【R18】番解消された傷物Ωの愛し方【完結】

海林檎

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16.元番

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 染めたばかりの少し傷んだ茶色い髪が洋の耳元を燻る。
 普段学校でみる人当たりのいい顔ではなく己だけに見せる裏の顔で彼は接してきた。


「······何しに来たんだ?」

 冷たく言い放つ洋に元番が答える。

「寂しい独り身をおくってんじゃねぇかって見に来ただけだけど?」

「つまんねぇ」と、言って切り捨てた人間が何を言っているのだろう。

 己に興味がなくなったのにまた絡んで来て、いっその事ほっといて欲しい。

「·······邪魔なんだけど」

 いつまで他人の家のドアを塞いでいるつもりだと洋が睨めば

「同級生がせっかく遊びに来たのに追い返すわけ?」

「招待なんてしてねぇだろ。さっさと帰れよ」

「·········本当にお前ってさ」


 生意気だと胸ぐらを掴まれる。
 
「底辺Ωの癖にいきがってんじゃねぇよ」

 どんなに努力をしたところでΩは所詮Ω。
 αである自分と同じ学校、同じ教室で生活なんておくるなと低めの声でまるで脅す様に言ってくる。

 Ωに対する差別が彼にはあったようだ。
 


 ヒートが来れば風紀を乱す。
 Ωの放つフェロモンでαが誘惑されて迷惑をかけられる。
 
「匂いで誘ってくるアバズレの性の癖になんで勉強なんてしてんのさ?」

 目障だとはっきりと言われた。

 目の前の彼は洋のヒートの時のフェロモンを消し去る為にわざと襲い無理やり番にして解消したのだろう。

 それなのに何故だ。

「·····もう、匂いなんて感じねぇだろ?」

 薬でも制御しているし、誰にも迷惑をかけていない。
 なのに何故、元番は自分から切り離した癖にこんなに洋に執着してくるのだろうか。
 
「別に匂いとか関係ねぇよ。お前一人が教室にいるだけで風紀が乱れんだよ」

 Ωであると言うだけでαにとって害なのだと彼は言う。
 
 
「お前らΩに人権なんて必要ねぇだろ。Ωは売女みてぇに股でも開いてろよ」

「っ!!」

 好きでこんな性になったわけじゃない。
 元番のあまりの言いように我慢が出来なかった。

 拳を強く握り目の前の彼に向かって殴りかかろうとすれば

「がっ!!」

 腹部に強い衝撃が走った。
 
 よろめいて持っていた鍵を落とし元番がソレを拾い上げる。

「ぐっ!」

 鍵を開けてドアを引き、洋の服を掴んだまま無理やり中へと入って行った。


 
 
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