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一年:三学期~学年末考査
第三十七話
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学年末テストの一週間前になった。うちの高校では、テスト一週間前から部活が休みになる。
つまり凪も部活に行かなくていいわけで。俺んちで過ごす時間が長くなるってことで。
帰ってから何しよう、晩メシ何作ろう、なんて考えていた放課後。背後にどやどや人が集まってきた。
「凪~! お前今も彼女いないよなー?」
凪の友人Aが冗談交じりにそう尋ねた。
「おう。いないけど」
「放課後遊ぼうぜー!」
続いて女の友人CとDが、口々に遊びに誘う。
「久しぶりにごはん一緒に食べようよー!」
「凪に聞いてほしい話いっぱいあるんだよー!」
凪はちょっと考えてから、軽い口調で言った。
「いいよー。テスト前くらいしかゆっくり話できないもんな」
「え」
思わず声が出てしまったが、女友だちの声でかき消された。
「きゃー! やったー!!」
「ねえ凪、ついでにカラオケも行かない? 練習してる曲あってさ!」
「この前聴いたけどめっちゃ上手かったよー!」
喜びのあまり飛び跳ねていた女友人Cが、勢い余って俺の椅子にぶつかった。
「あっ、ごめん」
「チッ……」
器が小さいと我ながら思う。
いろいろな感情が入り混じった末、素直に謝ってくれた女子に舌打ちで返してしまった。
すると女子は「あん?」とガラの悪い目つきで俺を見下ろした。
そして俺にしか聞こえない小声でこう言った。
「そんなんだから友だちできないんだよ、あんた」
「……」
「はー、キモ」
そして凪には見えないように、俺の椅子をガンと蹴った。怖い。
俺が震え上がっている間に、凪は友だちと楽しくおしゃべりをしながら一緒に教室を出て行った。
「……」
女子にガン飛ばされるわ、椅子蹴られるわ。
凪は俺を一瞥もせずに友だちと遊びに行ったわで、俺のよわよわメンタルにひびが入った。
あれ? にしてもなんでこんなヘコんでんの?
いつものことじゃん。クラスメイトに冷たい目で見られるのも、凪がテスト前に誰かとどっか行くのも。
だんだんと顔が熱くなる。
クラスメイトのことはこの際どうでもいい。それよりも……
恥ずかしい。当たり前に凪がうちに来るもんだと、また思い込んでしまっていた。懲りねえな俺はヨォ……!!
もう帰ろう。さっさと帰って布団にくるまろう。
……あいつ俺に一言もなく教室出やがった。いや当たり前だろなぜ俺の許可がいるんだ。
◇◇◇
夜十一時。ベッドでふて寝していると、玄関から鍵が開く音がした。凪がこっそり入ってくる。(凪は俺んちの合鍵を持っている)
「こんばんはー……」
「……」
「あれ、あかり付けたまま寝てる?」
「……起きてる」
「あ、起きてた」
クソッ。ここに帰ってきてくれたことが嬉しい。嬉しいのにムカつく。バカ。凪のアホ。ボケ。クソ。
自分勝手な喜びと怒りを感じた自分が超絶にキモい。
凪はベッドの前でしゃがみ、俺に向けてにっこりと笑った。
「ただいま」
「……おかえり」
「今日何してたの?」
「別に何も」
「ふーん」
凪から揚げ物のにおいがする。ファミレスに行ったのか、カラオケで揚げ物を食べたのか。
「お前は? 何してた?」
「友だちとカラオケー! 歌いすぎて喉枯れた」
「あー、どうりで。いつもよりおっさんみたいな声だと思った」
「だろー? 最後の方全然声でなくてみんなに笑われたわ」
「へー」
タノシソウデスネ。
「風呂入ったら? 揚げ物くさいよ、お前」
「えっ、まじー? 入るわー」
俺は、凪が脱ぎ散らかしたコートや制服に消臭スプレーをアホほどふりかけ、ベッドに戻った。
三十分後、凪がベッドの中に潜り込んだ。
「あー、つっかれたー」
「……」
「一瞬で寝れそう……」
「……」
「理玖。さっきからあんま喋らないけど、どうした?」
「べ、別に」
「そ」
ダメだ。口を開いたらいらんことを言ってしまいそう。黙っている方がマシ。
すぐに凪の寝息が聞こえてきた。よっぽど疲れていたみたいだ。
俺はこっそり寝返りを打ち、凪の寝顔を見つめた。
はー。ムカつくほどきれいな顔をしていやがる。
凪は俺の顔をきれいと言うが、凪に比べたら俺なんてのっぺらぼうと同じようなもんだ。
「……」
あんまりきれいだったから、寝ている凪に思わずキスしてしまった。
今日はなんもしてくれないまま寝るの? 俺、したいんだけど。
そんな気持ちでキスしていたら、凪の瞼がゆっくり上がった。そして凪がクスッと微笑む。
「……寝てる俺に何してるの?」
「お、起きてた……?」
「実は起きてた」
「ご、ごめん……」
慌てて背を向けようとした俺を、凪が抱きしめる。
「さっきからなんで寂しそうな顔してんの?」
「……」
「やめてよ、そういうの」
「ご、ごめん……」
「勘違いしそうになっちゃうじゃん」
「え……?」
お前こそそんなこと言うな。ちょっと嬉しそうな顔をするな。俺こそ勘違いしそうになるだろ。
「……凪、キスして」
「ん」
「ん……」
ちんこが反応してしまう。凪もちょっと勃っているような気がする。
キスを重ねるごとに、体中がもどかしくなる。
「……凪」
「ん?」
「ねむい?」
「んーん」
「……ちんこ、触ってくれる?」
凪は返事の代わりにキスをして、そっと俺のパンツの中に手を差し込んだ。
つまり凪も部活に行かなくていいわけで。俺んちで過ごす時間が長くなるってことで。
帰ってから何しよう、晩メシ何作ろう、なんて考えていた放課後。背後にどやどや人が集まってきた。
「凪~! お前今も彼女いないよなー?」
凪の友人Aが冗談交じりにそう尋ねた。
「おう。いないけど」
「放課後遊ぼうぜー!」
続いて女の友人CとDが、口々に遊びに誘う。
「久しぶりにごはん一緒に食べようよー!」
「凪に聞いてほしい話いっぱいあるんだよー!」
凪はちょっと考えてから、軽い口調で言った。
「いいよー。テスト前くらいしかゆっくり話できないもんな」
「え」
思わず声が出てしまったが、女友だちの声でかき消された。
「きゃー! やったー!!」
「ねえ凪、ついでにカラオケも行かない? 練習してる曲あってさ!」
「この前聴いたけどめっちゃ上手かったよー!」
喜びのあまり飛び跳ねていた女友人Cが、勢い余って俺の椅子にぶつかった。
「あっ、ごめん」
「チッ……」
器が小さいと我ながら思う。
いろいろな感情が入り混じった末、素直に謝ってくれた女子に舌打ちで返してしまった。
すると女子は「あん?」とガラの悪い目つきで俺を見下ろした。
そして俺にしか聞こえない小声でこう言った。
「そんなんだから友だちできないんだよ、あんた」
「……」
「はー、キモ」
そして凪には見えないように、俺の椅子をガンと蹴った。怖い。
俺が震え上がっている間に、凪は友だちと楽しくおしゃべりをしながら一緒に教室を出て行った。
「……」
女子にガン飛ばされるわ、椅子蹴られるわ。
凪は俺を一瞥もせずに友だちと遊びに行ったわで、俺のよわよわメンタルにひびが入った。
あれ? にしてもなんでこんなヘコんでんの?
いつものことじゃん。クラスメイトに冷たい目で見られるのも、凪がテスト前に誰かとどっか行くのも。
だんだんと顔が熱くなる。
クラスメイトのことはこの際どうでもいい。それよりも……
恥ずかしい。当たり前に凪がうちに来るもんだと、また思い込んでしまっていた。懲りねえな俺はヨォ……!!
もう帰ろう。さっさと帰って布団にくるまろう。
……あいつ俺に一言もなく教室出やがった。いや当たり前だろなぜ俺の許可がいるんだ。
◇◇◇
夜十一時。ベッドでふて寝していると、玄関から鍵が開く音がした。凪がこっそり入ってくる。(凪は俺んちの合鍵を持っている)
「こんばんはー……」
「……」
「あれ、あかり付けたまま寝てる?」
「……起きてる」
「あ、起きてた」
クソッ。ここに帰ってきてくれたことが嬉しい。嬉しいのにムカつく。バカ。凪のアホ。ボケ。クソ。
自分勝手な喜びと怒りを感じた自分が超絶にキモい。
凪はベッドの前でしゃがみ、俺に向けてにっこりと笑った。
「ただいま」
「……おかえり」
「今日何してたの?」
「別に何も」
「ふーん」
凪から揚げ物のにおいがする。ファミレスに行ったのか、カラオケで揚げ物を食べたのか。
「お前は? 何してた?」
「友だちとカラオケー! 歌いすぎて喉枯れた」
「あー、どうりで。いつもよりおっさんみたいな声だと思った」
「だろー? 最後の方全然声でなくてみんなに笑われたわ」
「へー」
タノシソウデスネ。
「風呂入ったら? 揚げ物くさいよ、お前」
「えっ、まじー? 入るわー」
俺は、凪が脱ぎ散らかしたコートや制服に消臭スプレーをアホほどふりかけ、ベッドに戻った。
三十分後、凪がベッドの中に潜り込んだ。
「あー、つっかれたー」
「……」
「一瞬で寝れそう……」
「……」
「理玖。さっきからあんま喋らないけど、どうした?」
「べ、別に」
「そ」
ダメだ。口を開いたらいらんことを言ってしまいそう。黙っている方がマシ。
すぐに凪の寝息が聞こえてきた。よっぽど疲れていたみたいだ。
俺はこっそり寝返りを打ち、凪の寝顔を見つめた。
はー。ムカつくほどきれいな顔をしていやがる。
凪は俺の顔をきれいと言うが、凪に比べたら俺なんてのっぺらぼうと同じようなもんだ。
「……」
あんまりきれいだったから、寝ている凪に思わずキスしてしまった。
今日はなんもしてくれないまま寝るの? 俺、したいんだけど。
そんな気持ちでキスしていたら、凪の瞼がゆっくり上がった。そして凪がクスッと微笑む。
「……寝てる俺に何してるの?」
「お、起きてた……?」
「実は起きてた」
「ご、ごめん……」
慌てて背を向けようとした俺を、凪が抱きしめる。
「さっきからなんで寂しそうな顔してんの?」
「……」
「やめてよ、そういうの」
「ご、ごめん……」
「勘違いしそうになっちゃうじゃん」
「え……?」
お前こそそんなこと言うな。ちょっと嬉しそうな顔をするな。俺こそ勘違いしそうになるだろ。
「……凪、キスして」
「ん」
「ん……」
ちんこが反応してしまう。凪もちょっと勃っているような気がする。
キスを重ねるごとに、体中がもどかしくなる。
「……凪」
「ん?」
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「んーん」
「……ちんこ、触ってくれる?」
凪は返事の代わりにキスをして、そっと俺のパンツの中に手を差し込んだ。
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