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不安な疑惑の準備期間 1 ~友達未満のクラスメイト~
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そういえば6月末から7月始めにかけての大テストっ!
特別指導に明け暮れて来週から学期末考査ということをすっかり忘れてたことに気づく。
とはいえ、クラスでは相変わらずやりたい放題の雰囲気には変わりなし。
一部必死にがんばってるクラスのコもいるけどね。
その代表格が関口良子。
何せ特待生は学年で10番以内に入ってないといけないという条件がある。
彼女も特待生なんだけどいつもギリギリのラインにいて大変らしい。
特待生を固持しなきゃいけない理由があるらしく、だけど実力がなかなか追いつかないとか。
こちらから訊いてもないのにごめんねと謝りながら教わっているついでにそんな事情を説明する。
表裏のない彼女だから私は最低限協力はする。
けど、それ以外の接点はない。
そんな彼女が今度のテストのため、また解らない所を訊ねてきた。
随分と努力家なんだなと感心しつつ、そこで考査前と気づかされる。
「やっぱり倉持さんってすごく解り易いな。同じ授業を受けててもちっとも理解できなくて」
う~ん、理解できないってのは一理あるかも。
そもそもここの教師の多くはやりたい放題の生徒を放置して自分のペースで進めてるしね。
教科によって内容のムラがあるし、かといって確実に習得させようという意識もない。
とりあえず学習要領の範囲で授業やってますって雰囲気だから。
よーするに教師も生徒も好き放題ってところなのよ、ここはっ!!
「それはどうもありがとう」
頭の中では私の見解がグルグルと回ってはいるけどどうしても必要最小限の言葉しか出てこない。
口が悪いからイメージを壊さないように気を使っていると普通の会話ってのが出来ないでいる。
ここ最近では高山に対して暴言がばれてるからこれ以上の拡大は避けたい。
もうヤツの前で取り繕ったって意味がないけど言いたい放題になってるし気をつけないと。
そんな日々の生活といえば洋楽ヒヤリングは続いてるし、お料理教室の助手と化してる。
添い寝問題はちっとも解決できずに少し諦めモードが入りつつあるし…。
まあ、今のところエロ教師も疲れ気味らしく、熟睡してる様子だとか。
自分で言ってるだけだから信用できないけど、確かに必要以上に接近してきてない。
とにかく高山との生活も少し慣れてきたって感じかも?
だからといって油断は禁物。
エロ教師だってことを忘れちゃいけない。
昨日だって3年生と腕を絡めて歩いてたのを見かけたばかり。
それに召使業務で生物準備室に訪れた時、笹川と抱き合ってるところを見た事もある。
容姿? 年齢問わず、無類の女好きなんだ、高山は。
誰にだって気安く触れて調子にのってるだけ!
気をつけておかないときっと痛い目を見ると感じる。
今年の卒業式だって高山の目の前で泣いている卒業生を何人も見かけてしまった。
たまたま在校生代表として送辞を読むため、1年生だったのに抜擢されて参加した。
当時、知らない教師とはいえ、嫌悪を感じたのは確か。
…その高山が今じゃそばに居るなんて考えられなかったけど。
「でも最近、倉持さんを見てて励みになってるんだ。朝早く登校して必死で勉強している姿を見て、努力してるんだなって」
ニッコリと笑う彼女に私はカラ笑いをする。
その内容が罰ゲーム回避のためだなんて言えやしない。
「本当に助かってる。ありがとうね、倉持さん」
礼儀正しく頭を下げると自分の席へと戻っていく。
そんな彼女を見送っているとふと目に入った4人組。
勉強なんて興味な~い! の代表格だ。
授業という授業は全く聞いてないと思える派手な女子ども。
茶髪、化粧、制服改造。
いつも4人で固まって何をやるのも一緒。
教壇の周りの机の上に腰掛けて大きな笑い声を響かせている。
私とは完全に縁のない連中。
もちろん会話はおろか挨拶すらしたこともない。
だけど高山と絡んでいるところは何度も見たことはある。
そんな彼女らに関口良子が近づいていく。
席に座れないコたちのために注意してるんだと分かる。
ホント、誰にでも態度を変えない責任感の強い委員長だわ。
不満げに渋々だけど、4人組も移動を始めてるし。
席を奪われてたコたちはそれが当たり前のようにお礼も言わず席に着く始末だし。
そんな調子でも嫌な顔を一つしないところが好感を持てるのかもしれない。
それになんだかんだ言ってもみんなは最後の最後には彼女に協力してる様子だしさ。
私と違って人付き合いが上手なんだな、きっと。
その割には特定のクラスメイトといる姿は見たことないんだけども。
ま、悪者役に回ることが多いから私とは違う意味、浮いてるのかもしれない。
とにかく関口良子はクラスの中で一番気になる存在なのは確かってこと。
特別指導に明け暮れて来週から学期末考査ということをすっかり忘れてたことに気づく。
とはいえ、クラスでは相変わらずやりたい放題の雰囲気には変わりなし。
一部必死にがんばってるクラスのコもいるけどね。
その代表格が関口良子。
何せ特待生は学年で10番以内に入ってないといけないという条件がある。
彼女も特待生なんだけどいつもギリギリのラインにいて大変らしい。
特待生を固持しなきゃいけない理由があるらしく、だけど実力がなかなか追いつかないとか。
こちらから訊いてもないのにごめんねと謝りながら教わっているついでにそんな事情を説明する。
表裏のない彼女だから私は最低限協力はする。
けど、それ以外の接点はない。
そんな彼女が今度のテストのため、また解らない所を訊ねてきた。
随分と努力家なんだなと感心しつつ、そこで考査前と気づかされる。
「やっぱり倉持さんってすごく解り易いな。同じ授業を受けててもちっとも理解できなくて」
う~ん、理解できないってのは一理あるかも。
そもそもここの教師の多くはやりたい放題の生徒を放置して自分のペースで進めてるしね。
教科によって内容のムラがあるし、かといって確実に習得させようという意識もない。
とりあえず学習要領の範囲で授業やってますって雰囲気だから。
よーするに教師も生徒も好き放題ってところなのよ、ここはっ!!
「それはどうもありがとう」
頭の中では私の見解がグルグルと回ってはいるけどどうしても必要最小限の言葉しか出てこない。
口が悪いからイメージを壊さないように気を使っていると普通の会話ってのが出来ないでいる。
ここ最近では高山に対して暴言がばれてるからこれ以上の拡大は避けたい。
もうヤツの前で取り繕ったって意味がないけど言いたい放題になってるし気をつけないと。
そんな日々の生活といえば洋楽ヒヤリングは続いてるし、お料理教室の助手と化してる。
添い寝問題はちっとも解決できずに少し諦めモードが入りつつあるし…。
まあ、今のところエロ教師も疲れ気味らしく、熟睡してる様子だとか。
自分で言ってるだけだから信用できないけど、確かに必要以上に接近してきてない。
とにかく高山との生活も少し慣れてきたって感じかも?
だからといって油断は禁物。
エロ教師だってことを忘れちゃいけない。
昨日だって3年生と腕を絡めて歩いてたのを見かけたばかり。
それに召使業務で生物準備室に訪れた時、笹川と抱き合ってるところを見た事もある。
容姿? 年齢問わず、無類の女好きなんだ、高山は。
誰にだって気安く触れて調子にのってるだけ!
気をつけておかないときっと痛い目を見ると感じる。
今年の卒業式だって高山の目の前で泣いている卒業生を何人も見かけてしまった。
たまたま在校生代表として送辞を読むため、1年生だったのに抜擢されて参加した。
当時、知らない教師とはいえ、嫌悪を感じたのは確か。
…その高山が今じゃそばに居るなんて考えられなかったけど。
「でも最近、倉持さんを見てて励みになってるんだ。朝早く登校して必死で勉強している姿を見て、努力してるんだなって」
ニッコリと笑う彼女に私はカラ笑いをする。
その内容が罰ゲーム回避のためだなんて言えやしない。
「本当に助かってる。ありがとうね、倉持さん」
礼儀正しく頭を下げると自分の席へと戻っていく。
そんな彼女を見送っているとふと目に入った4人組。
勉強なんて興味な~い! の代表格だ。
授業という授業は全く聞いてないと思える派手な女子ども。
茶髪、化粧、制服改造。
いつも4人で固まって何をやるのも一緒。
教壇の周りの机の上に腰掛けて大きな笑い声を響かせている。
私とは完全に縁のない連中。
もちろん会話はおろか挨拶すらしたこともない。
だけど高山と絡んでいるところは何度も見たことはある。
そんな彼女らに関口良子が近づいていく。
席に座れないコたちのために注意してるんだと分かる。
ホント、誰にでも態度を変えない責任感の強い委員長だわ。
不満げに渋々だけど、4人組も移動を始めてるし。
席を奪われてたコたちはそれが当たり前のようにお礼も言わず席に着く始末だし。
そんな調子でも嫌な顔を一つしないところが好感を持てるのかもしれない。
それになんだかんだ言ってもみんなは最後の最後には彼女に協力してる様子だしさ。
私と違って人付き合いが上手なんだな、きっと。
その割には特定のクラスメイトといる姿は見たことないんだけども。
ま、悪者役に回ることが多いから私とは違う意味、浮いてるのかもしれない。
とにかく関口良子はクラスの中で一番気になる存在なのは確かってこと。
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