一般人になりたい成り行き聖女と一枚上手な腹黒王弟殿下の攻防につき

tanuTa

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1章

36,大義と利益


 知恵を借りたい。
 はて、何についてだろうか。

 小春は真剣なモルガンを手前にそんなことを思っていた。
 話はもうまとまっているではないか。小春のでる幕はないとたった今結論づけたばかりだというのに。

「大した知恵は持ち合わせていないので、力になれるかは内容によるかと」
「うむ。内容というのは被害を受けた貧民街の住民たちについてだ」

 あぁ。確かに何も話題に出ていなかった、とようやく思い出す。
 
 恐らく、モルガンたちも厄介な内容だけに後回しにしていたのだろう。

 やらなくてはいけないことは大きく分けて2つだ。
 まずは、被害を受けている人々の治療。そして何より、モネール川にはいまだ魔素廃棄物が含まれていることを考えると、川の水を使わせないようにしなければならない。

 前者は、治癒魔法が使える人を見繕えば可能だろうが、後者はなかなかに骨が折れる。

 なぜなら、貧民街においては主軸となっているモネール川を使うなといきなり言わねばならないからだ。しかも、詳しい理由も何もなしに。

 川の水を使ってはいけない理由を言ってしまえば、いらぬ混乱が生まれかねない。そのため、具体的な内容を伏せて「川の水を使うな」と言わなければならないのだが、それを貧民街の人々が素直に受け入れるかどうか。
 受け入れさせるには、川の水を使えないかわりに代替できるものを用意しなければならない。

「川の水を使わせないようにするのであれば、こちら側が水を当面の間工面する必要がある。が、住民の治療費のこともあるしの。あまり現実的な話をすると、難しい部分は多いのだよ」

「……そうですね。それに、貧民街の人々がモネール川という不吉な川から水を見繕っている状況がそもそもあまりいいとは思えない。長期的な目線で見るなら、この状況に肖って、モネール川以外の水が常に得られるようにする方が、万が一同じことが起きても被害を避けられます」

「なるほどね。確かにモネール川に水を汲みにいかなくても別の水源があるからこれからはこっちの水を使ってね、という方が余計な混乱もなく、自然な流れで川の水を摂取させないようにはできるだろうし」

 小春の言葉にリュカも賛同するように頷いた。モルガンはというと、難しい顔をしたままである。

 貧民街の人々も、魔獣の森から流れる水を使いたくて使っているわけではないだろう。もし、べつに水を得られるということが分かれば、川の水を使おうとすることもなくなるだろう。

 実現できればかなり建設的にもかかわらず、モルガンが難しい顔をしているのはおそらく。

「それができれば確かに理想的な話だ。──別の水源というものを用意できるという前提がまかり通ればの話だが」
「そうなんですよねぇ。別の水源を住民たちに提示できなければこの話は成り立たない」

 別の水源。いうのは簡単だが、実際はなかなかに難題だ。

 歴史をたどれば、もともとルイストンはモネール川を中心に発展した都市だったとマルセルが言っていた。

 しかし、ルイストンは発展し、土地開発していく過程でそのモネール川が魔獣の森から流れている不吉な川だったことが分かると、人々は恐れ、忌避していった。そしてその結果、港町に広大に広がる海から水を抽出する術を身につけ、ルイストンはモネール川を捨てた。

 モネール川を捨てるということは、当時のルイストンと同じように代替できる水源を編み出さなくてはならない。
 しかし、過去に一度できているなら今回もできない道理はない。 

「そこで一つの提案なんですが」
「……提案?」
「井戸を作るのはどうでしょう」
「ほう。井戸とな」

 我ながら良い案ではないだろうか。
 井戸といえば日本では昔からあるし、よく海外で活動するボランティアの人が井戸を作る特番みたいなのもテレビで見たことがある。

 ということはだが、比較的低コスト且つ簡易的に作ることができるのではないだろうか。作ったことがないからなんとも言えないが。
 それに、ルイストンを散策してみて気づいたことだが、この街には井戸が見当たらないのだ。恐らく井戸を掘るという手間をかける必要がなかったからだろうが。

 小春の提案に何かを考えるように目を細めるモルガン。

「井戸があれば、貧民街の人々はわざわざ不吉な川かの水を使おうとは思わないでしょう」
「なるほど。それは確かに素晴らしい話だ」

 モルガンは目を閉じ、淡々と小春の言い分を肯定した。ただ、そこにいたのは陽気な老人ではなく、この部屋に入ってきたときに感じた厳格な雰囲気を再びまとっていた。

「──だが、それはあまり現実的ではない」
「……」
「まず、井戸を作るためには時間と労力とコストがかかる。しかも、貧民街に水を行き渡らせるのであれば、井戸は1つどころか複数作る必要もあるじゃろうて。果たしてそれをたかが一存でできるかの。……わしとて、貧民街のことはどうにかしたいと思うておるが、それだけで動けるほど現実は甘くない」

 モルガンの瞳は領民に対する慈愛と、非現実的に語る小春に対する軽蔑を含めているように思えた。
 恐らく、モルガンが今までずっと葛藤してきたことであり、その非条理さは誰よりもわかるのだろう。

 理想と現実は違う。それだけの話を。

 だからこそ、モルガンには非条理さを軽視しているようにもみえる小春はさぞ滑稽にも映っていることだろう。

「お嬢さん、これは忠告だが。理想を語るだけなら語らないほうが良い。現実は酷く無情だ。行動を起こすことによって得られる利益と大義がなければ、のだよ」
「道理ですね。大いに同意します」
「………なに?」

 軽蔑的とも捉えられる言葉に対し、特に気にする様子もなく軽く肯定してみせた小春を探るように見つめるモルガン。

「まぁ、夢を叶えるのにはお金がいるといいますからねぇ。どの世界も総じて世知辛い世の中というか」
「……それを理解していてなぜそんな提案を──」
「もちろん、があるからです」 

 至極真っ当なことを言うかのように芯のある声色を発した。
 言葉を遮られたモルガンはピクリとたじろぎ、小春の次の言葉を待った。

「今回、ルイストンの領民の被害を防ぐためってのが大まかな大義なわけです。で、この大義の元行う事業ってのがなんであれ、それなりの体裁を整えなければならない。これが所謂利益ってことですね。もちろん利益無しでやれないことはないですけど、その場合はただの慈善事業ですから」
「ならお嬢さんはその体裁を整えられると思っておるという事か」
「いえいえ!そんな大層なことはできないですよ。私のはあくまでただの平民目線の案ですから」

 小春は慌てて首を横に振って否定した。
 たかが大学生ごときに施策やらの立案などできるわけもない。

「試しに考えれてみればいいんですよ。えーっと、井戸を作るのにはまず人件費がいります。さて人件費を浮かせるためにはどうしたらいいでしょう、とか」
「貧民街の住民を労働力とする」

 小春の質問に答えたのはモルガンではなく、今の今まで黙っていたリュカ。
 求めてもいない相手に答えられたことに苦笑いを浮かべる。

 これまでもそうだったがリュカと小春は基本的に考え方が似ている節がある。それで今回も小春の考えていることを読めたのだろうが。それはそれで腹立たしいというべきか。

「はい、まあそうですね。普通の大工だったりに依頼するよりも安価に雇うことができる」
「……井戸を作っている間はどうする。その間、モネール川の水を飲むことになれば意味がない」

「それこそ、労働の対価を水や食料にしてしまえばいいんです。彼らは貧民街に住んでいるというだけで働き口も限られ、日々の食事すらままならない。井戸を作ることでそれを保証し、さらに完成すればモネール川に頼らなくていいオプション付き。さすがに見向きもしないことはない、そう思いませんか」

 小春の意見はモルガンにはない考えだったのか、目を見張ったままなにやら考え込んでいた。
 もう一押しといったところか。

 本来はこんなこと言う義務も権利もないような気もするが。

「リュカ様」
「ん?」
「なんの知識もない貧民街の住民が井戸を作るのは可能ですか?」    
「そうだなぁ、彼らだけなら難しいだろうね。きちんと知識を持った現場監督なんかがいれば話は別だけど」

 横で澄ました顔で立っているリュカに確認をとると、小春の質問は予想していたのか驚く様子もなく答える。

「じゃあ、一度指示の下井戸を作れば、彼らだけでも井戸を作れるようになりますか?」
「……。なる、だろうね。ただ、例え作る技術があっても作るためのコストや資源がないことが多い」

 リュカが小春の考えを予測しているならば、もう探るような質問をする必要はない。そう判断して直球に尋ねると、りゅ楽しそうに目を細めて微笑んだ。

 つまり、井戸を作る事自体はそこまで難易度高くなく、それこそ底ら辺の土木業を生業にしている者たちには何てこともない。が、その彼らに依頼するほどの費用がなく、水不足な地域は放置されている。

「ルゥセラールさん、事業を始めてみませんか?」 

 結論がまとまった小春は、黙り込んだままのモルガンにニッコリと笑う。

「事業?」
「はい。井戸を作るっていうのにもそれなりのコストがかかりますよね。それをルゥセラールさんっていう信頼の置ける領主公認の井戸業者が水不足に悩んでいる地方に出向いて安価で作りますよーっていう」
「………」
「人件費はなんと貧民街の方なので、委託するよりは安くすみます。そして、国1番ぐらいにルイストンの経済を潤わせた手腕を持つルゥセラールさんが、水に困っている人を助けるかわりになんかいい感じに利益をもぎとる」

  怪訝そうに小春を見ていたモルガンの表情が徐々に緩和していき、驚いた顔を浮かべていく。
 ちなみにこの案は小春目線かなり良い案だとは思っているのだが、ひとつ大きな穴がある。というのも──。

「はははっ!!」

 唐突に上機嫌な笑い声が部屋に響きわたった。
 笑い声の放っていたのは小春の前方に座っているモルガンであり、その様子は先ほどとは打って変わって、何か吹っ切れたような清々しさがあった。

 突然の変わりように小春はあっけにとられる。

「いやはや!すまない、お嬢さんの事を見くびっておったよ。存外食えない方のようだ」
「えぇと、どうも?」

 何が言いたいのかわからず、生返事をしながら首を傾げる。

「貧民街の住民に水を提供するだけでなく、職も提供しようという考え。しかも他の貧困している地域への救済まで見据えている。わしがずっと抱えてきた問題の根本から解決させようとはなかなかに大きく出たものよ」
「あぁ。…そうですかね?」
「そして最後にはその特大プロジェクトを行うための利益はわし本人でもぎ取れなどと丸投げする始末。この死にぞこないの老体を最大限に使おうなどとは恐れ入った」
「それは大変失礼します」

 モルガンの指摘に心当たりがありすぎる小春は即答で謝る。

 つまりは大きな穴とはそのことだ。貧民街の人間すらも想うモルガンだからこそ、その貧民街の人々が一網打尽に救われるような案に食いつかないわけもない。
 
 そう思って言ってみたはいいが、利益を見込むためにはどうしてもモルガンの力量に頼るような形でしか提示できなかった。

「しかし、素晴らしい。モネール川の水を使わせないための話が、貧民街を無くそうという話まで広がるとは思わなんだ。貧民街の消滅、多少希望的観測があるにしろ、ここまで現実的に見えるとはな…」

 モルガンの目はどこか遠くを見つめているようだった。

 彼は正当な領主なのだ。モルガンの纏う空気や瞳の色でわかる。ルイストンの領民が等しく平和に暮らせるように粉骨砕身の思いでやってきたのだろうと。

「利益は確かにルゥセラールさん頼りな提案ですけども、それを無しにしても得られるものはありますよ」
「ああ、彼らが自らの足で歩めるようになる。搾取されるだけの存在はこのルイストンから実質上いなくなる」
「はい。それがどういう意味を持つかわかりますか?」

 憑き物が落ちたようなモルガンをまっすぐ見つめた。
 本来は、小春が一番言いたかったことだ。

「搾取されるだけ、自分の意思を持てなかった貧民街の人たちが職を得て、したいことをするためのお金や余裕が生まれる。つまり、彼らは真の意味でルイストンの領民になるということ。つまり、買いたいもの買い、売りたいものを売る、その担い手が増えるんです。需要と供給は格段に上がる。需要と供給が増えるということはお金が動くということです。そしてお金が動けば、ゆくゆくはルイストンの経済は回り、潤っていく」
「!」
「それは。彼らを救う大きな利益になるのではないでしょうか」

 最高にして、最大の利益。特にモルガンのような人間にとっては代えがたい体裁が整う。

 ど素人の小春が考えたことなので、詳細はがばがばの理想論も含んだ提案だ。今言ったように全てがすんなりいくようなことはあり得ない。
 それでも、モルガンには、ルイストンの領主にはきっとこれ以上にないほどの利益が得られる。

   
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