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60.美魔女

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 次の日の事である。

 友人とスーパーに行き食材を買った後に昊のマンションに向かう。


 友人達には「通い妻」と、茶化され


「やかましいわ」と、叫びながら笑って友人と別れた。


 セキュリティの整ったマンションのエントランスでカードキーをさしてドアを開けてエレベーターに乗り、階のボタンを押す。

 エレベーターが目的の階に着いて降りた後に真っ直ぐ昊の部屋に行き、カードキーを使って家の中に入った。



「·········ぇ?」



 玄関を見れば女性の靴が並んでいる。
 どうして女性物の靴が昊の家の玄関にあるのだろうと頭の中が疑問符でいっぱいになっていた時だ。


「あら、おかえりなさい」


「······え?え??」


 お出迎えしてくれたのは己の番である昊ではなくて


 昊に似た年上の綺麗な女性だった。



「洋君ね。初めまして。昊のマミィです」

「そしてダディです」

「····は·····じめまし···て······ぇ?」


 番の家に食材を買って帰ると番の両親が玄関でお出迎えするというサプライズに洋の頭の中は真っ白になった。



「昊の奴も隅におけないよね~何処でこんな可愛い未成年者捕まえたんだろう?」

「本当よね。犯罪者じゃないの?」

「ちゃんと結婚考えてるならいいんじゃない?」

「式はいつ頃になりそう?」

 玄関前で昊両親にまさかの爆裂トークをかまされるなんて思っていなかった洋は「え·····あの·······」と、しか言えずに混乱している 。



 それよりもまさかの昊の両親が




 女(‪α‬)×女(β)だとは思わなかった····



 昨日、昴と別れた後に昊から

「オカンと兄貴がβだよ」

 とは聞いてはいたが、二人とも女性だなんて聞いていない。

 
 


「ダディ、いつまでも洋君を玄関前に居させるのは良くないわよ」

「そうね。これじゃまるで嫁イビリしてるみたいじゃないの」

 ごく自然に買い物袋を取られごく自然に玄関からリビングに連れていかれごく自然にダイニングテーブルに座らせられて温かいお茶を出される。

 目が点のまま出されたお茶を両手で持ち頭の中が整理出来ないまま対面席に昊の両親が座る。

「本当に可愛いわね。私が食べちゃいたいくらいだわ」

 御父様(女)。
 突然何を言われますか?

「ダディ?昊が聞くと怒るわよ」

 御母様(女)。
 後ろに般若が見えております。

「いやぁね!冗談よ」

 ケラケラ笑う昊父(女)の顔を見れば「あぁ、親子だな」と、思う程顔付きが似ているなと洋は思いながら出された茶を飲んだ。

 程よい温かさで美味しかったです。



「あ····の····」

 もう昊に会ってきたのでしょうか?と、洋は恐る恐る聞けば

「丁度、物件紹介に行ってたみたいでいなかったのよ」

「オーナーさんから昊のカードキー借りて待ってるのよ」

 ちゃんとオーナーには自分達が昊の親であると言う身分証を見せている。
 美魔女二人に「カードキー寄越せ」と、脅されたのだろうな···と、洋は何となく想像がついた。







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