婚約破棄され異国の地へ追放された令嬢が闇の力を手に入れて猛烈な復讐を果たします!!

ポラリス

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14.復讐の始まり

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トビーと一緒にゾロ王子を攻撃するタイミングを話し合う。

「こういった城は明け方の3時頃に一旦休憩を取るために警備が手薄になる。
だから、その時間帯を狙うといい。」

「あと、確かゾロ王子の寝室はあの部屋だったよな。」

ゾロ王子の寝室をトビーが指差した。
えっ?私はトビーにゾロ王子の寝室を教えたかしら?

「そう、あそこがゾロ王子の部屋だわ。」

「だったら、こっちの入り口から入るのが一番近いから、ここから攻め入ろう」

トビーは場数を踏んでいるからなのか、やけに城に攻め入る方法や城の内部に詳しい。

私は気になっていることを聞くことにした。
「前もってこの城について調べてくれていたの?」

そう聞くと、トビーは気まずそうに

「あぁ・・まぁそんなところかな・・・」

何とも歯切れが悪い感じがした。
もしかするとトビーも個人的にゾロ王子に何かしら恨みがあるのかも知れない。
そう思うことにした。

いよいよ、城へと突入する時間が迫ってきた。
「俺は君を必ず守る。だから、俺から絶対に離れるなよ」
そう言って強く抱きしめてくれた。

「うん」

私はトビーと一緒ならどんな困難も乗り越えられる。
そう強く思った。


トビーの言った通りだった。
午前3時頃になると城の警備は手薄となった。
皆眠そうな顔であくびをしているものまでいる。


トビーと一緒に城へと潜入する。
途中、私たちに気づいた護衛も居たが、
トビーがアッという間に倒してしまった。

城の奥へと突き進む。
足音を忍ばせ、ゾロ王子の部屋を目指す。
夜の闇に紛れ込むようにフードを目深に被る。

部屋へ向かうにつれて、魔物の息遣いが聞こえる。

結婚前、ゾロ王子はこういった。
「シルクとの初夜を特別なものにしたいと思っている。
だから暗くなる前にはシルクを屋敷へと送るよ。
俺はシルクの事を誰よりも大切にしたいと思っているんだ」

いつもそう話していたが、
今なら、本当は自分が魔物であることを私に知られないようにするための
嘘だったのだと分かる。


そっと扉を開く。
そこには見たこともない、醜い魔物がベッドに横たわり大いびきをかいていた。

うそ・・・
これは何・・・?


私はこんな気味の悪い生き物と結婚しようとしていたのだろうか・・・

あまりの事に絶句していると、トビーが素早くその醜い魔物に襲い掛かかる。

激しい痛みに目を覚ました魔物がトビーを振り払う。

その衝撃でトビーは壁に打ち付けれられた。

「誰・・・だ?」
醜い魔物が声を上げる。
壁に打ち付けられたトビーが立ち上がり、
魔物に立ち向かう。

「お前は・・・トビー・・なのか・・・」

え???
どうして・・・?
どうしてこの魔物がトビーの事を知っているの?
もしかして、トビーに呪いをかけてるのって・・・



魔物を倒そうと何度も攻撃を繰り返すトビー。
けれどもそう簡単に魔物は倒されない。
そうこうしているうちにトビーがどんどん弱っていく。

「そこの醜い魔物よ!
こっちよ!こっちに来なさい!」

そう呼びかけるも一向にこっちを向く気配がない。
いや、むしろ私が見えてない・・・

どういうこと・・・?
ふと、自分の胸元を見ると水晶がうっすらと光っていた。

そうだわ!!
きっとこの水晶が私を守ってくれているのね!!


私は大急ぎでトビーの元へ駆け寄った。
魔物はトビーにとどめを刺そうとしていた。
私はトビーに覆いかぶさった。

すると魔物は弾き飛ばされ、私達は攻撃をかわすことができた。

私はトビーを守ると同時に
胸の水晶をトビーの首へとかけた。


トビーは魔物から見えなくなった。


私は大急ぎでトビーの剣を手にした。
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