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24.決意

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【運命の番】
 それだけでここまで満たされるものなのかと思うほど幸福感が溢れんばかりに押し寄せてくる。

 逆に言えば少し怖いくらいだ。

 愛のある甘い言葉が脳内分泌の幸せホルモンを放出させる。
 ただ「愛してる」って言えばいいわけではない。

 本当に生涯その相手にだけ全てを捧げる程の想いがこもっていないとその声は届かない。

 苦しいくらい抱き締められ抱き締め返してキスをして、流れる汗も気にならない程に没頭する。

 挿入された孔が喜ぶほど愛液を垂れ流して下腹部にキュウっと力が入る。

 愛を囁かれてからいつもよりも激しいくらいに快感が全身を駆け巡り中でイく。
 全身が性感帯になったようだ。


 気持ちよすぎて喘いで「気持ちいい」「もっと」と何度も強請ってイキ癖が着くほどに何度も絶頂を迎えた。





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 そして、後悔する。



「よ····洋君?」


「·····う゛~····」

 アホみたいに強請りまくって何処のビッチだと洋は頭の中で自分が自分を殴る想像をしていた。

「すげぇ可愛かったよ」
 
「·····う゛~······」

 さっきからこれしか言わない。
 とりあえず匂いを取るために換気をすれば涼し気な風が部屋を舞う。

 そして再び洋の隣に昊は座り頭を撫でる。

「良いじゃん。俺だけにしか見せないんだから」

「····う゛~········」
 
「洋くーん?」

「う゛~·········」


 何だこの可愛い生き物。

 可愛いうさぎを見ているようで思わず抱きしめた。

「やっべ!可愛い。家に持ち帰りたくなる連れて帰っていい?」

「それは洋が高校卒業してからにしてね」

 抱きしめ「尊死しても良い」と、思いながら洋をウリウリしているといつの間にか帰ってきた洋の母がドア越しに言ってきた。

 驚いて思わず正座になる。


「···ブハッ」

 ドア越しなのに正座になって緊張した顔をしている昊を見た洋が吹き出して笑う。

「····ハハッ···」

 洋が笑ってくれるならもうそれでいいか····だなんて思ってしまう昊がいた。


「····なぁ、洋君」

 洋の事を好きになってから昊は客と枕を交わさなくなった。
 その分売上も落ち込むが元々トークが上手く接客もソツなくこなすから新規の客も指名をしてくれたりするが


「最近何でプラベで会ってくれないの?」
 
 と、今までの色恋客からの苦情が出てくる。

 無下には出来ずになぁなぁに終わらせているから離れてしまう客もいるのが現実で喧嘩にまで発展する事もあった。
 逆に「まぁ、そっちの方が気が楽で良い」と、言ってくれる客もいる。

 ホストと言う仕事は大変だけど楽しい。

 飲みすぎて血反吐出るまでバケツに吐き続ける事もあるし、先輩キャストとの揉め事も稀にあったりするし掲示板で悪口書かれたりするけど、目上の人の話や仲間とのバカ話とか人を見る力が身についたりとプラスの事もあった。
 幹部まで昇進して良いマンションに住めるほど給料も上がった。



 けれど






「俺、決めたわ



      ホスト辞める」


 大事な者が出来たなら固定されたしっかりした職業につこうと思った。







 
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