能力者は正体を隠す

ユーリ

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高校生編 4月

昼食会

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ダイが作ってくれたおいしいお弁当を堪能しつつ、頭に蘇るのはつい先日のできごと。
屋上で見つけた、力の暴走で苦しんでいる男子生徒。ネクタイの色から見て、二年生だ。

カイお兄ちゃんからの情報で、光陰部に一人だけ、属性を持っていない生徒がいると知っていたから、すぐに彼がそうなのだと分かった。

紫月、司。

とても苦しんでいて、思考もままならない様子。
これなら、私が助けても後で覚えている可能性は低いんじゃないかと思った。

私の力を彼の体の中に流し込んで、荒れ狂う力と同調させた。
そして力を鎮め、そのまま私の力の一部を分け与えた。

といっても、私からすれば大した量じゃない。
でも、ああすることでもう、彼は力の暴走を起こさないようになった。

そもそもあの力の暴走の原因は彼の力の質によるものだ。
いわば、力の個性。
その個性を私の力で薄めてあげれば、彼が持つ力の大きさこそ変わらないものの、暴走は二度と起こらないようになる。

落ち着いた彼の力が属性に目覚めるのを見届けてから私はその場を去った。
気を失っていたし、私のことは覚えていないだろう。

「それでは、解散。」

学年主任の先生の声に私ははっとする。

ああ、しまった、やってしまった・・・
今私は各クラスの学級委員が集まる昼食会にいた。
来週に迫った歓迎遠足についての打ち合わせだったのに、考え事をしていて全部聞き逃してしまった!

どうしよう、今から先生に聞き直したら失礼な子だと思われる。
ここは、他のクラスの学級委員の子に聞こう。
3人いる学級委員の中から親切そうな雰囲気の男子生徒に狙いをつけ、近寄った。

「あの、すみません。」
「はい、何ですか?」

振り返った彼は水色の髪に水色の澄んだ瞳を持っていて、優しそうなその目にこの人に声をかけて正解だったと思った。

「えっと、私ボーッとしてて聞き逃しちゃって、もしよければ、その、教えてくれませんか・・・?」

我ながらかなり失礼な人だ。
彼はそんな私に呆れもせずにっこり笑って対応してくれる。

「もちろん。」

そうして私は無事、連絡事項をクラスに持ち帰ることができた。
まあ、クラスメートは相変わらずよそよそしいままだけど。

そういえば、さっきの水色の髪の人、土の力の気配がしたような・・・
ひょっとして、光陰部だったり、したかも・・・

また接触しちゃった・・・
まあ、親しくなったわけでもないから、大丈夫だろうけど。
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