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13.授けられた力
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私は恐る恐る小瓶へと手を伸ばした。
本当に大丈夫なのだろうかと不安がよぎったが。
小瓶はあっけなくシルクの手のひらに収まった。
「ほお~さすがだな」
老婆は感心したようにシルクを見ていった。
「このラブータの小瓶の効果は一時間。
シルク、お主は元々魔物の呪いに対抗する強力な力を備えておる。
その強力な力は今は水晶で抑えられている。
もし、どうしても復讐したいのならば、
その水晶を外しその小瓶の液体を一口飲むがいい。
お前の真の力が発揮されるだろう。
ただし時間は一時間だけ。このことをよく肝に留めておくがよい。」
老婆はそう説明するとゆっくりと洞窟の出口へと向かって歩き始めた。
「ありがとうございます。おばあさん。」
シルクがそうお礼を言うと、
「二人の幸運を祈っているよ」
そう言うと、振り返らずに立ち去って行った。
トビーはシルクに向かって
「さっき話した通り、俺には魔物の呪いがかけられている。
本当は真実を話したいけれど、今は話せない。
けれど、俺は君から離れることは絶対にない。
だから、一緒に戦おう。
君を裏切った奴らを地獄に突き落としてやろう」
力強くそう言うと、シルクの手を取って歩き始めた。
暗闇から抜け、洞窟を出る。
明るい太陽の日差しが眩しい。
私は心配になってもう一度トビーに尋ねた。
「ねえ、トビー。本当に私と一緒に戦うの?
私は一度国外追放された身。
しかも、奴らは私の本当の力に気づいている可能性があるわ。
あなたも一緒に城へ向かえばあなたまで危険な目に合ってしまうわ。」
「私はあなたを失いたくないの。
せめてあなただけは生き延びて欲しいと思っているわ。」
「何を言っているんだ!
俺はシルクを一生守ると決めたんだ!
俺は君を離さない!!」
トビーの真剣な眼差しに気圧されて、シルクは
「余計なことを言ってしまってごめんなさい。
あなたを愛するあまり、失いたくなくてついこんなことを言ってしまったの。」
「俺もシルクと同じ気持ちさ」
お互いの気持ちを確認しあい、私たちはも一度セロビナ王国を目指すことにした。
王国への道すがら私はトビーから剣術を教わった。
なかなか筋がいいようで、王国につく頃にはトビーと互角に
戦えるようになった。
いよいよ王国が見えてきた。
トビーはともかく、私は顔がバレている。
奴らに攻撃を仕掛けるにしても、明るい時間は難しい。
決行は深夜。
辺りが寝静まった時間にすることにした。
本当に大丈夫なのだろうかと不安がよぎったが。
小瓶はあっけなくシルクの手のひらに収まった。
「ほお~さすがだな」
老婆は感心したようにシルクを見ていった。
「このラブータの小瓶の効果は一時間。
シルク、お主は元々魔物の呪いに対抗する強力な力を備えておる。
その強力な力は今は水晶で抑えられている。
もし、どうしても復讐したいのならば、
その水晶を外しその小瓶の液体を一口飲むがいい。
お前の真の力が発揮されるだろう。
ただし時間は一時間だけ。このことをよく肝に留めておくがよい。」
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「ありがとうございます。おばあさん。」
シルクがそうお礼を言うと、
「二人の幸運を祈っているよ」
そう言うと、振り返らずに立ち去って行った。
トビーはシルクに向かって
「さっき話した通り、俺には魔物の呪いがかけられている。
本当は真実を話したいけれど、今は話せない。
けれど、俺は君から離れることは絶対にない。
だから、一緒に戦おう。
君を裏切った奴らを地獄に突き落としてやろう」
力強くそう言うと、シルクの手を取って歩き始めた。
暗闇から抜け、洞窟を出る。
明るい太陽の日差しが眩しい。
私は心配になってもう一度トビーに尋ねた。
「ねえ、トビー。本当に私と一緒に戦うの?
私は一度国外追放された身。
しかも、奴らは私の本当の力に気づいている可能性があるわ。
あなたも一緒に城へ向かえばあなたまで危険な目に合ってしまうわ。」
「私はあなたを失いたくないの。
せめてあなただけは生き延びて欲しいと思っているわ。」
「何を言っているんだ!
俺はシルクを一生守ると決めたんだ!
俺は君を離さない!!」
トビーの真剣な眼差しに気圧されて、シルクは
「余計なことを言ってしまってごめんなさい。
あなたを愛するあまり、失いたくなくてついこんなことを言ってしまったの。」
「俺もシルクと同じ気持ちさ」
お互いの気持ちを確認しあい、私たちはも一度セロビナ王国を目指すことにした。
王国への道すがら私はトビーから剣術を教わった。
なかなか筋がいいようで、王国につく頃にはトビーと互角に
戦えるようになった。
いよいよ王国が見えてきた。
トビーはともかく、私は顔がバレている。
奴らに攻撃を仕掛けるにしても、明るい時間は難しい。
決行は深夜。
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