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17.強淫

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 母親が帰ってくるのは深夜だ。
 その間、洋は一人でアパートの中を過ごしている。

「薬飲んでてもヒート時期はケツの中は雌穴になってんだろ?」

 無理やり発情させてやると元番が電気を付けた後、玄関口で洋を押し倒して上に覆いかぶさった。

「···ちょ···な····離····痛っ···!」

 顔を捕まれ押さえつけられ右頚部に顔を近づけられるとそこから痛みが走る。

 食いちぎられるような痛みが暫くつづいた後、今度は痛みが走った場所にヌルりと舐められ思わずビクリと身体が跳ねた。

「····や、めろ····っ!」

 押さえつけている手を掴み離そうとするが洋よりも力のある彼の手はビクともしない。
 
 噛まれ、舐められ、吸われ刺激を与えてくる元番は下半身のベルトをガチャガチャと外し始める。

「止めろ」と、大声を出せば顔面を殴られた。

 大人しくなった洋のズボンと下着を脱がして足を開かせ、唾液で濡らした指をそこに捩じ込んだ。

「····ぁ?」

 柔らかく湿ったままのそこに違和感を感じる。
 既にほぐれたそこはまるで先程まで行為を致した後のようだった。

「準備万端じゃねぇか」

 それを「自分で慰めた」と、勘違いした元番がニヤリと笑い指を動かし始める。

「····っ····ぅ·····」

「何我慢してんのさ?前みてぇに喘げばいいだろ?」

 指を中で動かされる度に洋は歯を食いしばって耐えていた。


 快感に耐えるとは違う。


 痛みに耐えるが正解だ。


 まだ、自分で慰めた方が幾分かマシだと思えるほど性的興奮も気持ち良さも感じられない。

「······然···」

「あ?」

「·····全然、良くねぇから····分かったらさっさと抜けよ···下手くそ」

「·············」

 上から舌打ちが聞こえてきた。

 指が嫌なら挿れてやると言い、指を抜いてそこにあてがった。

 Ωなんだから本番をすれば黙るだろうと中に挿れていく。

「····ぐ····ぅっ····」



 アパートの一室であら何かがぶつかる様な音と荒い息が聞こえる。

 媚薬に当てられたかのような興奮も昊とする様な快楽も感じられない。
 それでも人間の作りで前立腺に当たればそれなりに快楽を拾ってしまう。


 ただ、それでも



「···ぅ······ぅうっ···」



 まだ耐えられる。



「····んだよ」


 以前と違う反応に戸惑い顔を顰める。
 何故、こんなに反応が違うのだろうか。

 再び番になればあの時の反応に戻るだろうかと元番である彼は一度抜いた後、洋の体の向きを変え、再び挿入した。





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