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第10話 勝負は早いもの勝ち。
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「久しぶりだなミーナ! お前も転生してたんだな。 だが悪いが、このクエストは私がもらう! SSS級じゃないと、こなせない依頼なんでな!」
ホムラ......相変わらず粗野な話し方だ。男勝りというか、なんというか。美人なのに勿体ない、といつも思う。だけど勇者様......ユークリウッドは、そんな彼女が好きだったんだろう。
「そんなに大きな声で言わなくても聞こえてるって。じゃあなんで一年もほったらかしにしてたのよ。私はSSS級にランクアップしたいの。その為にはこのクエストをこなす必要がある。譲れない」
「なんだとぉ! お前、今日初めて顔出したらしいじゃないか! 今G級じゃないのか?」
目玉を丸くして驚くホムラに、私は肩もみ中のノーマンを紹介した。
「彼と決闘して、等級を交換したの」
ホムラはノーマンを見て、言葉に詰まった。そしてようやく声を絞り出す。
「ノーマン! ちょっ、おまっ、アホか! ミーナに勝てる訳ないだろ! こいつは前世じゃあ私と同じくらい強かったんだ! レベル99だったんだぞ! いくらレベル1になってるって言っても、そのステータスとスキルは完全に受け継がれる! 戦闘経験も豊富だし、無理だ! こいつと張り合えるのは私だけさ!」
「はは......そうですよねぇ」
ノーマンは乾いた笑いをこぼす。
「ったく、知らないってのは怖いねぇ! んじゃミーナ、お前は今SS級って訳だ」
「そうよ。だから譲って。どうしてもランクアップしたいの」
「なるほどな。また昔のように、私と張り合いたいって訳だ」
「うん。そうなの。譲ってくれる?」
「だが断る!」
「ええー!?」
私はホムラに抗議しようとしたが、彼女の顔は真剣だった。
「私が一年間、この依頼を達成していなかったのには訳がある。このサキュバスは巧妙でね。なかなか正体が掴めずにいたんだ。それで一度キャンセルしちまった依頼なのさ。だけど、ようやく尻尾を掴めそうなんだ。今度こそ、この依頼を達成したい。これは私の意地だよ」
「そうだったの......」
ホムラの熱意を理解した私は、それ以上何も言えなくなってしまった。
「おい、お前ら。俺から提案がある。基本的に依頼を受けられるのは一度に一パーティだけだ。そんなにやりたいなら、パーティ組んだらいいじゃねぇか。暫定でもいいんだからよ」
ギルドマスターが笑顔を浮かべる。彼は見た目によらず、争いが嫌いらしい。
「ふむ......そうだね。よしミーナ、私とパーティを組もう。もしお前がサキュバスにトドメを刺せたら、ランクアップの権利をやるよ」
「ええー? でもホムラ、これ以上ランクアップ出来ないじゃん。私に譲ってよ」
「まぁ、お前の言う事にも一理あるけどな......だが断る!」
「なんでよぉ!」
「私のプライドだ。情報は提供してやるが、獲物を仕留めるのは早い者勝ちさ。さぁ、もう出発するよ! おいでイグニス!」
ホムラは依頼書をむんずと掴み取り、従魔である赤豹のイグニスを引き連れて出口へと歩いて行った。
「ちょっ、待ってよ!」
私は残っていたビールをぐいっと飲み干し、ノーマンに肩揉みのお礼を言って、ホムラの後を追った。
ホムラ......相変わらず粗野な話し方だ。男勝りというか、なんというか。美人なのに勿体ない、といつも思う。だけど勇者様......ユークリウッドは、そんな彼女が好きだったんだろう。
「そんなに大きな声で言わなくても聞こえてるって。じゃあなんで一年もほったらかしにしてたのよ。私はSSS級にランクアップしたいの。その為にはこのクエストをこなす必要がある。譲れない」
「なんだとぉ! お前、今日初めて顔出したらしいじゃないか! 今G級じゃないのか?」
目玉を丸くして驚くホムラに、私は肩もみ中のノーマンを紹介した。
「彼と決闘して、等級を交換したの」
ホムラはノーマンを見て、言葉に詰まった。そしてようやく声を絞り出す。
「ノーマン! ちょっ、おまっ、アホか! ミーナに勝てる訳ないだろ! こいつは前世じゃあ私と同じくらい強かったんだ! レベル99だったんだぞ! いくらレベル1になってるって言っても、そのステータスとスキルは完全に受け継がれる! 戦闘経験も豊富だし、無理だ! こいつと張り合えるのは私だけさ!」
「はは......そうですよねぇ」
ノーマンは乾いた笑いをこぼす。
「ったく、知らないってのは怖いねぇ! んじゃミーナ、お前は今SS級って訳だ」
「そうよ。だから譲って。どうしてもランクアップしたいの」
「なるほどな。また昔のように、私と張り合いたいって訳だ」
「うん。そうなの。譲ってくれる?」
「だが断る!」
「ええー!?」
私はホムラに抗議しようとしたが、彼女の顔は真剣だった。
「私が一年間、この依頼を達成していなかったのには訳がある。このサキュバスは巧妙でね。なかなか正体が掴めずにいたんだ。それで一度キャンセルしちまった依頼なのさ。だけど、ようやく尻尾を掴めそうなんだ。今度こそ、この依頼を達成したい。これは私の意地だよ」
「そうだったの......」
ホムラの熱意を理解した私は、それ以上何も言えなくなってしまった。
「おい、お前ら。俺から提案がある。基本的に依頼を受けられるのは一度に一パーティだけだ。そんなにやりたいなら、パーティ組んだらいいじゃねぇか。暫定でもいいんだからよ」
ギルドマスターが笑顔を浮かべる。彼は見た目によらず、争いが嫌いらしい。
「ふむ......そうだね。よしミーナ、私とパーティを組もう。もしお前がサキュバスにトドメを刺せたら、ランクアップの権利をやるよ」
「ええー? でもホムラ、これ以上ランクアップ出来ないじゃん。私に譲ってよ」
「まぁ、お前の言う事にも一理あるけどな......だが断る!」
「なんでよぉ!」
「私のプライドだ。情報は提供してやるが、獲物を仕留めるのは早い者勝ちさ。さぁ、もう出発するよ! おいでイグニス!」
ホムラは依頼書をむんずと掴み取り、従魔である赤豹のイグニスを引き連れて出口へと歩いて行った。
「ちょっ、待ってよ!」
私は残っていたビールをぐいっと飲み干し、ノーマンに肩揉みのお礼を言って、ホムラの後を追った。
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