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44.家事と巣作り
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学校に帰る···と、行っても今日は昊の家に行く予定だったから合鍵を持ってそのまま昊の家に向かった。
帰ってくるのは18時過ぎ。
最近は洋母から「料理くらい作れるようになりな」と、言われたから昊の家にある食材を使ってスマホでレシピを見ながら料理を作る様になった。
と、言ってもそう簡単に上手く出来るものでもなく。
「····すげぇ焦げた····」
料理と言っていいものなのか。
切り方は歪な焦げた野菜炒めとボロボロの豆腐の味噌汁。卵焼きには殻が入っている可能性が大である。
米だけは上手く炊けたが、はっきり言って不味そう。
料理は愛嬌と、前向きに考えて洗濯物を畳むことにした。
-----------
「何?この可愛い生き物」
仕事から帰ってきたらベッドの上で番が洗濯物を囲んで巣作りしたまま眠っている。
洗濯物を畳んでいたはずが本能というやつなのだろうか、しっかり昊の洗濯物だけを選抜して作っている。
テーブルの上には頑張って作ったであろうラップに包まれた料理。
自分も学校帰りだろうに随分と頑張ってくれていた事にキュンとする。
「やだ···俺の番様超健気で可愛い···」
普段はツンとした態度を取る番を見て感動していると「····ん····」と、なやましい声を出してモゾりと身じろぐ。
「やだ···俺の番芋虫みてぇで可愛い···」
もう、何でも可愛いと付けておけばいいと思っている。洋が起きて覚醒していたらそれを聞いていたら確実にど突かれていた事だろう。
「······ぉかぇり···」
「ただいま。ご飯ありがとう」
目が覚めてぼーっとしている洋に軽くキスをして早速ご飯を食べようと昊が野菜炒めをレンジに入れて温め直す。
「········ぁ·····」
段々覚醒していく洋は野菜炒めが焦げている事を思い出す。
「大丈夫大丈夫。頑張った証だと思っているから」
温め直した野菜炒めと味噌汁、卵焼きにご飯をテーブルに起き、夕食を摂る。
「·····ぉいしい」
「嘘つけ」
「いや、まじだって。形歪で焦げてるけど味は美味いって!」
卵焼きはちょっとジャリジャリしてたけど。
味噌汁のネギは連繋がってるけど。
愛情入ってるから美味しいと言ってくれる昊に「もう何も否定的な事は言うまい」と、静かにご飯を食べる事にした。
「そいや、今日中年のΩの客が来て契約書にサインしたんだけど旦那さんが最近病気で亡くなったんだって」
死因は末期の肺癌だったとの事。
「それで今の家から出て、契約したマンションにうつるんだってさ」
「へぇ···」
世の中何が起きるか分からない世界だ。
いつ自分が病気になるか分からないなと洋はご飯を食べながら話を聞いていた。
その中年男性が誰かなんてその時、洋は知る由もなかった。
帰ってくるのは18時過ぎ。
最近は洋母から「料理くらい作れるようになりな」と、言われたから昊の家にある食材を使ってスマホでレシピを見ながら料理を作る様になった。
と、言ってもそう簡単に上手く出来るものでもなく。
「····すげぇ焦げた····」
料理と言っていいものなのか。
切り方は歪な焦げた野菜炒めとボロボロの豆腐の味噌汁。卵焼きには殻が入っている可能性が大である。
米だけは上手く炊けたが、はっきり言って不味そう。
料理は愛嬌と、前向きに考えて洗濯物を畳むことにした。
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「何?この可愛い生き物」
仕事から帰ってきたらベッドの上で番が洗濯物を囲んで巣作りしたまま眠っている。
洗濯物を畳んでいたはずが本能というやつなのだろうか、しっかり昊の洗濯物だけを選抜して作っている。
テーブルの上には頑張って作ったであろうラップに包まれた料理。
自分も学校帰りだろうに随分と頑張ってくれていた事にキュンとする。
「やだ···俺の番様超健気で可愛い···」
普段はツンとした態度を取る番を見て感動していると「····ん····」と、なやましい声を出してモゾりと身じろぐ。
「やだ···俺の番芋虫みてぇで可愛い···」
もう、何でも可愛いと付けておけばいいと思っている。洋が起きて覚醒していたらそれを聞いていたら確実にど突かれていた事だろう。
「······ぉかぇり···」
「ただいま。ご飯ありがとう」
目が覚めてぼーっとしている洋に軽くキスをして早速ご飯を食べようと昊が野菜炒めをレンジに入れて温め直す。
「········ぁ·····」
段々覚醒していく洋は野菜炒めが焦げている事を思い出す。
「大丈夫大丈夫。頑張った証だと思っているから」
温め直した野菜炒めと味噌汁、卵焼きにご飯をテーブルに起き、夕食を摂る。
「·····ぉいしい」
「嘘つけ」
「いや、まじだって。形歪で焦げてるけど味は美味いって!」
卵焼きはちょっとジャリジャリしてたけど。
味噌汁のネギは連繋がってるけど。
愛情入ってるから美味しいと言ってくれる昊に「もう何も否定的な事は言うまい」と、静かにご飯を食べる事にした。
「そいや、今日中年のΩの客が来て契約書にサインしたんだけど旦那さんが最近病気で亡くなったんだって」
死因は末期の肺癌だったとの事。
「それで今の家から出て、契約したマンションにうつるんだってさ」
「へぇ···」
世の中何が起きるか分からない世界だ。
いつ自分が病気になるか分からないなと洋はご飯を食べながら話を聞いていた。
その中年男性が誰かなんてその時、洋は知る由もなかった。
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