おじ専女子の望まぬモテ期

蛭魔だるま

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「さて、時間になったしそろそろ始めようか。結構固まってるね」

 笹森君と松原先生の会話は終わり、時間になったようだ。
 笹森君は教卓の一番前の真ん中、その2列後ろに私たち4人が固まっていた。
 笹森君…真面目アピールかもしれないが、その位置は先生の視界に入らない。真ん中の4列目くらいが一番見てもらえるのを私は知っている。

「笹森君、ちょっと席を移動してもらえる?そして机を皆向かい合わせにして」

 6人で向かい合わせ…。ということは、笹森君の前に松原先生が…負けた。

「あー、でも僕は教卓のところにいるから…そうだな。4人が向かい合わせになって、立川さんか信濃君が僕と誕生日席になる感じでグループにしてもらえるかな」
「かいりん俺の向かいに座ってよー」
「うん」

 天使君は私を見てウィンクしてきた。
 勝った。運が向いてきた、天が、いや…天使がこちらに味方した。
 ありがとう天使君。不真面目とか思っててごめん。ライバルが一週間で最大の味方になる。熱い少女漫画的展開じゃないか。
 机を移動し終えた私たちに先生はプリントを配った。

「今日は、皆さんにカウンセリングの場面を想定し、実際にあった症例をもとにどう対応するかを考えてもらいます。信濃君、読んでもらえますか?」

 先生の喋っているお姿がよく見える。特等席だ。

「はい。中学1年生のAさん(男子)は2学期の途中から急に学校に来なくなりました。クラスでは、友達も多く、明るい性格の子です」
「ありがとう。とりあえずここまで。それでは、この情報だけで考えられることはなんでしょうか。まずは原因を考えてみましょう」

 原因か。色々考えられそうだけど…。

「はい。いじめじゃないでしょうか」

 笹森君が手を挙げて答えた。これ、この後皆て挙げないと駄目な奴かな。 

「どうしてそう思う?」
「そう…ですね。友達が多いってことはトラブルも多くなるだろうし、明るいということは目立ち、標的にされやすいと思ったからです」
「それも考えられるね。他の人はどうかな?」

 得意気だった笹森君の顔は少し悲しそうな顔に変わった。
 きっと笹森君は先生の素晴らしさに気づき、アピールをしたけど思ったより反応が貰えなかったのだろう。そういう経験はあるので気持ちはわかる。

「はーい。俺は両親からのDVだと思うな。外で明るい奴でも家庭内が上手くいってないことあるし。隠せなくなるほど傷を負った可能性とか?」
「なるほど。確かに家庭内の問題も考えられますね」
「あっ。…はい。先生との間に何かあったとか?成績とか…性格とかでも気にしてるところを言われた?」

 私も何か答えなければ。

「先生から言われると言い返せなくて心に残ってしまう可能性もありますね。他はどうでしょう?」
「はい!朝が苦手な人?起きれないとかもそうなんですけど、夜は大丈夫でも朝急に行きたくなくなったり、体調が悪くなったり…。家から出るのが怖くなる人もいると思います」

 家の扉の前で立ち止まる自分の姿を思い出した。

「なるほど。鳴海君はどうかな」

 あれー?私にだけ塩対応?コメント少ない気がする。

「えーっと…そうだな。部活?でレギュラーから落ちたとかだと行かなくなりそう」

「その可能性もあるね。カウンセリングの前は今みたいに色々考えてどんな状況でも対応できるように準備してないといけない。でも、本人を前にしたときは一度全部忘れて、先入観を持たずに向き合い、どうしていくかを本人と考えていくのが大事です。一応、今回の彼の場合は、朝学校に行くのが怖くなったそうです。立川さんのがそうですね」

 私が当ててしまったけど、春の意見も聞かないといけないからコメントしにくかったのか。最後に立川さんのって付け加えてくれるのが嬉しいわー。
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