに導きたいプレイヤーの俺の話

さひこ

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こんなのクソゲー

俺の事

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俺、結城東護ゆうきとうごは現在、大学1年生。
文芸部という名のオタクサークルでBL漫画や小説を読み、語らい合うそんな日々を送っている。

家は4人兄弟で俺は末っ子ということもあり、大分好きに生きさせてもらってありがたいことこの上ない。。
家も一般家庭の中では裕福なほうで、バイトに精を出さずとも快適に暮らせているのが現状だ。

そんな俺が恋愛対象に気づいたのは小6の事だった。
友達の中で「クラスの中でだれが一番好みか」という、非常に俗物的な話をし出した奴がいた。
他のみんなが次々と女子の名前を上げる中、俺は誰も答えれなかった。
何故なら俺が気になっていたのは、間違いなく男で、女子ではなかった。
なんとなくまずいと思った俺は、適当にクラスで美人と評判の女子をあげたが、気分は晴れないままだった。

そんな時だ。BL漫画に出会ったのは。
本屋でゲーム攻略本を買いに行った途中で見つけたその本は、どう見ても男同士が見つめ合い、抱きしめ合っていた。
俺は咄嗟にその本を取り、急いでレジに向かった。

その時の興奮は今でも忘れられない。
本の中の美しい男たちが全力で恋をし、時にはすれ違い、やがて結ばれる―――。

俺はお小遣いをもらうと、すぐに1冊はBL漫画を買うようになった。このころから部屋は自分で掃除するようにした。
こっそり買い、こっそり読み、男たちの甘く切ない物語と耽美なラブシーンに心振るわせた。
俺もこんな恋がしてみたい…。
―――だが、現実はうまくいかないもので、俺は19年生きた中で未だ童貞のままなのだけれど。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おーい、結城!結城~!!」
やたらガタイのでかい男が俺に話しかけてくる。とは言っても、知っている人物なわけで…。
「はい、間宮先輩!何用でございますか!」
俺はすぐさま反応した。
ガタイのいい男(とは言っても、身長は俺と同じくらい)…間宮先輩は俺がいかにもオタクな格好でも話しかけてくれる貴重な先輩で、そして隠れオタクだ。(ちなみに、腐男子ではない)
「いや、食堂来たら、お前がいたんでな。一緒に飯でもと思って。」
ニカっと笑いかけられる。
ああ、これは多分…。

「~でな、その後のロドリゲスの活躍が圧巻でな!単身敵を倒しに行くんだけど…。」
やはり燃え語りだ。間宮先輩は熱いバトル物が好きで、本当は友達と語り合いたいんだけど、先輩の友人はライト層なので、先輩が語っている間に一人、また一人と帰ってゆくらしい。そこで目を付けられたのが、いかにもオタクな俺だというわけだ。

「わかります。でも、敵に罠を張られて捕まった時にはドキドキしました!」
「うん、うん。でもロドリゲスの機転があって…。」

俺に語っている先輩は少年のように夢中になって話していた。



「はぁ~!語った語った!じゃあ、俺、これから講義だから行くわ。」
「はい!いってらっしゃいです!」
俺は手を振り、先輩を送り出した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ただいま、ハルディオたん。今日も一緒に頑張ろうね!」
俺はパソコンに向かって話しかけていた。
女子2人からゲームを教わって2週間が経った。しかし、ハルディオたんが幸せになるルートは一向に見つからなかった。

今日も、ハルディオたんは目から光を消し、婚約者に捨てられるエンディングを迎えてしまった。
俺はコントローラーを置いた。
「こんなんじゃ、プレイするたびにハルディオたんを災難に合わせている気がする…。」
ため息とともに出た言葉は、六畳の狭い部屋に響いて消えた。

「…いや、俺があきらめてどうする!ハルディオたんには幸せになってもらわなくちゃいけないんだ!!」

しかし、ゲームに熱中して築かなかったが、時計はもう12時を指していた。明日は1限から講義がある。早く寝なくては。
「ごめんね。ハルディオたん。」
俺はパソコンの電源を切り、ベッドに入り目を閉じた。


そう、これが俺。結城東護のおおよその1日だ。
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