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私が婚約者ですが,どうぞ奪ってください
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私はセイラ.ヒリング、婚約者はアーサー.レイモンド伯爵の嫡男 先月婚約が決まった。
婚約者の挨拶でアーサーには、
「まぁ、俺が婚約者になってやるんだ
感謝して従順な妻になれよ」と言われて返事をする事は出来なかった
アーサーとは学園では同じクラス、成績は中の上位、伯爵嫡男と言っても割と貧乏、金髪碧眼、顔もまぁ悪くは無いけど良い人はもっといると言った感じ
今年学園を卒業で18歳になる、ここから急に身長が伸びるとも思えない、私より少し高い位、私だって高い方では無いから男の人にしたら低い方
要するに私の婚約者は中中下なのに、プライドだけは高いのである、婚約は家と家の契約、私の意見なんて関係ないと、両親には言われた
貴族とはそういうもの、そんな両親らは恋愛結婚 当時決まっていた婚約を解消してまで一緒になったんだと、自慢していた・・
解せぬ、
何故両親の尻拭いを子に押し付けるか? 3人兄妹、我が子爵家より家格が上の家の相手でなければ認めないとか、偉そうに言って 父が婚約解消したのは伯爵令嬢で私達の母は男爵家出身 それが悪いとは思わないが、両親のやる事は自分達の事は横に置いて、私達には我慢を強いる これ?おかしくない?
それでも、兄と姉は相手が良かった、なのに何故私だけ・・
なんなら、私は結婚出来なくてもいい、もうおばあ様に相談して養子にしてもらおうと考えている
養子がダメなら、どこかの家に働きに行けないか生活魔法を勉強している途中だ、生活魔法が使えるメイドはあまりいない為
かなりの高給とりだと聞いた。
貴族でなくなるなら、お金は大事な事だわ
「セイラ~、あれ!いいの?アーサー.レイモンド!またあの女と一緒にいるけど?」
学園での昼食の時間、友達のクリスティ.ケイオス伯爵令嬢が窓の外を指さして私に言う
窓の外を見て私もうなずく
「ええ、マリアンヌ.ギモーブ男爵令嬢でしょ? なんでも彼女はアーサー.レイモンド伯爵令息の大事な幼馴染で、先月婚約者になったばかりの私より、先にお昼ご飯は一緒に食べる約束をされているそうです、マリアンヌさんが当然でしょ?と言っていたわ」
「何それ?なんで、婚約者が出来たのに幼馴染優先なの?」
「普通はそうよね?でもアーサー.レイモンド伯爵令息は 帰宅する馬車も帰りに寄るカフェや、休みの日の買い物、観劇も彼女と一緒だと言われたので・・・」
「ええっ!嘘でしょ?それは酷いわよ?いいのそんな事ゆるしてしまって」
「許すも何も、私もそう言われたら 一応確認の為聞いたのよ?婚約者は私ですよね?って、そうしたら彼は
『これからはいつも3人で一緒だ!』とか、もう理解出来ない返事なのよ
だから言ってあげたの私はお邪魔しませんのでお二人でどうぞって」
「えーっ、でもこの婚約って彼方から持ちかけられたんでしょ?」
「そうなの、なぜ?って感じよね 彼女がいるならそちらと婚約すれば良いのに・・
私としたらどうぞ、奪ってくださいって心境よ?」
「誰か婚約するのか?」
銀髪の背の高い男性が昼食を乗せたトレーを隣のテーブルに置いた
「あら?ローレンス久しぶりね」
「ああ、ようやく学校に戻ってこれたよ」
ローレンスは同じクラスで時々お昼を一緒に食べる友達である 隣国からの留学生で用事でひと月ほど国に戻っていた
「で、誰の婚約話し?」
「私なの、変な話し聞かれちゃった?」
ローレンスは驚いた顔をして、
「婚約者に彼女がいる様な内容だったら聞こえたよ?」
私が頭を抱えている間にクリスティが綺麗にまとめてさくっと説明してくれた
その後すぐ、クリスティが他の友達から呼ばれて席を離れたので、すぐ側にはローレンスと2人だけになった
ローレンスは眉間に皺を寄せて聞いてきた
「アーサーか・・・セイラはあいつと一緒になりたいのか?」
私は頭を振りながら
「不幸になる未来しか想像出来ないんだよね」
と、項垂れた
「俺は後,3か月したら 留学は終わりになったんだ、国に戻らないと行けない、その婚約話しは俺がセイラの親に話しを通して破談にしてやるから俺の国に留学するか?」
「ええ?そんな事できるの?破談なら家にはもう帰れないと思うから、留学は無理だと思う、
でも、隣国で私に仕事先を紹介してくれない? これでもメイドの仕事に使う生活魔法は出来るからちゃんと働いて生きていくわ!」
「ああ、いい仕事先があるから安心していいよ、じゃあ決まりだな?」
「よろしくお願いします!ローレンス様!」
「任せておけ」ローレンスはニヤリと笑みを見せた
そうして、 あっという間に婚約は白紙になり この国を離れる日になった
後日 何故かアーサーから「君と結婚して3人で暮らすのを楽しみにしていたのに」と意味不明な手紙が届いた
クリスティからは、落ち着いたら手紙を書いて、困っているなら家にすぐ連絡して?絶対よ?と物凄く心配された
時々お父様が何かいいたげな顔をしてはいたが、結局何も言われず 「今までお世話になりました」と挨拶をして迎えの馬車に乗った
ローレンスはもう既に帰国していると説明を受けた
見た目は飾り気の無い馬車に見えたが,乗ってみると殆ど揺れを感じない 高級な馬車の乗り心地だった
これからただのメイドになるのだからこれが最後の贅沢かな?としみじみ思ったりする
ローレンスの国に着いたのは3日後、普通なら1週間はかかる
ローレンスの馬車は凄いなぁと思った
留学出来るくらいだから、それなりの家がらなのだろう もしかしたら
ローレンスの家で働かせてくれるのかな?
なーんて、甘えてはだめだ!
がんばろ
そんな事を考えながら馬車の窓から外を眺めていると、自然豊かな景色から人の賑わう街並みへと変わり 街を抜けて やがて大きな門の前で止まった
門番が大きな門を開くと、またしばらく馬車は走り、大きな邸宅のまえで馬車がとまった
到着しましたと、御者が扉を開けるとそこには、金髪碧眼の綺麗なご婦人が、
「まぁ、可愛らしいお嬢さんね 水色の髪色もとてもすてきだわ」
そう言って笑顔で迎えてくれた
「お褒めいただきありがとうございます 初めまして、セイラ.ヒリングです よろしくお願いします」
カーテシーをして挨拶をする
「まぁまぁ、良く来てくれたわね、私はハリエット.ターコイズよ、ローレンスから話しは聞いているから、詳しい話は中でしましょうね」
「はい」
セイラは新しい世界へ踏み出した
婚約者の挨拶でアーサーには、
「まぁ、俺が婚約者になってやるんだ
感謝して従順な妻になれよ」と言われて返事をする事は出来なかった
アーサーとは学園では同じクラス、成績は中の上位、伯爵嫡男と言っても割と貧乏、金髪碧眼、顔もまぁ悪くは無いけど良い人はもっといると言った感じ
今年学園を卒業で18歳になる、ここから急に身長が伸びるとも思えない、私より少し高い位、私だって高い方では無いから男の人にしたら低い方
要するに私の婚約者は中中下なのに、プライドだけは高いのである、婚約は家と家の契約、私の意見なんて関係ないと、両親には言われた
貴族とはそういうもの、そんな両親らは恋愛結婚 当時決まっていた婚約を解消してまで一緒になったんだと、自慢していた・・
解せぬ、
何故両親の尻拭いを子に押し付けるか? 3人兄妹、我が子爵家より家格が上の家の相手でなければ認めないとか、偉そうに言って 父が婚約解消したのは伯爵令嬢で私達の母は男爵家出身 それが悪いとは思わないが、両親のやる事は自分達の事は横に置いて、私達には我慢を強いる これ?おかしくない?
それでも、兄と姉は相手が良かった、なのに何故私だけ・・
なんなら、私は結婚出来なくてもいい、もうおばあ様に相談して養子にしてもらおうと考えている
養子がダメなら、どこかの家に働きに行けないか生活魔法を勉強している途中だ、生活魔法が使えるメイドはあまりいない為
かなりの高給とりだと聞いた。
貴族でなくなるなら、お金は大事な事だわ
「セイラ~、あれ!いいの?アーサー.レイモンド!またあの女と一緒にいるけど?」
学園での昼食の時間、友達のクリスティ.ケイオス伯爵令嬢が窓の外を指さして私に言う
窓の外を見て私もうなずく
「ええ、マリアンヌ.ギモーブ男爵令嬢でしょ? なんでも彼女はアーサー.レイモンド伯爵令息の大事な幼馴染で、先月婚約者になったばかりの私より、先にお昼ご飯は一緒に食べる約束をされているそうです、マリアンヌさんが当然でしょ?と言っていたわ」
「何それ?なんで、婚約者が出来たのに幼馴染優先なの?」
「普通はそうよね?でもアーサー.レイモンド伯爵令息は 帰宅する馬車も帰りに寄るカフェや、休みの日の買い物、観劇も彼女と一緒だと言われたので・・・」
「ええっ!嘘でしょ?それは酷いわよ?いいのそんな事ゆるしてしまって」
「許すも何も、私もそう言われたら 一応確認の為聞いたのよ?婚約者は私ですよね?って、そうしたら彼は
『これからはいつも3人で一緒だ!』とか、もう理解出来ない返事なのよ
だから言ってあげたの私はお邪魔しませんのでお二人でどうぞって」
「えーっ、でもこの婚約って彼方から持ちかけられたんでしょ?」
「そうなの、なぜ?って感じよね 彼女がいるならそちらと婚約すれば良いのに・・
私としたらどうぞ、奪ってくださいって心境よ?」
「誰か婚約するのか?」
銀髪の背の高い男性が昼食を乗せたトレーを隣のテーブルに置いた
「あら?ローレンス久しぶりね」
「ああ、ようやく学校に戻ってこれたよ」
ローレンスは同じクラスで時々お昼を一緒に食べる友達である 隣国からの留学生で用事でひと月ほど国に戻っていた
「で、誰の婚約話し?」
「私なの、変な話し聞かれちゃった?」
ローレンスは驚いた顔をして、
「婚約者に彼女がいる様な内容だったら聞こえたよ?」
私が頭を抱えている間にクリスティが綺麗にまとめてさくっと説明してくれた
その後すぐ、クリスティが他の友達から呼ばれて席を離れたので、すぐ側にはローレンスと2人だけになった
ローレンスは眉間に皺を寄せて聞いてきた
「アーサーか・・・セイラはあいつと一緒になりたいのか?」
私は頭を振りながら
「不幸になる未来しか想像出来ないんだよね」
と、項垂れた
「俺は後,3か月したら 留学は終わりになったんだ、国に戻らないと行けない、その婚約話しは俺がセイラの親に話しを通して破談にしてやるから俺の国に留学するか?」
「ええ?そんな事できるの?破談なら家にはもう帰れないと思うから、留学は無理だと思う、
でも、隣国で私に仕事先を紹介してくれない? これでもメイドの仕事に使う生活魔法は出来るからちゃんと働いて生きていくわ!」
「ああ、いい仕事先があるから安心していいよ、じゃあ決まりだな?」
「よろしくお願いします!ローレンス様!」
「任せておけ」ローレンスはニヤリと笑みを見せた
そうして、 あっという間に婚約は白紙になり この国を離れる日になった
後日 何故かアーサーから「君と結婚して3人で暮らすのを楽しみにしていたのに」と意味不明な手紙が届いた
クリスティからは、落ち着いたら手紙を書いて、困っているなら家にすぐ連絡して?絶対よ?と物凄く心配された
時々お父様が何かいいたげな顔をしてはいたが、結局何も言われず 「今までお世話になりました」と挨拶をして迎えの馬車に乗った
ローレンスはもう既に帰国していると説明を受けた
見た目は飾り気の無い馬車に見えたが,乗ってみると殆ど揺れを感じない 高級な馬車の乗り心地だった
これからただのメイドになるのだからこれが最後の贅沢かな?としみじみ思ったりする
ローレンスの国に着いたのは3日後、普通なら1週間はかかる
ローレンスの馬車は凄いなぁと思った
留学出来るくらいだから、それなりの家がらなのだろう もしかしたら
ローレンスの家で働かせてくれるのかな?
なーんて、甘えてはだめだ!
がんばろ
そんな事を考えながら馬車の窓から外を眺めていると、自然豊かな景色から人の賑わう街並みへと変わり 街を抜けて やがて大きな門の前で止まった
門番が大きな門を開くと、またしばらく馬車は走り、大きな邸宅のまえで馬車がとまった
到着しましたと、御者が扉を開けるとそこには、金髪碧眼の綺麗なご婦人が、
「まぁ、可愛らしいお嬢さんね 水色の髪色もとてもすてきだわ」
そう言って笑顔で迎えてくれた
「お褒めいただきありがとうございます 初めまして、セイラ.ヒリングです よろしくお願いします」
カーテシーをして挨拶をする
「まぁまぁ、良く来てくれたわね、私はハリエット.ターコイズよ、ローレンスから話しは聞いているから、詳しい話は中でしましょうね」
「はい」
セイラは新しい世界へ踏み出した
応援ありがとうございます!
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