27 / 37
冬の章 そしてわたしは
3、あっちもこっちもざわざわざわ
しおりを挟む
「えっ……?」
ノイ君は真顔だった。……いや違う。ちょっと眉毛が寄っているから、ちりちり怒ってる……かも。
「コオリのところには相変わらず顔出すくせに、なんで俺のとこには来ないの。見てないってこと?」
個人配信の話だというのはすぐにわかった。
クリスマス以来、ノイ君は変わらず精力的に個人配信をしている。タイミングが合う時には見ていたけれど、コメントは控えていた。
理由は単純。気まずかったから。どのツラ下げてって……思うじゃん。平気なふりしてコメントしに行って、気にかけてもらえなかったら凹むのわかりきってもいたし。
「見てる時もあるけど……だって……」
「ふくちゃんはみんなに公平なマネージャーなんでしょ? だったら俺のところにも『にんじん』としてコメントしてよ」
「……ほしいの? コメント」
その問いかけに、ノイ君は「わかんない」と曖昧な返事だった。
「ふくちゃんがこだわってる『公平』ってやつを貫いてほしいだけ」
「──そっか、そうだね。……わかった」
ノイ君は小さく「よろしく」とつぶやくと、ぽりぽりと頭をかいて、お守りの方へと意識を向けた。
……もしかしたら、ノイ君もわたしと同じで、距離感がつかめないのかもしれない。恋をはじめなかった2人の、適切な仕事仲間としての距離を。
「──あの」
「ぅわっ!!」
不意に背後からコオリ君の声がかかって、わたしもノイ君も肩をふるわせた。わたしなんてびっくりして、ちょっととんじゃったよ。振り向くと本当にすぐそばにコオリ君が立っていて、一体いつから……とドキドキ胸が鳴り始める。
足音消しすぎでしょう!
──まさか、わたしが『にんじん』ってところ、聞こえてないよね……?
そのあたりを探りたかったけれど、コオリ君のフラットな表情からは何の感情も見えない。「もう決めましたか?」と言いながら、わたしの脇へとまわりこみ、ずらりと並ぶお守りを眺め始める。
「やっぱり『大願成就』ですかね」
「それもいいけど『健康第一』も捨てがたいよね。インフル怖いし」
ノイ君とコオリ君がわたしを挟んでしている会話に、おかしなところは何もない。すぐにおいちゃんもやってきて、結局みんなで『大願成就』のお守りを買った。
それはいつもと同じ平和な冬の1日。
──そう思ってたけれど。
◆
その週の土曜日。オールスタートーナメントの一回戦は、ノイ君とコオリ君は勝って二回戦進出。でもおいちゃんが負けてしまって、ステファンゲーミング全員が勝ち上がりというわけにはいかなかった。
「あー悔しい……」
おいちゃんが目元赤くしながら、ビールを一気に飲み干す。
ここは新宿にある海鮮居酒屋。トーナメントが終わってからみんなは「飲みに行こう」という話になっていて、わたしも連行された。最初は遠慮したんだけれど、珍しくコオリ君に「行きましょう」と背中を押されたんだ。
通されたのは掘りごたつの個室だったから、隣に座るおいちゃんは人目を気にせず管を巻いている。由加子ちゃんが見たら、相当心配するか怒るかっていう姿だ。
それを苦笑いとともに慰めつつ、わたしは向かいに座るコオリ君の表情を伺った。彼はいつも通り顔色を変えずに飲み続けている。
どうしたんだろう。また、何か話したいことでもあるのかな。
コオリ君がわたしを引き止めるのは、そういう理由があるからに違いない。彼はこの3人の中で一番効率的で合理的だから。目的がなければ、行動は起こさない。
まさか『にんじん』のことかな……。
でもあの時はそんなに大きな声で話してたわけじゃない。ちょっと近づいたくらいじゃ話の内容まではわからないと思う……んだけどなぁ。
最初の一時間はそのあたりを心配しながら飲んでいたんだけれど、後半はわたしもお酒がまわってきて、まあいいかと思えてきていた。斜向かいのノイ君の視線もちょっと気になったし、早く酔っ払ってしまいたくて──ハイペースだったのかもしれない。
お会計の頃には、頭がグラグラしていた。
「うわー……しくじった……」
さっきのおいちゃんのようにテーブルに突っ伏していると「ふくちゃん、お茶きたよ」と湯のみが差し出された。おいちゃんは結構酔っ払っていたはずなのに、今は声もしっかりしている。
あたたかいお茶を飲んで、少し落ち着いたけれど、多分このまますぐ電車には乗らない方がいい。
わたしはお店を出てから「ちょっと休んでから帰るね」と言った。南口付近のお店だったから、サザンテラスが近い。そこの遊歩道沿いのコーヒーショップには、テラス席があったはずだ。暖房が効き過ぎた中にいると気持ち悪くなりそうだし、外で冷たい風を浴びた方が良さそう。
「じゃあ俺が残ります」
コオリ君が誰よりもはやく、わたしの言葉に反応した。
「え?」
「なんで?」
最初がわたし、次がノイ君の反応だ。コオリ君は「ちょっと豊福さんに話もあるので、ちょうどいいです」と言った。
あ、これは、あれだ。やっぱり『にんじん』の話だ。絶対そうだ。
ぴんときたのはわたしだけだったみたいで、ノイ君は驚いた顔を隠そうともしていない。おいちゃんはわたしを心配そうに見ているだけだ。
「コオリ、路線全然違うじゃん。俺、途中まで一緒だし……」
そう言うノイ君に、コオリ君は珍しいくらいの強い声で「今日はゆずってください。ちゃんと送りますから」と答えた。
「えっ……いや、送らなくて平気だよ……?」
コオリ君は中央線、わたしとノイ君とおいちゃんは山手線。
ノイ君の言う通り、コオリ君がわたしを送るっていうのは現実的じゃない。ていうか一人で帰れるし。「少し休めば大丈夫だから……」と割って入ろうとしたところで、おいちゃんに腕を引かれた。
広い歩道だし、まだ人通りも多い時間帯だから、数歩分離れただけで二人の声は聞こえなくなった。おいちゃんはそこで内緒話をするように「あの二人にまかせといた方がいいよ」とささやいた。
「えっ、何、なんで?」
「ふくちゃん、ノイズのことふったんでしょ?」
言われて、ぴっきんと固まった。
う、嘘……ばれてる……。
驚いて何も言えないわたしに「ごめんね」とおいちゃんが言った。
「それでコオリは心配してるんだと思う」
「え? 心配? 何の?」
『にんじん』の話がしたいんじゃないの? そういうことじゃないの?
おいちゃんの言葉の意味がよくわからないけれど、ここで更に聞き込むのもどうなんだろう。迷っている間に「わかったよ」とノイ君の苛立った声が聞こえた。話は終わったらしい。
ノイ君はわたしを見ると、口を尖らせながら「帰ればいいんでしょ、もう。おつかれさまっ」と投げやりに言って、背を向けた。
「待てって、俺も行くから」
おいちゃんが「ごめんね」と一度手でポーズをしてから、早足で歩くノイ君を追いかけて行った。二人の姿が、夜の新宿の雑踏に溶けていく。残ったのは、コオリ君とわたしだ。
ノイ君は真顔だった。……いや違う。ちょっと眉毛が寄っているから、ちりちり怒ってる……かも。
「コオリのところには相変わらず顔出すくせに、なんで俺のとこには来ないの。見てないってこと?」
個人配信の話だというのはすぐにわかった。
クリスマス以来、ノイ君は変わらず精力的に個人配信をしている。タイミングが合う時には見ていたけれど、コメントは控えていた。
理由は単純。気まずかったから。どのツラ下げてって……思うじゃん。平気なふりしてコメントしに行って、気にかけてもらえなかったら凹むのわかりきってもいたし。
「見てる時もあるけど……だって……」
「ふくちゃんはみんなに公平なマネージャーなんでしょ? だったら俺のところにも『にんじん』としてコメントしてよ」
「……ほしいの? コメント」
その問いかけに、ノイ君は「わかんない」と曖昧な返事だった。
「ふくちゃんがこだわってる『公平』ってやつを貫いてほしいだけ」
「──そっか、そうだね。……わかった」
ノイ君は小さく「よろしく」とつぶやくと、ぽりぽりと頭をかいて、お守りの方へと意識を向けた。
……もしかしたら、ノイ君もわたしと同じで、距離感がつかめないのかもしれない。恋をはじめなかった2人の、適切な仕事仲間としての距離を。
「──あの」
「ぅわっ!!」
不意に背後からコオリ君の声がかかって、わたしもノイ君も肩をふるわせた。わたしなんてびっくりして、ちょっととんじゃったよ。振り向くと本当にすぐそばにコオリ君が立っていて、一体いつから……とドキドキ胸が鳴り始める。
足音消しすぎでしょう!
──まさか、わたしが『にんじん』ってところ、聞こえてないよね……?
そのあたりを探りたかったけれど、コオリ君のフラットな表情からは何の感情も見えない。「もう決めましたか?」と言いながら、わたしの脇へとまわりこみ、ずらりと並ぶお守りを眺め始める。
「やっぱり『大願成就』ですかね」
「それもいいけど『健康第一』も捨てがたいよね。インフル怖いし」
ノイ君とコオリ君がわたしを挟んでしている会話に、おかしなところは何もない。すぐにおいちゃんもやってきて、結局みんなで『大願成就』のお守りを買った。
それはいつもと同じ平和な冬の1日。
──そう思ってたけれど。
◆
その週の土曜日。オールスタートーナメントの一回戦は、ノイ君とコオリ君は勝って二回戦進出。でもおいちゃんが負けてしまって、ステファンゲーミング全員が勝ち上がりというわけにはいかなかった。
「あー悔しい……」
おいちゃんが目元赤くしながら、ビールを一気に飲み干す。
ここは新宿にある海鮮居酒屋。トーナメントが終わってからみんなは「飲みに行こう」という話になっていて、わたしも連行された。最初は遠慮したんだけれど、珍しくコオリ君に「行きましょう」と背中を押されたんだ。
通されたのは掘りごたつの個室だったから、隣に座るおいちゃんは人目を気にせず管を巻いている。由加子ちゃんが見たら、相当心配するか怒るかっていう姿だ。
それを苦笑いとともに慰めつつ、わたしは向かいに座るコオリ君の表情を伺った。彼はいつも通り顔色を変えずに飲み続けている。
どうしたんだろう。また、何か話したいことでもあるのかな。
コオリ君がわたしを引き止めるのは、そういう理由があるからに違いない。彼はこの3人の中で一番効率的で合理的だから。目的がなければ、行動は起こさない。
まさか『にんじん』のことかな……。
でもあの時はそんなに大きな声で話してたわけじゃない。ちょっと近づいたくらいじゃ話の内容まではわからないと思う……んだけどなぁ。
最初の一時間はそのあたりを心配しながら飲んでいたんだけれど、後半はわたしもお酒がまわってきて、まあいいかと思えてきていた。斜向かいのノイ君の視線もちょっと気になったし、早く酔っ払ってしまいたくて──ハイペースだったのかもしれない。
お会計の頃には、頭がグラグラしていた。
「うわー……しくじった……」
さっきのおいちゃんのようにテーブルに突っ伏していると「ふくちゃん、お茶きたよ」と湯のみが差し出された。おいちゃんは結構酔っ払っていたはずなのに、今は声もしっかりしている。
あたたかいお茶を飲んで、少し落ち着いたけれど、多分このまますぐ電車には乗らない方がいい。
わたしはお店を出てから「ちょっと休んでから帰るね」と言った。南口付近のお店だったから、サザンテラスが近い。そこの遊歩道沿いのコーヒーショップには、テラス席があったはずだ。暖房が効き過ぎた中にいると気持ち悪くなりそうだし、外で冷たい風を浴びた方が良さそう。
「じゃあ俺が残ります」
コオリ君が誰よりもはやく、わたしの言葉に反応した。
「え?」
「なんで?」
最初がわたし、次がノイ君の反応だ。コオリ君は「ちょっと豊福さんに話もあるので、ちょうどいいです」と言った。
あ、これは、あれだ。やっぱり『にんじん』の話だ。絶対そうだ。
ぴんときたのはわたしだけだったみたいで、ノイ君は驚いた顔を隠そうともしていない。おいちゃんはわたしを心配そうに見ているだけだ。
「コオリ、路線全然違うじゃん。俺、途中まで一緒だし……」
そう言うノイ君に、コオリ君は珍しいくらいの強い声で「今日はゆずってください。ちゃんと送りますから」と答えた。
「えっ……いや、送らなくて平気だよ……?」
コオリ君は中央線、わたしとノイ君とおいちゃんは山手線。
ノイ君の言う通り、コオリ君がわたしを送るっていうのは現実的じゃない。ていうか一人で帰れるし。「少し休めば大丈夫だから……」と割って入ろうとしたところで、おいちゃんに腕を引かれた。
広い歩道だし、まだ人通りも多い時間帯だから、数歩分離れただけで二人の声は聞こえなくなった。おいちゃんはそこで内緒話をするように「あの二人にまかせといた方がいいよ」とささやいた。
「えっ、何、なんで?」
「ふくちゃん、ノイズのことふったんでしょ?」
言われて、ぴっきんと固まった。
う、嘘……ばれてる……。
驚いて何も言えないわたしに「ごめんね」とおいちゃんが言った。
「それでコオリは心配してるんだと思う」
「え? 心配? 何の?」
『にんじん』の話がしたいんじゃないの? そういうことじゃないの?
おいちゃんの言葉の意味がよくわからないけれど、ここで更に聞き込むのもどうなんだろう。迷っている間に「わかったよ」とノイ君の苛立った声が聞こえた。話は終わったらしい。
ノイ君はわたしを見ると、口を尖らせながら「帰ればいいんでしょ、もう。おつかれさまっ」と投げやりに言って、背を向けた。
「待てって、俺も行くから」
おいちゃんが「ごめんね」と一度手でポーズをしてから、早足で歩くノイ君を追いかけて行った。二人の姿が、夜の新宿の雑踏に溶けていく。残ったのは、コオリ君とわたしだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる