能力者は正体を隠す

ユーリ

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高校生編 7月

犬猿の仲?

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「オレの邪魔をするとは、良い度胸だな?青竹。」
「べっつに?テメェの邪魔してるわけじゃなくて、単にコイツと話したいだけなんだけど。自意識過剰なんじゃねぇの?」

・・・どうしてこうなった。

ライオンvs狼。
そんな構図が頭の中を踊る。
・・・っていうより、犬猿の仲?
どっちが犬でどっちが猿かを決めるのはやめておいたほうがよさそうだけど、見るからに相性の悪そうなこの二人。

「それを邪魔っていうんだよ、1年坊。」

低い声で威嚇するライオンは、当然富金原先輩。

「あぁ?知んねぇよ、んなもん。とりあえず、コイツもらうぞ。」

敵意むき出しの狼は、青竹くん。

「え?あ、え?」

現実逃避気味に思考を飛ばしていたら、グッとおなかに腕が回された。
そのままこう・・・グッと腕に力が入って。
おなかまわりに圧迫感を感じると同時に、浮遊感。
視界が一気に高くなって、私は唖然とした。

「・・・え?」

傍から見れば、私が青竹くんに俵担ぎされているように見えるだろう。
・・・実際そうだけど!

「ちょ、あ、青竹くん?何してるの!?」

いきなりのことに冷静さをかなぐり捨てて叫び気味に問う。

「何って・・・拉致ってる?」

拉致ってるって・・・
あまりにも堂々とした拉致宣言に目を向いてしまう。

「拉致・・・っていうか、これ結構きついから下ろして。」

おなかまわり苦しいです。
お昼に食べたお弁当の中身が出てきそう。
ぺちぺちと彼の背中をたたくと、ただ一言。

「我慢しとけ。」

・・・マジですか。
そのまま青竹くんは歩き出す。
チラリと富金原先輩の様子をうかがうと・・・

グググッと寄せられた眉間。
引き結ばれた唇。
茶色の瞳は細められ、まっすぐに私を・・・いや、青竹くんを睨みつけている。

・・・不機嫌そうだ。
後が怖い。
関わらないにこしたことはないけれど、なんだかもう手遅れな気がしてきた。
今の段階で光陰部のほとんどと関わってしまったから。

私が気を緩めなければいい・・・のかな?

やれやれ、と心の中で溜息をついた。

・・・ところで青竹くん。
この体勢、いつまで続くの?
そろそろ限界なんだけど。
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