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第四章 骨髄移植
第8話 骨髄移植についての簡易説明
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骨髄移植について簡易説明
骨髄移植について簡単にお話しします。
血は一部の骨にある造血幹細胞によって作り出されます。
白血病になるということは、この造血幹細胞が狂っている訳です。
(この辺のメカニズムは医師が記した文献を参照にして下さい)
ですから、化学療法(抗がん剤治療)をして寛解したとしても、取りこぼした悪い造血幹細胞が残っている限り再発の危険性があります。
――造血幹細胞を他の人の細胞に入れ替えたら?
骨髄移植はまさにそれです。
今までの化学療法は抗がん剤こそは使いますが抗がん剤でがん細胞を叩いて、自己治癒能力で血の正常化を行ってきました。
骨髄移植は全く違います。
自分の造血幹細胞を殺して、他人のそれに置き換えるという荒療治です。
当然それには不具合が生じます。ちょっと、おっかないですよね。
次に造血幹細胞はどこにあり、どこから移植するのでしょう。
胸骨、肋骨、脊椎、骨盤など体幹の中心部分にある、扁平骨や短骨にある様です。
(ウィキペディア参照)
私の場合は骨盤の腸骨部から骨髄穿刺(マルク)で検査採取していました。
骨髄移植する場合、ドナーは骨盤から採取され、患者は輸血の要領で移植します。
もちろん、下準備として自分の造血幹細胞を破壊する必要があります。
簡単な説明は以上です。
治療方針 化学療法か骨髄移植
骨髄移植については、寛解導入療法が終わる頃に簡単に説明を受けました。
また地固め療法第1回目から、その必要性を強く言われました。
その時に医師から次の治療を提示されます。
1 化学療法と維持療法だけで済ませる方法(この場合急性リンパ性白血病では5年生存率が低く望みが薄い)
2 骨髄移植しても5年生存率は若干は上がる程度であること
3 移植の場合、血液のABO型関係なく、白血球にもヒト白血球型抗原(HLA)で判断する(移植後はドナーの血液型に変わります)
4 可能性が一番あるのは兄弟による血縁者間同種骨髄移植、次にドナーによる非血縁者間同種骨髄移植、最終手段としてミニ移植や臍帯血移植がある
5 移植するにはそれなりのリスクと後遺症がある(ハイリスクハイリターン)
6 骨髄移植の場合、年齢制限があること(50代がリミットといわれました)
これら選択肢を患者に委ねます。
色々な考えがあります。
・運を天に任せて化学療法だけですませるか?
・とりあえず化学療法で様子をみて、再発の時に移植をするか?
・最初から移植するつもりでいるか?
・完全に諦めて余生を過ごすか?
もっとも、最後のパターンは何しても助からない場合を除いて選択する人はいないと思いますが…
私の場合、当初50代までならまだ時間があるので化学療法だけを考えていました。ですが再発してまた同じような治療をするのも苦痛だし、後々体力が落ちた自分に同じ治療をさせるのはあまりにも酷な話なので、移植する方向を選択しました。
選択肢1 血縁者間同種骨髄移植
私には弟がいたので、弟にお願いしました。
同一父母から生まれた兄弟では1/4の確率で100パーセント一致するとの事ですが、残念ながら50パーセントしか一致しませんでした。
それでも、弟が身体を張って協力してくれたという、その気持ちだけでもありがたかったです。
結果はダメでも、HLA検査で分かったことがあります。
私が典型的な日本人の型の遺伝子であったということ、つまり合致するドナーがいる可能性が高いということです。
金額は5万円ほどだと思います。記録がなく正確には思い出せませんが、京都HLA研究所から主治医経由で報告書を送ってきました。
選択肢2 非血縁者間同種骨髄移植
血縁者間同種骨髄移植が厳しいことから、公益財団法人日本骨髄バンクからのドナー探しを行います。
実は私が決断をする前に、主治医が既に探してくれていたそうです。
適合(HLA完全一致)者5名。ABO型も一致者あり。
ということがわかりました。
骨髄バンクに支払う金額
基本的に、患者が骨髄移植に関わるドナーの費用を全額負担することになります。
医療費控除もあるそうですが、私の場合はそれに該当しませんでした。
金額は今は一部免除になっているものもありますので約14万円~だと思います。
私が実際に払った領収書を確認するに、
1回目 43200円
2回目 8000円
3回目 8000円
4回目 115000円
合計で174200円でした。
これを内訳で確認しようとしましたが詳細なものがなかったので、骨髄バンクの資料を頼りに正確な見積もりを出します。
1回目の43200円は患者HLA確認検査料 (SBT法A・B・C・DR座)です。現在は無料になった様です。
2、3回目の各8000円は一般血液検査 (ドナースクリーニング検査)料 5000円+ドナー確認検査手数料 3000円です。1ドナー事に徴収されますので、2人から血液検査を行ったことになります。
4回目の115000円は最終同意等調整料 41000円+ドナー団体傷害保険料 25000円+採取・フォローアップ調整料49000円です。
それとは別に血液の輸送費27400円が請求されました。これ運送費の旅費だそうです。往復の特急料金、バスタクシー代、職員の宿泊費と日当代です。良心的な値段です。
請求書の内容から東海地方から輸送されてきた事がわかりました。
骨髄バンクから移植提供を受ける場合の諸注意点
移植に関して、ドナーさんの任意で提供されています。(※ここ重要)
だから、場合によっては移植できないこともあります。
ドナーさんが白血病等の病気になった場合、ご不幸に遭われた場合、ご家族の強い反対があった場合などがそれに当たります。
最悪の場合、放射線で造血幹細胞を潰した後に、これらの理由でドタキャンだってあります。
もちろん医師は最悪の場合に備えて、臍帯血輸血などの代替措置を施してくれますが、その時のショックは想像を絶すると思います。
私の場合はスケジュール通り、ドナーさんから提供を受けました。
骨髄バンクとの取り決めで、名前や顔も分かりません。唯一のやりとりはお手紙を書かせて貰った程度です。
私は輸血や骨髄移植を受けた関係で、もう献血や骨髄の提供もできません。
私の様に後で後悔しないように、出来る範囲で結構なので、献血・ドナー登録ご協力お願いします。
今回は以上です。
骨髄移植について簡単にお話しします。
血は一部の骨にある造血幹細胞によって作り出されます。
白血病になるということは、この造血幹細胞が狂っている訳です。
(この辺のメカニズムは医師が記した文献を参照にして下さい)
ですから、化学療法(抗がん剤治療)をして寛解したとしても、取りこぼした悪い造血幹細胞が残っている限り再発の危険性があります。
――造血幹細胞を他の人の細胞に入れ替えたら?
骨髄移植はまさにそれです。
今までの化学療法は抗がん剤こそは使いますが抗がん剤でがん細胞を叩いて、自己治癒能力で血の正常化を行ってきました。
骨髄移植は全く違います。
自分の造血幹細胞を殺して、他人のそれに置き換えるという荒療治です。
当然それには不具合が生じます。ちょっと、おっかないですよね。
次に造血幹細胞はどこにあり、どこから移植するのでしょう。
胸骨、肋骨、脊椎、骨盤など体幹の中心部分にある、扁平骨や短骨にある様です。
(ウィキペディア参照)
私の場合は骨盤の腸骨部から骨髄穿刺(マルク)で検査採取していました。
骨髄移植する場合、ドナーは骨盤から採取され、患者は輸血の要領で移植します。
もちろん、下準備として自分の造血幹細胞を破壊する必要があります。
簡単な説明は以上です。
治療方針 化学療法か骨髄移植
骨髄移植については、寛解導入療法が終わる頃に簡単に説明を受けました。
また地固め療法第1回目から、その必要性を強く言われました。
その時に医師から次の治療を提示されます。
1 化学療法と維持療法だけで済ませる方法(この場合急性リンパ性白血病では5年生存率が低く望みが薄い)
2 骨髄移植しても5年生存率は若干は上がる程度であること
3 移植の場合、血液のABO型関係なく、白血球にもヒト白血球型抗原(HLA)で判断する(移植後はドナーの血液型に変わります)
4 可能性が一番あるのは兄弟による血縁者間同種骨髄移植、次にドナーによる非血縁者間同種骨髄移植、最終手段としてミニ移植や臍帯血移植がある
5 移植するにはそれなりのリスクと後遺症がある(ハイリスクハイリターン)
6 骨髄移植の場合、年齢制限があること(50代がリミットといわれました)
これら選択肢を患者に委ねます。
色々な考えがあります。
・運を天に任せて化学療法だけですませるか?
・とりあえず化学療法で様子をみて、再発の時に移植をするか?
・最初から移植するつもりでいるか?
・完全に諦めて余生を過ごすか?
もっとも、最後のパターンは何しても助からない場合を除いて選択する人はいないと思いますが…
私の場合、当初50代までならまだ時間があるので化学療法だけを考えていました。ですが再発してまた同じような治療をするのも苦痛だし、後々体力が落ちた自分に同じ治療をさせるのはあまりにも酷な話なので、移植する方向を選択しました。
選択肢1 血縁者間同種骨髄移植
私には弟がいたので、弟にお願いしました。
同一父母から生まれた兄弟では1/4の確率で100パーセント一致するとの事ですが、残念ながら50パーセントしか一致しませんでした。
それでも、弟が身体を張って協力してくれたという、その気持ちだけでもありがたかったです。
結果はダメでも、HLA検査で分かったことがあります。
私が典型的な日本人の型の遺伝子であったということ、つまり合致するドナーがいる可能性が高いということです。
金額は5万円ほどだと思います。記録がなく正確には思い出せませんが、京都HLA研究所から主治医経由で報告書を送ってきました。
選択肢2 非血縁者間同種骨髄移植
血縁者間同種骨髄移植が厳しいことから、公益財団法人日本骨髄バンクからのドナー探しを行います。
実は私が決断をする前に、主治医が既に探してくれていたそうです。
適合(HLA完全一致)者5名。ABO型も一致者あり。
ということがわかりました。
骨髄バンクに支払う金額
基本的に、患者が骨髄移植に関わるドナーの費用を全額負担することになります。
医療費控除もあるそうですが、私の場合はそれに該当しませんでした。
金額は今は一部免除になっているものもありますので約14万円~だと思います。
私が実際に払った領収書を確認するに、
1回目 43200円
2回目 8000円
3回目 8000円
4回目 115000円
合計で174200円でした。
これを内訳で確認しようとしましたが詳細なものがなかったので、骨髄バンクの資料を頼りに正確な見積もりを出します。
1回目の43200円は患者HLA確認検査料 (SBT法A・B・C・DR座)です。現在は無料になった様です。
2、3回目の各8000円は一般血液検査 (ドナースクリーニング検査)料 5000円+ドナー確認検査手数料 3000円です。1ドナー事に徴収されますので、2人から血液検査を行ったことになります。
4回目の115000円は最終同意等調整料 41000円+ドナー団体傷害保険料 25000円+採取・フォローアップ調整料49000円です。
それとは別に血液の輸送費27400円が請求されました。これ運送費の旅費だそうです。往復の特急料金、バスタクシー代、職員の宿泊費と日当代です。良心的な値段です。
請求書の内容から東海地方から輸送されてきた事がわかりました。
骨髄バンクから移植提供を受ける場合の諸注意点
移植に関して、ドナーさんの任意で提供されています。(※ここ重要)
だから、場合によっては移植できないこともあります。
ドナーさんが白血病等の病気になった場合、ご不幸に遭われた場合、ご家族の強い反対があった場合などがそれに当たります。
最悪の場合、放射線で造血幹細胞を潰した後に、これらの理由でドタキャンだってあります。
もちろん医師は最悪の場合に備えて、臍帯血輸血などの代替措置を施してくれますが、その時のショックは想像を絶すると思います。
私の場合はスケジュール通り、ドナーさんから提供を受けました。
骨髄バンクとの取り決めで、名前や顔も分かりません。唯一のやりとりはお手紙を書かせて貰った程度です。
私は輸血や骨髄移植を受けた関係で、もう献血や骨髄の提供もできません。
私の様に後で後悔しないように、出来る範囲で結構なので、献血・ドナー登録ご協力お願いします。
今回は以上です。
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