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10歳の冬
小学校生活
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放課後、裏庭にて。
「ひとめぼれしました!付き合ってください」
「悪い、俺はケーゴにしか興味がないのでな。諦めてくれ」
「…うわーーーーーーん!!!」
同時刻、教室にて。
「あの…好きです!付き合ってください!」
「あ、無理ですごめんなさい」
「…うわーーーーん!!!」
転校してからというもの、僕とスルトは毎日のようにどこかしらに呼び出されて告白されていた。もちろんそれを受け入れるはずがなく、毎日誰かを泣かせてた。でも仕方ないよね。僕にはスルトとエドガーがいるし。スルトには僕がいるんだもん。
「はぁ…。これはいつおさまるのだ…」
帰り道、告白を断ることに疲れてきたスルトがげんなりした口調でぼやいた。僕もげっそりした顔で「わかんない…」と返す。
「もういっそのこと張り紙でも貼るか?俺とケーゴは一生を共に過ごすので俺たちに構うなと」
「あ、それいいね…。いやいいわけないでしょ。なにその恥ずかしい張り紙やめてよ」
「しかし…毎度呼び出されて告白されるのにはもううんざりなのだが」
「僕だっていやだよぉ…。子ども泣かせるのつらいよ…」
「はっ!いいことを考えたぞ!皆の前で俺とケーゴがいやらしいことをして見せたらいいのではないか?!それを見た子どもたちはさすがに俺たちのことを諦めるだろう!」
「アホなの?!教育に悪すぎるでしょ!!」
「だったら他に良い案があるのか?!人の意見を否定だけして代替案を提示しないのは無能の証だぞケーゴ!代替案を出せ!出さなければ俺の案を通す!」
「むぅ…」
僕は黙り込んだ。確かにスルトの言うこと却下するだけなのはだめだ。でもスルトの案は絶対だめ。うんうん唸りながら代替案を考え、僕はひとつの案を思いついた。でも…あんまり気が進まないんだけど…。まあ、この際ちょうどいいか…。
「どうしたケーゴ。なにかお思いついたか?」
「思いついたけど…」
「ほう。言ってみろ」
「…えろいことはせずに、イチャイチャしてるところを見せつけたらいいかなーって…」
「どういうことだ。詳しく話せ」
「…えっとぉ…、とにかくラブラブカップルみたいなことをするんだよ…。手を繋いで登校とか、二人で喋ってるときに甘々の雰囲気出すとか…ほっぺたにちゅーとか…」
「…なんだその最高な案は」
「……」
「決まりだ。明日からしよう」
「想像しただけで気持ち悪くなってきた」
「なぜだ。俺ははやく明日が来てほしい」
「うぇぇ…」
かくして僕たちはラブラブを見せつけて子どもたちに僕たちの事を諦めさせよう大作戦をすることになった。
「ひとめぼれしました!付き合ってください」
「悪い、俺はケーゴにしか興味がないのでな。諦めてくれ」
「…うわーーーーーーん!!!」
同時刻、教室にて。
「あの…好きです!付き合ってください!」
「あ、無理ですごめんなさい」
「…うわーーーーん!!!」
転校してからというもの、僕とスルトは毎日のようにどこかしらに呼び出されて告白されていた。もちろんそれを受け入れるはずがなく、毎日誰かを泣かせてた。でも仕方ないよね。僕にはスルトとエドガーがいるし。スルトには僕がいるんだもん。
「はぁ…。これはいつおさまるのだ…」
帰り道、告白を断ることに疲れてきたスルトがげんなりした口調でぼやいた。僕もげっそりした顔で「わかんない…」と返す。
「もういっそのこと張り紙でも貼るか?俺とケーゴは一生を共に過ごすので俺たちに構うなと」
「あ、それいいね…。いやいいわけないでしょ。なにその恥ずかしい張り紙やめてよ」
「しかし…毎度呼び出されて告白されるのにはもううんざりなのだが」
「僕だっていやだよぉ…。子ども泣かせるのつらいよ…」
「はっ!いいことを考えたぞ!皆の前で俺とケーゴがいやらしいことをして見せたらいいのではないか?!それを見た子どもたちはさすがに俺たちのことを諦めるだろう!」
「アホなの?!教育に悪すぎるでしょ!!」
「だったら他に良い案があるのか?!人の意見を否定だけして代替案を提示しないのは無能の証だぞケーゴ!代替案を出せ!出さなければ俺の案を通す!」
「むぅ…」
僕は黙り込んだ。確かにスルトの言うこと却下するだけなのはだめだ。でもスルトの案は絶対だめ。うんうん唸りながら代替案を考え、僕はひとつの案を思いついた。でも…あんまり気が進まないんだけど…。まあ、この際ちょうどいいか…。
「どうしたケーゴ。なにかお思いついたか?」
「思いついたけど…」
「ほう。言ってみろ」
「…えろいことはせずに、イチャイチャしてるところを見せつけたらいいかなーって…」
「どういうことだ。詳しく話せ」
「…えっとぉ…、とにかくラブラブカップルみたいなことをするんだよ…。手を繋いで登校とか、二人で喋ってるときに甘々の雰囲気出すとか…ほっぺたにちゅーとか…」
「…なんだその最高な案は」
「……」
「決まりだ。明日からしよう」
「想像しただけで気持ち悪くなってきた」
「なぜだ。俺ははやく明日が来てほしい」
「うぇぇ…」
かくして僕たちはラブラブを見せつけて子どもたちに僕たちの事を諦めさせよう大作戦をすることになった。
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