7年経って思い出した?今更ですよ

仏白目

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明日は明日の風が吹く

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医師に御懐妊と言われ、固まってしまった私を気づかい母は手を握って側にいてくれた

どれ位そうしていただろうか、ノックの音と父の入るよと言う声、父自らワゴンを押してお茶を運んで来てくれた

「まぁ、ジョセフ気が効くのね?ふふ うれしいわ」

「愛するサラと愛しい娘の為だ、私が淹れたコーヒーは最高だぞ?  まあ、今医師から聞いたから、マーリンはリンゴジュースにしといたよ 大好きだろう?」

「お父様・・ありがとう うっ、うっ」
止まっていた時間が動き出したように 涙が出てきた 

「マーリン、よく聞いてね 」
私の手をさすりながら、お母様が話しだす
「ギルバートとは残念な事になったけど、お腹の子はマーリン貴方の子よ?愛しい私達の娘が産むその子は私達の大事な孫になるの 我がブルーバード家の宝よ?みんなで大切に育てましょう?きっと可愛い子よ ふふふ、楽しみだわ!」
「サラの、言う通りだよ 何も心配する事はないよ、安心していいんだ 」


泣きながら私は何度も頷いた、
「ありがとう お父様お母様、私の知っているギルはいなくなってしまって ショックだったけど、もうここから先は、この子と生きる事を考えて行くわ」

「ああ、それがいい、だかこのままここで生活していると、どうしても煩わしい奴らと出くわすかもしれないからな 私に考えが有る・・」




ーーーーーー





「それでは、お父様先に行ってきます、彼方でお待ちしてますね」

「ああ、お母様と楽しいことをして待っていておくれ 後始末をしたら、来月にはそちらに行けるようにするよ」

「貴方、向こうで待ってるわ 身体には気をつけてね」

「ああ、マーリンの事は任せたよ サラ愛してるよ」

両親の仲の良い姿は幼い頃から見てきて、私はこんな夫婦に成りたいと憧れていたけど、無理だったなぁ

私達ブルーバード男爵家は大きな商会を経営している 本店は今現在この男爵家を拠点としているのだけど、後継の兄にここは任せて隣国に父母と私で引っ越す話しを父はあの日 考えが有ると話してくれた

その後兄に後は任せると言う話しになった時
兄夫婦は拠点事引っ越しましょうといいだした、兄の奥様の実家は隣国だし
ブルーバード商会の力はまだまだ父頼りにしている兄がこの国に残る意味が分からないと、

場所ではなく父の側でまだまだ学ぶことが有ると、このイースト国は本拠地では無く支店として、従業員に任せようといいだし その事をイースト国王に報告して今にいたる 国王も商会が無くなるわけではなく今まで通りの取引と流通は行うというと安心したのか 了承してくれた。
一商会に国王もそこまで重要性を感じてはいないのだろうと、兄は話していた

その兄嫁シエルと子供達は先に隣国入りをしている
「マーリン達より先に行って準備をしておくわと、あっという間に行ってしまったよ やっぱり母国が好きらしいな」と兄は話していた。

他国のブルーバード商会窓口を任されている、長女のリンダお姉様は引っ越しが終わった頃
顔を見に行くからと、連絡をくれた

隣国プラテナ王国にはブルーバード商会の別荘がある、保養地を兼ねて建てた邸宅はかなり大きく ブルーバード家全家族が住んでもまだ余るように広く作っている 

馬車の長旅を心配していたらお母様が心配しなくても今はお金さえ払えば便利なものがあるのよ?と教えてくれた 以前は馬車で行き到着まで 2週間かかったはず
身重の体で赤ちゃんが耐えれるか不安だった

「魔道具で作られた部品を使っているから 馬車の揺れも無いし時間も短縮できるようになったのよ ジョセフは馬車で来るはずね 私達はもっと簡単な転移魔法でかなり近くまで行けるようになったと 向こうでは転移時間に合わせてシエルの手配した馬車で邸宅まで10分と聞いたわ!
ね!凄いでしょ!もうワクワクしちゃうわね~!  そうそう妊婦も大丈夫!問題ないと確認済みよ!」
お母様が少女の様にはしゃいでいるのをみてマーリンはなんだか嬉しくなって笑った

私の為に家族が一生懸命動いてくれた、私達親子が生きやすい環境を作ろうとしてくれている

感謝の気持ちで胸が一杯になる
強く生きていこう そう自分に誓いを立てた


この国にギルバートへの想いを捨てていこう
さよなら、貴方と同じ様に忘れる事にするよ



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