【R18】番解消された傷物Ωの愛し方【完結】

25.子育ての結果

　突然の昊の告白に洋の目が点になる。

「···ぇ···？な····」

　何で？と、出てきそうな言葉が喉に詰まって出てこない。

「安定した生活を送りたいから」




　お前と。



「順番逆になっちまったけどさ」

　自分が仕事辞めて新しい職についたら正式に付き合ってくれないかと昊が言う。

「仕事は辞めた後、１ヶ月以内にすぐに見つけてくるから」

　宛はあると昊が言う。
　‪α‬は特に会社などで優遇されやすい性だから確かにすぐに見つかるだろう。

「だからって夜業界の仕事見つけて来ないでよー！」

「わかってますー！って····」

　扉越しから聞こえた洋母の声。
　聞く耳立てたわけではなくご飯を作っていたらそんな話が聞こえてきた。

「壁は薄くはないけどドアが薄いのよこの家」

　会話が筒抜けだと言われる。

　つまりだ。
　告白の予約も洋母に聞かれていたという事だ。

「····好きな子のオカンに聞かれるの恥ずいんだけど～·····」

「頑張れよ！息子候補！！」

「応援ありがとうございます！！」


　その後、食べた洋母の手料理(ハンバーグと何故か旗付きチャーハン)は美味しかったです。
　



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　昊が帰る前に元番の事について話す。

「本当に嫌いなら身体の関係まで使って番にはしねぇだろ」

　Ωを軽視しても少ない性であるΩに興味はあった。
　
「恋心とプライドを拗らせたんだろうな」

　両親共に‪α‬から生まれた‪α‬は親の影響もあり人を見下す傾向がある。
　実際示談の話をしてきた時、洋家族を見下した様な発言が多々見られたのを思い出す。
　夜業界の厨房で働く母親とその息子が底辺のΩ。

「生活が苦しいんじゃないのか？」
「示談にしてくれるのなら慰謝料で潤うでしょ」
「Ωの彼が今後苦労しない為に」

　同情と偏見で見ながら言う元番の母親に洋母がはっきりと断りこう言った。

「完璧な‪α様‬の傲慢な態度を見てきたからお宅の息子さんはこうなったんじゃないんですか？」　


　‪α‬だからと言って親の教育や管理が行き届いていなければタチの悪い化け物に成り果てる。
　表では公表していないが指名手配の凶悪犯罪者の性に実は‪α‬が多い。
　特に犯罪組織のトップは特にだ。

　‪α‬だからと言って全てが完璧なわけではない。
　生まれつき反社会性人格障害もいれば親によって作り出された人格でどうとでもなる。

「あの子をああ言う風に育てたのはアンタらの責任でしょうが」

　両親を見て思うのは元番は後者の方だろう。

　そして···


「自分がこうなったのは親の育て方が悪かった所為だ」


　と、反省せず恨みの先を親に向けるのもそう言う子供だ。