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43.女子の絡み

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「昊君ところの社長さん?面白い人ね」

 前回も言ったが、息子としては複雑な心境である。
 まぁ、でも今まで一人で洋を育てる為に頑張ってくれた母にも幸せになって欲しいと息子ながらに思う。

「今ダイエット中なんだって」

「昊君の弁当と一緒にダイエット食持っていってあげた方がいい?」



 是非ともそうしてやってくれ。





 後日、昊からLIN〇で「オーナーすげぇ喜んでた(笑)」と来た。

「篠原君」

「楽しそうに何見てんの?」と、クラスの女子が話しかけてきた。
 元番の取り巻きの一人であの暴行事件の事で疑われて以来、話しかけて来なかったのに突然どうしたのだろうか。

「あ~···もしかして番の人とLIN〇してた?」

「ぇ?あ、うん···」

 ニヤニヤしながら会話をしてくるこの女子に少し苦手意識があった。

 元番と学校ではよく一緒にいた。

 彼はまだ少年院いる。
 けれど普通の刑務所と違って出てくるのは早いはずだ。

 昊は「それについてはもう心配しなくていい」とか言っていたけれどアレはどういう意味だったのだろうか。

「番の人ってもしかして元ホストだったりする?」

「·····ぇ?」

 どうして知っているんだろうかと洋は顔を上げて目の前にいる女子の目を見た。

「この間、一緒に歩いてるの見てさ。あれ?見た事あるなぁ~って思ってたの。そしたらホストの情報誌で結構表情飾ってた人に似てたからね」

「もしかしてそうじゃないかな?」と、思って聞いてきたらしい。
 名前も昊と覚えていた彼女は「何処で知り合ったのか」「どっちからアプローチしてきたの」かと、根掘り葉掘り聞いてくる。

「······え~···と····」

 女子との喋りがそんなに得意ではない洋は何と答えれば良いのか困っていると

「でも、心配じゃない?元ホストなら前のお客さんと本当は繋がってたりしてるんじゃない?」

 それはないと言いたい。
 実際に洋が「そうしてくれ」と、言ったわけではないが元客の連絡を絶つ為に番号を変えてSNSもやめてわざわざ連絡してきた客を直ぐに着信拒否にした。

 だから、その心配は無いのだが····。



「心配だよね~。αはΩと違って何人も番作れるって言うじゃん」





 一般の番ならそうだろうが二人は違う。




 ただ、それを言ってもきっと信じてくれないだろう。




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