5 / 16
姉妹奇談 幼少期その1
姉妹奇談 幼少期
しおりを挟む
姉と私は二段ベッドで寝ている。
姉が上。私も上が良かったけど、姉だから上なの!と、よくわからない一言で決まった。
まだ6才の私と7才の姉二人だけの部屋だった。我が家は古い祖母の時代に建てた大きな家だった。その二階建ての階段の下、離れのような変わった造りだ。
階段の下に引き戸があり、そこから出入りする。部屋をでると目の前が廊下でつきあたりがトイレ。と、いっても和式のくみ取りだ。
田舎町の古い家。祖母があたりの土地を買い取って建てた大きな木造の家。
玄関は広くガラス張りの引き戸。
土間があり、また引き戸がある。
それを開けると外に出る。
私は玄関が嫌いだった。
あの日を境に私は日に日に視えるのだ。
外を歩けば毎日同じお兄さんが繰り返し歩いている。
少し透けているけれど、そのまま人間らしく、歩いている。
私は気付かないふりをする。
気付かれてはいけないのだ。
こちらの世界から覗いているのを知られてしまう。
家に帰る。玄関を開ける。土間にはいりガラス張りの引き戸を開ける。
そこには、小さな女の子とおじいさんが立っているのだ。
うちの祖父はとっくに亡くなっているし、写真とまったく違う人だ。
その人達も少し透けている。
二人揃ってただ立っている。玄関に。
私は視えないふりをして、さっさと玄関を通りすぎる。
目は合わせない。うつむき加減にサッと入るのだ。毎日毎日。そんな日々を過ごすのだ。
6才の私はそれほど恐怖は感じず、ただ邪魔だ、と思っていた。
家族の誰にも視えていない。
父に聞いたら、この土地は、家を建てる前に御祓いなどはしていない、誰の土地かもわからないで祖母は買ったとだけ聞いた。
多分、この土地の前の持ち主だなぁ、と感じるのだけど、誰にも視えないのだから、説明のしようはない。
「もう、寝るよー」
姉とベッドに入る。しばらくすると、ギシギシと廊下を歩く音がする。
(またか..。)
おじいさんと女の子はそっと夜中に廊下を歩く。
ギシギシ、ギシギシ。
部屋には入って来ないようにと心で思う。
さぁ、もう、寝なくちゃ。
私は気付かないふりをするのだ。
気付かれてはいけないのだ。
こちらの世界の人間なのだから。
姉が上。私も上が良かったけど、姉だから上なの!と、よくわからない一言で決まった。
まだ6才の私と7才の姉二人だけの部屋だった。我が家は古い祖母の時代に建てた大きな家だった。その二階建ての階段の下、離れのような変わった造りだ。
階段の下に引き戸があり、そこから出入りする。部屋をでると目の前が廊下でつきあたりがトイレ。と、いっても和式のくみ取りだ。
田舎町の古い家。祖母があたりの土地を買い取って建てた大きな木造の家。
玄関は広くガラス張りの引き戸。
土間があり、また引き戸がある。
それを開けると外に出る。
私は玄関が嫌いだった。
あの日を境に私は日に日に視えるのだ。
外を歩けば毎日同じお兄さんが繰り返し歩いている。
少し透けているけれど、そのまま人間らしく、歩いている。
私は気付かないふりをする。
気付かれてはいけないのだ。
こちらの世界から覗いているのを知られてしまう。
家に帰る。玄関を開ける。土間にはいりガラス張りの引き戸を開ける。
そこには、小さな女の子とおじいさんが立っているのだ。
うちの祖父はとっくに亡くなっているし、写真とまったく違う人だ。
その人達も少し透けている。
二人揃ってただ立っている。玄関に。
私は視えないふりをして、さっさと玄関を通りすぎる。
目は合わせない。うつむき加減にサッと入るのだ。毎日毎日。そんな日々を過ごすのだ。
6才の私はそれほど恐怖は感じず、ただ邪魔だ、と思っていた。
家族の誰にも視えていない。
父に聞いたら、この土地は、家を建てる前に御祓いなどはしていない、誰の土地かもわからないで祖母は買ったとだけ聞いた。
多分、この土地の前の持ち主だなぁ、と感じるのだけど、誰にも視えないのだから、説明のしようはない。
「もう、寝るよー」
姉とベッドに入る。しばらくすると、ギシギシと廊下を歩く音がする。
(またか..。)
おじいさんと女の子はそっと夜中に廊下を歩く。
ギシギシ、ギシギシ。
部屋には入って来ないようにと心で思う。
さぁ、もう、寝なくちゃ。
私は気付かないふりをするのだ。
気付かれてはいけないのだ。
こちらの世界の人間なのだから。
0
あなたにおすすめの小説
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
【完結】あなた方は信用できません
玲羅
恋愛
第一王子から婚約破棄されてしまったラスナンド侯爵家の長女、ファシスディーテ。第一王子に寄り添うはジプソフィル子爵家のトレニア。
第一王子はひどい言いがかりをつけ、ファシスディーテをなじり、断罪する。そこに救いの手がさしのべられて……?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる