夏やすみ 姉妹奇談

tomonoshin

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姉妹奇談 幼少期その1

姉妹奇談 幼少期

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ときどき、一人でスーパーの駐車場に行ってみる。
でも、見えないときがあるのだ。

不思議だった。

幽霊っていろんなところにいくのかな?

ても、どうしてほかの人には見えないのかな?

昼間でも道路をはさんだ向い側に薄く透けてるお兄さんが足早に歩いてるのが見える。

毎日決まった時間だった。

進行方向も一緒だ。

明いては真っ直ぐ前を向き、足早に通りすぎていく。

どこにむかってるのか、何故そこだけを通るのか小さい私には理解できない。

まず、私にだけ見えるのは何故か?

親たちや姉には話してももう、取り合ってもらえずおしまい。

日増しに感じとる力が強まっていくのを感じていたが、どうするのかなにもわからないのだ。

道を歩く、交差点に花が置かれている。

前を歩く少年ははたして..。

すぐにうつむき地面を見つめるながら歩く。

じっとりと汗をかき、手のひらは強くにぎる。

キキィー!!

突然、軽自動車が右折して交差点にはいりこんだ。

目の前も頭も真っ白くなる。

人間は恐怖を感じると立ち止まるのだ。

猫を思い出す。

車が来ると必ず立ち止まり振り向く。
何故だ?

「ブッブゥー!」
車のクラクションが勢いよく鳴り響いた。

私だ!すぐにはしって信号を渡りきった。

「なんだよ..つまんねーの」
道路を渡りきり肩で息をする私の耳元で甘い吐息とともにその声は響いてきた。

とっさに振り向く。
辺りを見渡す。

だれ一人一人いなかったが。

そう、六歳になる頃には、姿だけではなく声すら聞こえ始めた。

いよいよこの世のおわりか、神のお告げか?

いやいや、神なんてしらない。
仏壇はあるがお盆に線香をあげる程度だ。

私はいったい何者なんだろう。

家に帰ると、姉は相変わらず漢字のいっぱいのった本を読んでいた。

もう姉は小学生で毎日帰ってから勉強していた。
私と違い優秀な姉は教科書をよむのみだが。

あんなにソックリだった私たち姉妹はあの日を境に違う人生を歩き始めた。

勉強の邪魔になると思いまた外に出た。

彼岸と此岸、ほんのちょっとの違いなのだ。

この世は慾望の塊ですべては煩悩で出来ている。
わたしもそっちがわの人間なのだろう。

此岸とは?
あちらがわにはなにがあるのだろう?

永遠に叶わぬ思いを残し、この世をさまようの?
天国っなぁに?地獄ってなぁに?

帰ったら 物知りなユリねぇにチャットだけ聞いてみよう。

そぅそぅ、暗くなる前にはお家に入らなくちゃね、だって此岸を行来きしてるモノたちがいっぱい歩く頃だもの..。







    
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