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高校生編 7月
ずるさとやさしさ
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「私、は・・・」
一体、何を言おうとしているんだろう。
言うことも分からないままに、口を開いてしまった。
それでも、先輩が、優しい目をしているから、口が勝手に動いてしまう。
「人に頼るのが苦手だと、この頃気付きました。」
「知っている。」
ほんと、何言ってるんだろう、私。
それにこたえてくれる先輩も変だ。
「先輩に隠し事とか、平気でできます。」
「そうか。」
命のこととか、最後まで黙っているつもりだから。
「バカで、考えが足りないから、もういろんな人に私の能力のこと、ばれてしまったし。」
「・・・・・・そうか。」
少し間が置いて呟かれた『そうか』の一言に、『大丈夫だ』まで入っている気がするのは、私だけ?
都合のいい解釈ばかりしそうになる。
だから、こんなバカなこと言ってるんだ。
「でも、隠すのが、辛く、なったら。先輩に、話を聞いてもらっても、いいですか?」
顔がうつむきがちになる。
頼れ、と言われたのに、話を聞いてもらいたい、だけで返事とする私はずるいのだろうか。
そうかもしれない。
だけど、もしそうなら、きっと。
「もちろんだ。いつでも話、聞いてやる。」
紫月先輩は・・・とても、優しい人だ。
一体、何を言おうとしているんだろう。
言うことも分からないままに、口を開いてしまった。
それでも、先輩が、優しい目をしているから、口が勝手に動いてしまう。
「人に頼るのが苦手だと、この頃気付きました。」
「知っている。」
ほんと、何言ってるんだろう、私。
それにこたえてくれる先輩も変だ。
「先輩に隠し事とか、平気でできます。」
「そうか。」
命のこととか、最後まで黙っているつもりだから。
「バカで、考えが足りないから、もういろんな人に私の能力のこと、ばれてしまったし。」
「・・・・・・そうか。」
少し間が置いて呟かれた『そうか』の一言に、『大丈夫だ』まで入っている気がするのは、私だけ?
都合のいい解釈ばかりしそうになる。
だから、こんなバカなこと言ってるんだ。
「でも、隠すのが、辛く、なったら。先輩に、話を聞いてもらっても、いいですか?」
顔がうつむきがちになる。
頼れ、と言われたのに、話を聞いてもらいたい、だけで返事とする私はずるいのだろうか。
そうかもしれない。
だけど、もしそうなら、きっと。
「もちろんだ。いつでも話、聞いてやる。」
紫月先輩は・・・とても、優しい人だ。
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