【完結】【R18BL】極上オメガ、前世の恋人2人に今世も溺愛されています

ちゃっぷす

文字の大きさ
66 / 106
20歳の冬

バーテンダーごっこ

しおりを挟む
「さて」

婚約イベントが終わり、エドガーがニコニコしながら手を叩いて場を切り替えた。

「じゃあ、さっそくお酒を作ってもらおうかな?僕のかわいいバーテンダーさん?」

「うっ」

「あ、ほらこれ。バーテンダーの衣装買ってきたんだ~。ドン・キホーテで」

「ドン・キホーテご愛用してんじゃねえですよ!!」

さっきまで最高にいい雰囲気だったのに、よくここでバーテンダーの話に戻せるねエドガー?!
嫌な顔をしている僕をよそに3人がカウンターに座った。はやく衣装を着てから酒を作れと目で威圧してくる。僕はしぶしぶ服を着替えて3人が座っている反対側に立った。

「…で?何が飲みたいの?」

「「ブルー・ラグーン」」

「ぐぅぅ…」

それ、磯崎さんが飲んでたやつじゃん!完全に根に持ってるよねこいつら?!
僕はふてくされた顔をしてシャンパングラスを3つ取り出した。カクテルグラスまで一式買ってきやがって…。リキュールとジュースとグラスと果物でぜったい婚約指輪より高くついてるだろ…!

「お酒に強いケーゴくんの分もお願いね」

「こんにゃろぉ…」

カクテルを作りながら毒づく僕を見て、エドガーがクスクス笑っている。スルトは不思議そうに尋ねた。

「しかし、酒に弱いお前がどうしてコクコク飲めていたんだ?酔っている様子も全くなかったぞ」

「ああ、僕が飲んでたものに一切アルコール入ってないよ。お客さん用のリキュールと従業員用のリキュール分けてるんだけど、従業員用は同じ色した水とかジュースとかが入ってる。ウォッカだったら水だし、コーヒー・リキュールだったらただのコーヒー。だからくそまずいんだよね」

「そうだったのか!」

「そうじゃないとΩの僕なんて3杯飲んだらべろべろだよ」

「だろうね」

「でも今日はお前も酒を飲めよ。ここだと酔いつぶれてもいいだろう」

「ええ…」

僕は3人の前にカクテルを置いた。差し出した左手をスルトに、右手をエドガーに掴まれ、手の甲にキスされる。完全に磯崎さんを意識してやがる。

「もう…やめてくださいよ」

「やめない」

「もぉぉ」

「ほら、ケーゴも飲め。お前の作る酒、なかなか美味いぞ」

「えっ、本当?」

「ああ。カクテル作るの上手だね、ケーゴ」

褒められて悪い気はしない。僕は自分の作ったカクテルを飲んでみた。ほんとだ、おいしい。今までお酒の代わりにくそまずい飲料を作って飲んでたから分からなかった。

「僕、バーテンダーの素質あるのでは…?」

「あるかもね」

お酒を飲みながら僕たちは談笑を楽しんだ。ピーターは色んなカクテルを頼んでくれたけど、エドガーとスルトはひたすらブルー・ラグーンを注文し続けた。くそっ。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...