【R18】番解消された傷物Ωの愛し方【完結】

海林檎

文字の大きさ
29 / 67

29.タワー予約

しおりを挟む
 ラストイベントまで後3日。


「タワーしてくれるって客が当日来なかったらどうしよう·····」

 イベント前は無駄に緊張して不安になる。

 シャンパンタワー予約してくれても当日ドタキャンやツケを払わずに飛ぶ逃げる客が少なからずいるからだ。
 
 そう言う客に泥水を飲まされたキャストは職場にいる。
 そのツケ代を払う目に会うのは彼ら自身。

 だからといって気弱な客に無理な要求をさせてボトルを入れさせて飛ばれたと言う自業自得なキャストもいる。

 

 一番は無理せず楽しく飲んでもらう事が良いのだが、どうしても数字に拘ってしまうキャストが多い。
 昊も最近までその中の一人だった。

ホストの【現実を忘れて素敵な夢を見させる】と言う方針はいつからか二の次になってしまうのは少し悲しいことかもしれない。


「シャンパンタワーっていくらすんの?」

 洋が素朴な疑問を昊に聞く。
 地域や店にもよるが大体が50~100万が相場と言われている。
 地方の格安店だと30万のものもある。

「高級店となると一千万の奴もあるなぁ」

「·····一晩で一千万使うとか大人って馬鹿じゃね?」

 自分なら自分の為に使う。

 洋の言いたい事はご最もあるが、それだけイベントと言うのは自分の担当キャストを輝かせたい。
 これだけの価値があるんだと知らしめる為であり自分がこんなに支えているんだと言う優越感。
 または、彼の為ならいくらでも出してあげたいと言う愛情表現でもある。

「夜の世界って面倒くさそう」

 最終的にプライドだけ守れてその金の半分以上はその店の物になるだろう。

「·····洋君はこの業界に足を突っ込まないでね」



 純粋無垢な君でいて。





 昊は刹那に願うのだった。







-----------





 届いた鎖帷子を試着する昊の感想。

「痛ぇ!皮膚にくい込んで痛ぇんだけど!!後、冷たい!!」

 己の運命の番様はエリートな性として有名な‪α‬のはずなのだが、どうやら昊は一度バース検査を受け直した方がいいのかもしれない。

「‪α‬!俺、‪α‬だから!!」

 じゃないと番になれないと、言われれば「あぁ、確かに···」と、納得された。

「とりあえず服の上から来た方がいいんじゃない?」


「······それだ」



 目からウロコ。

 己の運命の番様は冗談抜きでアホなのかもしれないと洋は少し····いや、かなり心配していた。


「洋君、流石にそれは酷い!!」




 事実である。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様

冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~ 二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。 ■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。 ■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)

泡にはならない/泡にはさせない

BL
――やっと見つけた、オレの『運命』……のはずなのに秒でフラれました。――  明るくてお調子者、だけど憎めない。そんなアルファの大学生・加原 夏樹(かはらなつき)が、ふとした瞬間に嗅いだ香り。今までに経験したことのない、心の奥底をかき乱す“それ”に導かれるまま、出会ったのは——まるで人魚のようなスイマーだった。白磁の肌、滴る水、鋭く澄んだ瞳、そしてフェロモンが、理性を吹き飛ばす。出会った瞬間、確信した。 「『運命だ』!オレと『番』になってくれ!」  衝動のままに告げた愛の言葉。けれど……。 「運命論者は、間に合ってますんで。」  返ってきたのは、冷たい拒絶……。  これは、『運命』に憧れる一途なアルファと、『運命』なんて信じない冷静なオメガの、正反対なふたりが織りなす、もどかしくて、熱くて、ちょっと切ない恋のはじまり。  オメガバースという世界の中で、「個」として「愛」を選び取るための物語。  彼が彼を選ぶまで。彼が彼を認めるまで。 ——『運命』が、ただの言葉ではなくなるその日まで。

βな俺は王太子に愛されてΩとなる

ふき
BL
王太子ユリウスの“運命”として幼い時から共にいるルカ。 けれど彼は、Ωではなくβだった。 それを知るのは、ユリウスただ一人。 真実を知りながら二人は、穏やかで、誰にも触れられない日々を過ごす。 だが、王太子としての責務が二人の運命を軋ませていく。 偽りとも言える関係の中で、それでも手を離さなかったのは―― 愛か、執着か。 ※性描写あり ※独自オメガバース設定あり ※ビッチングあり

アルファな彼とオメガな僕。

スメラギ
BL
  ヒエラルキー最上位である特別なアルファの運命であるオメガとそのアルファのお話。  

運命だなんて言うのなら

riiko
BL
気が付いたら男に組み敷かれていた。 「番、運命、オメガ」意味のわからない単語を話す男を前に、自分がいったいどこの誰なのか何一つ思い出せなかった。 ここは、男女の他に三つの性が存在する世界。 常識がまったく違う世界観に戸惑うも、愛情を与えてくれる男と一緒に過ごし愛をはぐくむ。この環境を素直に受け入れてきた時、過去におこした過ちを思い出し……。 ☆記憶喪失オメガバース☆ 主人公はオメガバースの世界を知らない(記憶がない)ので、物語の中で説明も入ります。オメガバース初心者の方でもご安心くださいませ。 運命をみつけたアルファ×記憶をなくしたオメガ 性描写が入るシーンは ※マークをタイトルにつけますのでご注意くださいませ。 物語、お楽しみいただけたら幸いです。

欠陥αは運命を追う

豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」 従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。 けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。 ※自己解釈・自己設定有り ※R指定はほぼ無し ※アルファ(攻め)視点

オメガな王子は孕みたい。

紫藤なゆ
BL
産む性オメガであるクリス王子は王家の一員として期待されず、離宮で明るく愉快に暮らしている。 ほとんど同居の獣人ヴィーは護衛と言いつついい仲で、今日も寝起きから一緒である。 王子らしからぬ彼の仕事は町の案内。今回も満足して帰ってもらえるよう全力を尽くすクリス王子だが、急なヒートを妻帯者のアルファに気づかれてしまった。まあそれはそれでしょうがないので抑制剤を飲み、ヴィーには気づかれないよう仕事を続けるクリス王子である。

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

処理中です...