11 / 105
幼児編
報告
しおりを挟むとりあえず、カイお兄ちゃんが桁外れにすごい人だってことは分かった。
なら、リンさんやサキさん、ダイさんやリクさんはそういうのに慣れてるよね。
5歳児がフランス語の本読んでたり、大学で学ぶような専門的な勉強をしてても何とも思われないかも!
むしろ、なんだ、この程度か、って感じになるかもしれない。
じゃあ、堂々とみんなの前で勉強できるね。
5歳児を演じる必要はないんだ。
密かに胸をなで下ろす私に、リンさんが言う。
「ところでソラ様、カイ様がお帰りになられましたよ。」
え、早くない!?
今は3時半。
まあ、小学一年生の帰宅時刻ってこのくらいだった気がするような・・・
「カイお兄ちゃん、今玄関にいるかな?」
「ええ、いらっしゃいますよ。会いに行かれますか?」
「うん!」
部屋を出て、急いで玄関に行くと、ランドセルを下ろしたカイお兄ちゃんがいた。
「カイお兄ちゃん!お帰りなさい!」
駆け寄るとカイお兄ちゃんはそっと目を細めた。
「ただいま、ソラ。その服似合ってるね。かわいいよ。」
お兄ちゃんがさっき着替えた服を褒めてくれた。
私が妹だからなのかもしれないけど、カイお兄ちゃんは褒めるのが上手いなあと思った。
これで美少年なんだから、きっと将来はモテモテなんだろうな。
そう思いながらカイお兄ちゃんの美貌をじっと見ていると、不意に脇に手を入れられた。
そのままヒョイッと体が宙を浮く。
「うわあっ!!」
「ソラは軽いね。その服を着ているとなんだか妖精みたいに見えるよ。」
ふんわり笑って眩しそうに私を見上げるカイお兄ちゃん。
これはいわゆる、高い高いというやつでしょうか。
前世も含めて初めてされたよ、こんなこと。
この浮遊感、癖になっちゃいそう。
「カイお兄ちゃんも、制服着てもかっこいいね!」
カイお兄ちゃんは学校に行く直前でジンから制服に着替えていた。
時間がなかったので朝は伝えられなかったんだけど、すごくかっこいい。
勿論、ジンを着ている時は凛々しくてかっこいいんだけど、制服だとまた違った良さがある。
「ソラ、今日は何してたの?」
私を床に下ろしてから、カイお兄ちゃんは尋ねる。
「えっと、家の中を見て回った後は、ずっと図書室にいたの。それでついさっき、リンさんとサキさんが呼びに来たからお部屋に入ってみたの。すっごく良い部屋だったんだよ!あ、カイお兄ちゃん、あのお部屋、私に使わせてくれてありがとう!」
自分の今日の行動を思い出しながら報告する。
うん、思い返してみれば、充実していて良い一日だったな。
カイお兄ちゃんはというと、なぜか困惑していた。
「ソラ、ずっと図書室にいて何してたの?」
「え、本を読んでたんだけど・・・」
図書室ですることなんて、本を読むくらいだろう。
なぜそんなことを尋ねられたのか不思議だったけど、とりあえず答えた。
するとカイお兄ちゃんはますます困惑した表情になって、私の手をとった。
「ちょっと来て。」
そのまま手を引かれてカイお兄ちゃんの後についていく。
私、なんかやらかしちゃった?
広がる不安を押さえつけて進む。
たどり着いた先は、図書室だった。
「ソラはどの本を読んだの?」
さっきと変わらず優しく暖かいお兄ちゃんの声と表情に、とりあえずダメなことをしたわけではなさそうだと安心する。
さっき私が読んでいた本は・・・
私、かなり長い時間図書室にいたんだよね。
そうだ、前世では本の読み過ぎと勉強のしすぎで視力が落ちちゃったんだ。
今回はそうならないように気をつけないと。
そんなことを思いながら私は目指す棚にたどり着いた。
「とりあえず、力について確認しておこうかなと思って。今日読んだのは、「朱雲家の歴史」と「能力者の歴史」、「能力者の力と術」、「使役獣」、「妖怪とは」、「能力者の名家一覧とその歴史」って言う本の6冊を読んだよ。全部手書きだったし、一冊一冊がけっこう分厚かったから読むスピードが遅くなっちゃったんだけど・・・それがどうかしたの?もしかして、読んじゃいけない本だった?」
読んじゃいけない本とかって、あるのかな。
もし今日読んだ本がそうだったらどうしよう・・・
チラリとカイお兄ちゃんをの顔を伺うと、カイお兄ちゃんは目を丸くしてた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜
具なっしー
恋愛
日本で暮らしていた23歳喪女だった女の子が交通事故で死んで、神様にチートを貰い、獣人の世界に転生させられた!!気づいたらそこは森の中で体は15歳くらいの女の子だった!ステータスを開いてみるとなんと白鳥兎獣人という幻の種族で、白いふわふわのウサ耳と、神秘的な白鳥の羽が生えていた。そしてなんとなんと、そこは男女比が10:1の偏った世界で、一妻多夫が普通の世界!そんな世界で、せっかく転生したんだし、旅をする!と決意した主人公は絶世の美女で…だんだん彼女を囲う男達が増えていく話。
主人公は見た目に反してめちゃくちゃ強いand地球の知識があるのでチートしまくります。
みたいなはなし
※表紙はAIです
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
転生してもオタクはなおりません。
しゃもん
恋愛
活字中毒者である山田花子は不幸なことに前世とは違いあまり裕福ではない母子家庭の子供に生まれた。お陰で前世とは違い本は彼女の家庭では贅沢品でありとてもホイホイと買えるようなものではなかった。とは言え、読みたいものは読みたいのだ。なんとか前世の知識を魔法に使って少ないお金を浮かしては本を買っていたがそれでも限界があった。溢れるほどの本に囲まれたい。そんな願望を抱いている時に、信じられないことに彼女の母が死んだと知らせが入り、いきなり自分の前に大金持ちの異母兄と実父が現れた。これ幸いに彼等に本が溢れていそうな学校に入れてもらうことになったのだがそこからが大変だった。モブな花子が自分の願望を叶えて、無事幸せを握り締めるまでの物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる