81 / 106
20歳の冬 就活(※)
就活
しおりを挟む
「いやぁ、待たせたねケーゴ。ごめんね」
「さっきはすまなかったな。さすがに生で見るとメンタルが崩壊してしまった」
「俺もちょっと魂抜けてしまった!ごめんなケイゴほったらかして…」
「みんなぁ…!」
「ケーゴのいつもの声が聞こえてきて正気に戻ったよ。ありがとう」
「しつこいよ君たち。はやく帰りなさ…」
「しつこいのはお前のほうだ。なに人の婚約者に手を出しているのだ。けしからんやつめ」
「死罪です」
「ふん。なにが婚約者だ。紙切れでしか繋がっていない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね。私と圭吾くんは運命のー…」
「はん。運命の番?くだらん」
「まったくくだらない。そんな体だけでしか繋げられない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね」
エドガーが磯崎さんの言葉を真似してそう言った。磯崎さんはあからさまにムッとした表情をしていたが、三人は構わず言葉を続けた。
「出会って数か月で偉そうなことを言うなよ貴様」
「ピーターの言う通りだ。お前は俺たちとケーゴの繋がりを何も知らないからそのようなことを言えるのだ」
「紙切れでしか繋がっていない関係?笑っちゃうね。僕たちの婚約はそんな薄っぺらいものじゃない」
「俺たちの縁は前世から繋がっている」
「僕たちは前世で出会い、今世も、来世もずっと結ばれるよう神に約束されている」
「だから俺たちがケーゴと離れることはありえない」
「何を意味の分からないことを…」
ばかばかしいとでも言いたげに、磯崎さんが苦笑いしながら首を振った。意外とあっさり僕から体を離し、バスローブを羽織りベッドから出た。
「君たちのおかげですっかり興が冷めてしまったよ。圭吾くんを連れて帰っていいよ」
「おい。それではいそうですかと帰れると思うのか?俺はお前を殺したいのだが」
「殺害予告かな。訴えるよ」
「スルトやめたほうがいい。イソザキはかなり厄介な相手だよ。下手なことをするとそれこそ刑務所に入れられる。今日は大人しく帰るよ」
「ちっ…」
エドガーに肩を掴まれたスルトは舌打ちをして磯崎さんから目を逸らした。ピーターが僕を拘束してた縄と鎖を外してくれる。部屋の中に僕の服がなかったので、スルトがカッターシャツを脱いで着せてくれた。下半身はバスタオルでなんとか隠し、エドガーがタクシーをホテルの下へ呼んでくれた。
「圭吾くん」
「……」
部屋を出ようとする僕に磯崎さんが声をかけた。僕は振り返らずに立ち止まる。
「きっと君はまた私の元に戻ってくるよ」
「ありえません」
「私に抱かれたくなったらまたこのホテルにおいで」
「行きません」
「君を番にする準備を進めておくよ。家に君の部屋を用意して待ってるからね」
「必要ありません」
磯崎さんの言葉を聞いていた三人がギリギリと歯を鳴らして拳を握りしめている。僕は三人の背中を押してホテルから出た。なるほど、今日簡単に僕を手放したのは、僕が磯崎さんの体を忘れられずに戻ってくるって疑ってないからか。
…たしかに磯崎さんの体はすごかった。あれが運命の番とのセックスと言われても頷ける。それほどまでに、僕と磯崎さんの体は鍵と鍵穴のようにぴったりと合わさった。磯崎さんの体でしか開かない僕の部分がある。それは…悔しいけど本当だ。
でもそれがどうしたっていうんだ。あんなセックス僕には必要ない。僕が必要としてるのは、スルトとエドガー、それにピーターだけだから。3人がいてくれるのなら、僕は他になにもいらない。
「さっきはすまなかったな。さすがに生で見るとメンタルが崩壊してしまった」
「俺もちょっと魂抜けてしまった!ごめんなケイゴほったらかして…」
「みんなぁ…!」
「ケーゴのいつもの声が聞こえてきて正気に戻ったよ。ありがとう」
「しつこいよ君たち。はやく帰りなさ…」
「しつこいのはお前のほうだ。なに人の婚約者に手を出しているのだ。けしからんやつめ」
「死罪です」
「ふん。なにが婚約者だ。紙切れでしか繋がっていない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね。私と圭吾くんは運命のー…」
「はん。運命の番?くだらん」
「まったくくだらない。そんな体だけでしか繋げられない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね」
エドガーが磯崎さんの言葉を真似してそう言った。磯崎さんはあからさまにムッとした表情をしていたが、三人は構わず言葉を続けた。
「出会って数か月で偉そうなことを言うなよ貴様」
「ピーターの言う通りだ。お前は俺たちとケーゴの繋がりを何も知らないからそのようなことを言えるのだ」
「紙切れでしか繋がっていない関係?笑っちゃうね。僕たちの婚約はそんな薄っぺらいものじゃない」
「俺たちの縁は前世から繋がっている」
「僕たちは前世で出会い、今世も、来世もずっと結ばれるよう神に約束されている」
「だから俺たちがケーゴと離れることはありえない」
「何を意味の分からないことを…」
ばかばかしいとでも言いたげに、磯崎さんが苦笑いしながら首を振った。意外とあっさり僕から体を離し、バスローブを羽織りベッドから出た。
「君たちのおかげですっかり興が冷めてしまったよ。圭吾くんを連れて帰っていいよ」
「おい。それではいそうですかと帰れると思うのか?俺はお前を殺したいのだが」
「殺害予告かな。訴えるよ」
「スルトやめたほうがいい。イソザキはかなり厄介な相手だよ。下手なことをするとそれこそ刑務所に入れられる。今日は大人しく帰るよ」
「ちっ…」
エドガーに肩を掴まれたスルトは舌打ちをして磯崎さんから目を逸らした。ピーターが僕を拘束してた縄と鎖を外してくれる。部屋の中に僕の服がなかったので、スルトがカッターシャツを脱いで着せてくれた。下半身はバスタオルでなんとか隠し、エドガーがタクシーをホテルの下へ呼んでくれた。
「圭吾くん」
「……」
部屋を出ようとする僕に磯崎さんが声をかけた。僕は振り返らずに立ち止まる。
「きっと君はまた私の元に戻ってくるよ」
「ありえません」
「私に抱かれたくなったらまたこのホテルにおいで」
「行きません」
「君を番にする準備を進めておくよ。家に君の部屋を用意して待ってるからね」
「必要ありません」
磯崎さんの言葉を聞いていた三人がギリギリと歯を鳴らして拳を握りしめている。僕は三人の背中を押してホテルから出た。なるほど、今日簡単に僕を手放したのは、僕が磯崎さんの体を忘れられずに戻ってくるって疑ってないからか。
…たしかに磯崎さんの体はすごかった。あれが運命の番とのセックスと言われても頷ける。それほどまでに、僕と磯崎さんの体は鍵と鍵穴のようにぴったりと合わさった。磯崎さんの体でしか開かない僕の部分がある。それは…悔しいけど本当だ。
でもそれがどうしたっていうんだ。あんなセックス僕には必要ない。僕が必要としてるのは、スルトとエドガー、それにピーターだけだから。3人がいてくれるのなら、僕は他になにもいらない。
12
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる