夏やすみ 姉妹奇談

tomonoshin

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姉妹奇談 幼少期その1

姉妹奇談 幼少期

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姉と急いで家に帰った。
暗くなる前に家に入るように言われていたからだ。
部屋に入りすぐ姉にさきほどの出来事を聞いてみた。
「ねぇ、後ろに小さな女の子いたよね?
あんな子いたっけ?」
「なにいってんの?誰もいなかったよ」

姉は頭がとてもよく、私は何度騙されたかわならない。

またか。

「ただいまー」
お母さんだ!

お母さんならわかるだろう。

「今日ね、スーパーの裏の駐車場でユリねぇとバドミントンしたの。
そしたら、壁の後ろに小さな白いワンピースを着た私より小さい女の子みたんだよー。
いつもいたっけ?
友、初めて見たよ。
一人だったけどこの辺の子かな?」

しばしの間、母は考えていたが、
「さぁ、知らないわねぇ」

そう言って、夕飯の支度を始めた。

わたしかは自分の中に膨らむ好奇心には勝てず、隙を見て家を抜けだし、駐車場へ向かった。
先程よりも夕日はほとんど傾き、薄暗くなっていた。
駐車場の隅、隣とを隔てる壁の角に彼女はまだ立っていた。

先程とおなじく一点を見つめまっすぐにただただ立っている。

薄く透ける肌色、薄くグレーに近いの肩先ほどの髪の毛、白色の膝丈のワンピースだ。

やはり怖さは感じない。
恐怖心もない。

五歳の私にはわからなかっただけだろうか?

すると、スゥーと首を此方にむけてくるではないか。

ミ.エ.ル?

微すかに唇がそう動いた気がした。

ジンジンと握った手の中が熱くなってくるのを感じた。

額からあせが、スゥーっとこめかみに落ちる。

その瞬間私は走り出していた。

モチロン、自分の部屋にむかって。

帰ってからも姉はやはり、私の話しは聞いてくれなかったけれど。

この町はもともと、父親が住んでいた町だ。
父に聞けばなにかわかるかもしれない。

仕事から帰る父親を心待した。

父親に夕方母に話したように聞いてみた。

「そうかー、昔、あの辺りは木材置き場だったんだ。お父さんも小さな頃あそこでよく、遊んだよ。
でも、事故がよくおきるようになって無くなったんだ。
最後は確か小さい女の子が倒れてきた木の下敷きになったんだ..。
でも、木材置き場のあとに墓場になった。
いまのスーパーになったのは最近なんだよ。

え、その女の子?
まさか、供養してるし、その墓場もその子のために建てたんだよ。
幽霊なんているわけないのさっ。」

じゃあ、はがばのあとに建てたの?
あのスーパーは?
墓場はどこにいっちゃったの?
お墓はホネガ埋めてあるよね?それはどうなったの?
矢継ぎ早の私の質問にはもうお父さんは答えなかった。

もう、いい加減にしなさい、ただの勘違いだろ。

大人の意見は至極真っ当だ。

しかし、それだけではなかったのだ。

ほんとう
の出来事はこれから始まる。
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