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第9話 耳かきされながら、推しとお話しました。
しおりを挟む「ところでアルフィエット様。私に聞きたい事があるとおっしゃっていませんでしたか? 良ければ今、耳かきしながらお答えしますよ」
「ふえっ!? この状態で!? えっと......! じゃあ他の聖剣を呼び出す方法をお願いしましゅ!」
気持ち良すぎて呂律が回らない。
「はい、いいですよ。では説明しますね。剣精霊の召喚にはマナと呼ばれる、生き物の持つエネルギーが必要です。これは成長と共に溜まっていき、アルフィエット様には十八年分のマナがありました。通常の剣精霊を呼び出すには、一年分のマナが必要になります。ですが聖剣はその十倍。十年分のマナが必要です」
「じゅ、十倍......!? って事は、私は十八年分のうち、十年分をエクスカリバーに使ったって事? じゃあ後二年経つまで、もう呼び出せな......ふあっ、そこ、らめぇーっ」
耳の奥、気持ちいいっ......!
「ふふっ、可愛いですねアルフィエット様は。大丈夫ですよ。モンスターを討伐した際に、奴らの体内から魔石という物が取れます。これは一個で一か月分のマナを補充出来るので、これを集める事で、また召喚が可能になります」
「モンスター? 魔族とは違うの? ひああっ」
「魔族は高い知能を持ち、大陸の各地に隠れ住んでいます。夜にのみ行動する種族で、人間を食料とする残忍な連中です。モンスターは大陸の各地にあるダンジョンにのみ存在します。知能は低いですが、宝を守る本能で侵入者を排除しようとします。魔石はこのモンスターの方から獲得出来ますよ。はい、耳かき完了です」
終わってしまった......私は残念に思いながらも体を起こし、ベッドに腰掛けるエクスカリバーの横へと座る。
「なるほど......ボードギアスの人達も私にダンジョンの宝を取って来て欲しいみたいだし、ダンジョンに行けば一石二鳥って訳だね!」
「ええ、その通りです。彼らの目的は世界平和だと言っていましたね。本当かどうかは怪しいですが......ダンジョンの財宝を平和の為に使うとの事。ならば【破滅の魔女】を討伐して世界を守ろうとする私達と目的は一緒です。彼らの力を借り、ダンジョン攻略に勤しみましょう」
「はい! 頑張ります!」
その時「ぐきゅるー」っと私のお腹の虫が鳴る。
「あ、あはは......ごめんなさい」
さっき朝食を食べたばかりなのに......私は恥ずかしくなってうつむいた。
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