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58.昊の兄、昴
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空港第1ターミナルにて昊と洋は昊の両親を迎えに行っていた。
「······約束の到着時間間違えてない?」
「················」
予定では13時に到着すると聞いていたのだが、一向にその気配がない。
「あの二人来れなくなったってさ」
「「··················」」
後ろから聞こえた男性の低い声。
驚いて二人で振り返ると
「げっ」
昊に似た艶のある黒髪の男性がそこに居た。
「兄貴····」
「····兄貴!?」
兄弟いたのかと洋が驚いて昊と見比べる。
「初めまして。昊の兄で【一ノ瀬昴】です」
昊と違って真面目というかクールなタイプに見えると言うのが第一印象だった。
「初めまして···昊さんと御付き合いさせていただいてます篠原洋です」
洋も礼儀正しく自己紹介をして頭を下げれば昊がすかさず洋の腰に手を回し「ババァ達どしたの?」と、昴に問う。
「チケット確認したら明日だったって」
「確認しろよ!!」
明日は仕事だと文句を言えば
「観光して帰るってさ」
「何の為に帰国すんの!?」
事件に巻き込まれまくる息子に説教しに帰って来るのではなかったのか。
「俺が聞きたい」
昊両親のフリーダム精神に息子達が振り回されている。
「で?何で兄貴がここに来てんのよ?」
来るのは両親だけではなかったのか。
「いや、俺も気になったから来てみた」
来なくていい。
そう言おうと思ったが、昴はトラブルメーカーの番がどんな子なのか気になったらしい。
「お前に似合わずに真面目そうな子だけどな」
「やかましいわ!」
洋を見る限り可愛らしい清楚な少年と言った印象だ。
両親から話を聞いてどれだけ魅力的でどうやって昊を惑わせたのかと気になったが、逆に昊に騙されているのではと思ってしまう。
元々、昊はホストクラブで働いていた男だ。こんないたいけな少年騙すなんて朝飯前だろう。
「さっきから声に出てんだけど!」
それよりも両親から聞いたと言う洋の印象はどんなものなのか気になったようだ。
「あぁ···」
母曰く『会ったことないけどすごいドスケベボディで昊が骨抜きにされてホスクラやめさせたレジェンド』。
父曰く『会った事も話した事もないけど男を手の平で転がして男を何人も手玉にとっている魔性の高校生。昊と番になった事で学校の生徒の殆どがストーカーと化している』と、兄は聞いたそう。
「おかしい!色々内容がおかしい!!」
昊に対してだけのドスケベボディは認める。
確かにストーカー予備軍の元番と父親の身代わりにしようとして拉致された変態に捕まったのも認める。
しかし、男を手の平で転がした魔性の男子高校生ではないし、そんなビッチな事していない。
「······ぉい」
隣にいる洋の声がいつもより低い。
「····テメェ····ご両親に俺の事なんて言って説明してんの·····?」
とんでもない印象を持たれている洋は元凶は昊にあると思い問い詰めてきた。
「違う違う誤解!俺、そんな事言ってない!」
「じゃあ、どう説明すりゃこんなイメージつくんだよ?!」
詰め寄る洋にタジタジになっている昊を見て昴は「主導権は洋君にあるのか」と、思わず笑った。
「······約束の到着時間間違えてない?」
「················」
予定では13時に到着すると聞いていたのだが、一向にその気配がない。
「あの二人来れなくなったってさ」
「「··················」」
後ろから聞こえた男性の低い声。
驚いて二人で振り返ると
「げっ」
昊に似た艶のある黒髪の男性がそこに居た。
「兄貴····」
「····兄貴!?」
兄弟いたのかと洋が驚いて昊と見比べる。
「初めまして。昊の兄で【一ノ瀬昴】です」
昊と違って真面目というかクールなタイプに見えると言うのが第一印象だった。
「初めまして···昊さんと御付き合いさせていただいてます篠原洋です」
洋も礼儀正しく自己紹介をして頭を下げれば昊がすかさず洋の腰に手を回し「ババァ達どしたの?」と、昴に問う。
「チケット確認したら明日だったって」
「確認しろよ!!」
明日は仕事だと文句を言えば
「観光して帰るってさ」
「何の為に帰国すんの!?」
事件に巻き込まれまくる息子に説教しに帰って来るのではなかったのか。
「俺が聞きたい」
昊両親のフリーダム精神に息子達が振り回されている。
「で?何で兄貴がここに来てんのよ?」
来るのは両親だけではなかったのか。
「いや、俺も気になったから来てみた」
来なくていい。
そう言おうと思ったが、昴はトラブルメーカーの番がどんな子なのか気になったらしい。
「お前に似合わずに真面目そうな子だけどな」
「やかましいわ!」
洋を見る限り可愛らしい清楚な少年と言った印象だ。
両親から話を聞いてどれだけ魅力的でどうやって昊を惑わせたのかと気になったが、逆に昊に騙されているのではと思ってしまう。
元々、昊はホストクラブで働いていた男だ。こんないたいけな少年騙すなんて朝飯前だろう。
「さっきから声に出てんだけど!」
それよりも両親から聞いたと言う洋の印象はどんなものなのか気になったようだ。
「あぁ···」
母曰く『会ったことないけどすごいドスケベボディで昊が骨抜きにされてホスクラやめさせたレジェンド』。
父曰く『会った事も話した事もないけど男を手の平で転がして男を何人も手玉にとっている魔性の高校生。昊と番になった事で学校の生徒の殆どがストーカーと化している』と、兄は聞いたそう。
「おかしい!色々内容がおかしい!!」
昊に対してだけのドスケベボディは認める。
確かにストーカー予備軍の元番と父親の身代わりにしようとして拉致された変態に捕まったのも認める。
しかし、男を手の平で転がした魔性の男子高校生ではないし、そんなビッチな事していない。
「······ぉい」
隣にいる洋の声がいつもより低い。
「····テメェ····ご両親に俺の事なんて言って説明してんの·····?」
とんでもない印象を持たれている洋は元凶は昊にあると思い問い詰めてきた。
「違う違う誤解!俺、そんな事言ってない!」
「じゃあ、どう説明すりゃこんなイメージつくんだよ?!」
詰め寄る洋にタジタジになっている昊を見て昴は「主導権は洋君にあるのか」と、思わず笑った。
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