恋華

LIZU

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あの事故から1日。

2時間目が終わったちょっと眠くなり始めた時間。
わたしは一眠りしようと机に伏せようとした。
しかしーー

「おい!このクラスに仁科美南っているか?」

(えっ?!)

思いがけない声に思わず心が爆発しそうになった
でも顔をあげる前にひそひそ声が聞こえてくる

「ねぇ!あれってさ?!」
「やっぱりそうだよね!」
「「2年生の芳沢先輩!!」」
周りの女子が一気にざわつき始めた

「でもどうして仁科さん?」

もしかしてーー昨日のこと。
まさか、私を助けてくれた‥人

ここで変わるチャンスなんじゃ‥!
「わっ、私です」

静寂。
そしてーー
「仁科さんって芳沢先輩と仲良いの?!」
「ねぇっ!今度紹介してよ!私のこと!」

周りからクラスメイトに一気に駆け寄られた
初めて話しかけてくれた、と思うと何がきっかけでも嬉しかった
「きっ、昨日ね、ちょっと助けてもらったの」

なんとなくはぐらかしながらその人の所へ向かった

「あっ、あの‥」
(あれっ)
言葉がうまくでてこない。

「仁科さん‥だっけ?昨日は大丈夫だった?」
「はっ、はい!おかげさまで‥」

お礼を、言わなくちゃ。
でてこい、言葉

「そう、よかった
あと昨日これ落としてったよ」

それは私の学生証だった

「あっ、ほんとだ‥わざわざすいませんでした」
「無事でよかった」

先輩はちょっと笑った
その瞬間ーー

顔が、熱い。
なんだろ、この気持ちは‥
言葉にし難い、フワフワしたこの感じ‥

「じゃあな」

そう言って先輩は立ち去ろうとする
(なにか、なにかーー)

「あ‥のっ」

あ。
呼んじゃった

「ん?どうした?」

えっと‥。
「昨日のお礼に何か奢らせていただいてもいいですかっ」

とっさに下を向いてしまう、
自分で思った
なんだこの一言。口実の、冴えない一言。

「‥はははっ!」

顔を上げるとそこには大声で笑う先輩がいた。
「それはお願いしちゃおうかな」

「はい!喜んで!」
私も、思わず笑っていた

(こんなに笑ったのいつぶりだろ‥)

「じゃあ、連絡取れるようにさ、LINE、交換しよーぜ」
「えっ、いいんですか‥?」
「じゃないと、俺に奢れねーよ?(笑)」

「‥お願いします!」
今度はちゃんと口角持ち上げて、きれいに笑えた
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