追放歌姫の異世界漫遊譚

あげは

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二章 水の都

樹海探索

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 樹海手前で朝食がてら休憩してからどれくらい経ったかしら。
 未だそれらしきものは見つからない。
 というか本当にこんなところにあるのかしら。
 見渡す限り木で同じ景色しか見ていない。
 しかも太陽の光を通さないから暗いし、じめじめしてるし、まったく嫌になるわ!

「ねぇ、カーナぁ。今どれくらい経った?」

「そうっすねぇ……ざっと三時間くらいっすかね。自分も良くわからなくなってきたっす。ここにいると時間の感覚狂うんすよ」

「それは分かるけど。ていうか私たちが樹海を抜けてきた道ってどこだっけ?」

「そう言えばそれもなかったっすね。それを目安にしてたんすけど、どうなってるんすかねぇ」

 あれだけ派手に吹き飛ばして出てきたっていうのに、もう元通りなんてことないわよね。
 いや、そんなことあるわけないんだけど。って思いたいわ。
 魔法で何とかできる気もしないでもない。むしろここで何かしようとしている人がいるなら、あんなあからさまな道は塞ぐはず。私だってそうするもの。
 じゃあやっぱりここに闘技場があるってことなのかしらね。

「それにしても、魔物も出ないわね。周りには木しかないし、果物もなってないなんて」

「な~んか、おかしな感じはするんすよね。それが何かは分からないっすけど。でも魔物いないし、かといってこの前みたく同じ道をさまよっているわけでもない。何なんすかね」

「とりあえずどこかで休憩しましょ。このまま歩き続けてたって無駄に消耗するだけよ」

「確かにそうっすけど、どこで?」

「……どこかで」

 さっきも言ったが、見渡す限り木木木。
 休憩するようなところもなければ、自分たちがいる正確な位置すらつかめない。
 なんだかイライラしてきたわ。

「ねぇ、カーナ。いいこと思いついたんだけど」

「奇遇っすね。たぶん同じことを考えてると思うっすよ」

「それじゃ……」

「っす……」

「「前みたいに吹き飛ばして道を作る!!」」

 珍しく意見が揃ったわ。
 いつもは私が止める立場になっているけれど、こんな状況でそうも言ってられないわ。
 今回ばかりは仕方ないのよ。それに誰かの迷惑になるわけでもないし。
 それなら、持てる力を最大限に利用するのは当然よね?

「よし、ブラウ」

「少し温存も考えて……」

「あたしもやるわ。こんなところ、可愛いあたしには合わないもの」

 ブラウは口を開け魔力を溜め込み、カーナは手に小型の竜巻を精製、ロゼちゃんは前と同じように。

〈大嵐帝〉!
〈精霊砲〉!

「ゴアァァァァァァァァァ!!!!」


 二人と一匹の技が周囲の樹々を吹き飛ばし、景観が変わった。
 私たちの半径五百マイトルは見晴らしがよくなった。
 それに太陽の光も差し込んで、とても気持ちがいいわ。

「なんだかすっきりしたわね」

「そりゃこんだけ吹っ飛ばしたらそうなるっすよ。でも数時間ぶりのお天道様っすよ~。気持ちいいっすねぇ」

「ふんっ。まあ許容範囲内ね!」

 皆ストレスが溜まっていたようだ。
 しかし、これだけ景色が変わったとしても何もないわね。
 本当にこんなところにあるのかしら。ん? さっきも同じこと考えたような……。
 あ。岩壁があるわね。つまり私たちがいるのはどこかの崖下ということかしら。

「んぅ?」

 カーナが怪訝そうな顔で岩壁を凝視している。

「どうしたの?」

「いや、なんかこの壁違和感が……」

 壁に違和感て、そんなもの普通に見ただけではわからないわよ。
 しかし、カーナが言うからには何かあるのかも。

「ルナ、魔法の痕跡とかある?」

 そう聞くと、ルナは私の肩から飛び降りて壁の調査を始める。
 すると何かあるのか、てしてしと前足で壁の一部を叩いている。

「そこっすね。えーと、ここら辺に……あった」

 ガコッという音がした。
 何かの仕掛けでもしてあったのか、ルナの叩いていた部分がへこんでいた。
 それに合わせて岩壁の一部分が崩落し、なんと細い洞窟が生まれた。




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