12 / 49
不快な同居の始まり 3 ~公認のお迎え~
しおりを挟む
恐る恐る玄関に近づき、様子を伺うと!
や、やっぱり高山!!!
昨日に引き続き好感が持てるような服装と態度で来やがって~~。
「おっ、倉持。そういうことだから迎えに来たぞ。準備はいいか?」
こっそり覗いてた私に気づき、爽やか~な笑顔を向ける。
「は、はい。準備も何も全てお運びいたしましたから」
「是非ともよろしくお願いします」
両親は私を無理矢理引っ張り出すとペコペコと頭を下げる。
「もちろんですよ、お父さん、お母さん。未来さんは将来、世界で活躍する方ですから」
二人が喜びそうなおべっかを使って私をぐいっと引っ張る。
「…さ、倉持。行こうか? 1日でも早く特別指導を受けるために」
嫌な予感、的中。
イッちゃってる大人たちに何も言えないまま、高山ペース。
靴もまともに履けない状態で両親が見守る中、カバンとともに後部座席へと押し込まれる。
「それじゃあよろしくお願いします」
「未来、しっかりがんばるんだぞ」
すっかりと洗脳された両親は快く送り出す。
その背後のご近所さんの目を意識しながら大げさに。
「では失礼します」
高山の作った好印象を残しつつ、車は走り出した。
て、抵抗できなかった…。
「ちょっとコレ、どういうこと!?」
私は運転席でニコニコ顔の高山を睨みながら感情を抑えきれず声を張り上げる。
「えっ、ご両親に詳しく聞いてない?」
フロントミラー越しに話しかける高山。
「詳しくも何もただ書類に目を通しただけだし」
「だったらよく分かってるってこと。あの通りだよ」
「あの通りって…。じゃあどうして高山が迎えに来るわけ?」
「どうしてってオレが特別講師だもん♪」
「な、なんで高山が…」
「そりゃあ、特別だからだろう?」
意味深に笑いながら答える高山。
「何が特別だっつーの!!」
よりにもよってこんなヤツが講師だなんて理事長も何考えてんだか。
信じられない! アンビリーバブル!!
「…倉持って興奮すると口が悪くなるんだ?」
高山はクスクスとからかうように笑う。
しまったぁ! 私としたことがつい感情のままに発言してしまった!
冷静沈着な私、心で思っても口には出してなかったのにぃ。
「倉持はかわいいな」
くっそぉ~~! 何も言い返せない私に高山のヤツ、調子に乗りやがってぇ!
こぶしを握り締めながら必死に感情を押し殺していた。
「着いたよ」
しぶしぶ降りると薄暗いコンクリート壁に包まれた場所。
何台かの車が停車され、そこは地下の駐車場っぽい。
「こっちだ」
高山は私を誘導し、エレベーターの方に向かって歩き出す。
先に乗り込んだのを確認するとハタと立ち止まる私。
今までの経験上、この狭い空間に二人きりになったらどうなるものか。
「先に行ってください。何階まで昇るんですか?」
何かを察したように高山はニヤリと笑う。
「はは~ん、倉持はココで何か期待してるの?」
はっ? 期待なんかしてないっつーの。
未然に危険を察知して防いでるだけ!
「嬉しいなぁ」
ほんのちょっと油断した隙に手を掴まれ、エレベーターの中へと引き込まれる。
あっと思った時にはドアが閉じられ、上へと動き出す。
「倉持がオレに何か求めてくれるなんて」
熱い視線で私を見つめる高山。
違う、断じて求めてないっ!
このままだと危険だ、どうしよう!!
「期待に応えるべきだよね、うん」
勝手な解釈で私の手を引き寄せる。
ひぃ~~、非常にやばすぎる~~。
思わず目をつぶった瞬間、グイグイと引っ張り出された。
あ、あれ?
目を開けてみるとエレベーターの外へ。
目的の階に着いたみたいだった。
高山は楽しそうにクスクスと笑ってやがる。
くっそ~~、完全におちょくりやがって~~。
「まずは部屋を案内するから今はコレで我慢して」
片目を閉じながら高山は私の手の甲を持ち上げ、軽く唇を当てた。
「た、た、か、や、まぁぁぁ~~!」
慌てて手をブンブンと振り、引き離そうとしたが強く握られる始末。
余裕しゃくしゃくで笑っていてさっきから振り回されてばっか。
完全に高山ペースだ。
落ち着こう、冷静な私に戻るのよ!
や、やっぱり高山!!!
昨日に引き続き好感が持てるような服装と態度で来やがって~~。
「おっ、倉持。そういうことだから迎えに来たぞ。準備はいいか?」
こっそり覗いてた私に気づき、爽やか~な笑顔を向ける。
「は、はい。準備も何も全てお運びいたしましたから」
「是非ともよろしくお願いします」
両親は私を無理矢理引っ張り出すとペコペコと頭を下げる。
「もちろんですよ、お父さん、お母さん。未来さんは将来、世界で活躍する方ですから」
二人が喜びそうなおべっかを使って私をぐいっと引っ張る。
「…さ、倉持。行こうか? 1日でも早く特別指導を受けるために」
嫌な予感、的中。
イッちゃってる大人たちに何も言えないまま、高山ペース。
靴もまともに履けない状態で両親が見守る中、カバンとともに後部座席へと押し込まれる。
「それじゃあよろしくお願いします」
「未来、しっかりがんばるんだぞ」
すっかりと洗脳された両親は快く送り出す。
その背後のご近所さんの目を意識しながら大げさに。
「では失礼します」
高山の作った好印象を残しつつ、車は走り出した。
て、抵抗できなかった…。
「ちょっとコレ、どういうこと!?」
私は運転席でニコニコ顔の高山を睨みながら感情を抑えきれず声を張り上げる。
「えっ、ご両親に詳しく聞いてない?」
フロントミラー越しに話しかける高山。
「詳しくも何もただ書類に目を通しただけだし」
「だったらよく分かってるってこと。あの通りだよ」
「あの通りって…。じゃあどうして高山が迎えに来るわけ?」
「どうしてってオレが特別講師だもん♪」
「な、なんで高山が…」
「そりゃあ、特別だからだろう?」
意味深に笑いながら答える高山。
「何が特別だっつーの!!」
よりにもよってこんなヤツが講師だなんて理事長も何考えてんだか。
信じられない! アンビリーバブル!!
「…倉持って興奮すると口が悪くなるんだ?」
高山はクスクスとからかうように笑う。
しまったぁ! 私としたことがつい感情のままに発言してしまった!
冷静沈着な私、心で思っても口には出してなかったのにぃ。
「倉持はかわいいな」
くっそぉ~~! 何も言い返せない私に高山のヤツ、調子に乗りやがってぇ!
こぶしを握り締めながら必死に感情を押し殺していた。
「着いたよ」
しぶしぶ降りると薄暗いコンクリート壁に包まれた場所。
何台かの車が停車され、そこは地下の駐車場っぽい。
「こっちだ」
高山は私を誘導し、エレベーターの方に向かって歩き出す。
先に乗り込んだのを確認するとハタと立ち止まる私。
今までの経験上、この狭い空間に二人きりになったらどうなるものか。
「先に行ってください。何階まで昇るんですか?」
何かを察したように高山はニヤリと笑う。
「はは~ん、倉持はココで何か期待してるの?」
はっ? 期待なんかしてないっつーの。
未然に危険を察知して防いでるだけ!
「嬉しいなぁ」
ほんのちょっと油断した隙に手を掴まれ、エレベーターの中へと引き込まれる。
あっと思った時にはドアが閉じられ、上へと動き出す。
「倉持がオレに何か求めてくれるなんて」
熱い視線で私を見つめる高山。
違う、断じて求めてないっ!
このままだと危険だ、どうしよう!!
「期待に応えるべきだよね、うん」
勝手な解釈で私の手を引き寄せる。
ひぃ~~、非常にやばすぎる~~。
思わず目をつぶった瞬間、グイグイと引っ張り出された。
あ、あれ?
目を開けてみるとエレベーターの外へ。
目的の階に着いたみたいだった。
高山は楽しそうにクスクスと笑ってやがる。
くっそ~~、完全におちょくりやがって~~。
「まずは部屋を案内するから今はコレで我慢して」
片目を閉じながら高山は私の手の甲を持ち上げ、軽く唇を当てた。
「た、た、か、や、まぁぁぁ~~!」
慌てて手をブンブンと振り、引き離そうとしたが強く握られる始末。
余裕しゃくしゃくで笑っていてさっきから振り回されてばっか。
完全に高山ペースだ。
落ち着こう、冷静な私に戻るのよ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる